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この本はたまたま図書館の新刊コーナーにあったので借りてみたのですが、とても参考になりました。
著者の牟田さんは、もともとこの道のスペシャリストだったわけではなく、自分が参加したい講座をやろうと試行錯誤を重ね、さらに人を集めるにはどうしたらいいかと研究を重ねた結果、今では全国各地に自らが講演をしに出かけていくほどになったそうです。
この本は、これから講座講演を行ったり、そのためのチラシを作ろうとする方にとっては大変参考になると思います。もちろん私にとってもー。
ただ、牟田さん自身も書いていますが、公共の施設に委託されてやっている仕事で、予算も機器もある程度揃っているからこそ、自分がやりたいいことをやりたいようにできている、という側面は大きいと思います。
これをこのまま私のような弱小民間自営業者ができるわけではありません。それにしても、これまでにやり方を振り返って、よりよくやっていくには大変参考になりました。
以下、本書からいくつか抜粋しておきます。
【大講演会一回より小さな連続講座】
《一回だけならせいいっぱい動員をかけて人を集めることはできます。また講師によってはその一回で意識を変えてしまうほどの話をしてくれる人もいますが、非常にまれな例です。
一回の講演会では、人の意識を変えるほどの力はないと思うのです。人間の意識は、人と話をしながら、人と人とのつながりの中で自分と同じことを考えている人がいるとか、自分と違う考えの人がいるとか、そういう違いを確認しながら時間を過ごしていくことによって深まっていき、自分の生活に浸透していくのです》
【その一言で人を呼ぶ言葉がある】
《私は、女性が「論理的」という言葉につられて来ることに驚きました。女の人を集めるのに「論理的」はダメだろうと思って、タイトルにも使おうとしなかったほどですから。しかし、女性は、自分自身が論理的ではないと思っている人が非常に多い。コンプレックスになっているのです。
コンプレックスはビジネスになるとはよく言われることですが、そこらへんをくすぐれば人が来るのだと気づいたのです》
【目的をタイトルに入れる必要なし】
《論理的な文章とは、文法の話ではなく、自分の考えを表す文章のことです。自分の考えがなかったら文章は書けません。女性が論理的な文章を書けないと思い込んでいるのは、自分の考えを言えない、自分で自分の考えをわかっていなかったからなのです。女性が論理的な文章を学ぶということはジェンダーの基本だったわけです。
ここでわかったのは、なにも「男女共同参画を学ぼう」とか「ジェンダーを知ろう」などと「講座企画者」側の目的をタイトルに出さなくても受講者には関係ないということです。そういうタイトルで「意識改革だ」などと華々しくぶちあげたつもりでも、それは完全に企画者の勇み足。
ただし、目的を出さずに講座をやるということは、「前面に出しても効果がない」ということであって、目的を隠して受講者をだますわけではありません。私たちは男女平等推進センターの指定管理者であるNPO法人なので、男女共同参画をめざした講座を開くわけですが、肝心なのは「意識が低い人たちに自分たちが教えてやろう」とか、「正しいことをやっているのだから目的は前面に出すべき!」などという思い違いをしないで、受講者の得を考えるということです》
【宣伝はターゲットに届いているか】
《民間だったら、広告宣伝費を出して一生懸命集客しているのに、行政は自分たちがどれだけ恵まれているか考えなければいけません。もちろん、私もそうです。私も「エセナおおた」にいるから、いろいろな形で無料で広報ができるので、民間に行っても同じ力量があるなんて思っていません。私が独自の事業をやって行列ができる講座が作れるか、というとまた別の話かな、という気がします》
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