|
【「突き抜ける」感覚は絶対クセになる】より
《ここでひとつ注意しなければならないのは「できることを続けても脳は喜ばない」ということです。ドーパミンは、できると分かっていることを成し遂げても放出されません。
できるかどうか分からないことに、一生懸命になってぶつかり、そして苦労の末それを達成した時に大量に分泌されます。「えっ、私ってこんなこともできたの?」と意外性が強ければ強いほど、喜びが大きくなるしくみなのです》
《苦しければ苦しいほど、その後の喜びは大きく、より強化される。これが脳のメカニズムです。この「苦しい」状況を何とかして突き抜けることは、とても重要なことです》
●「できることを続けても脳は喜ばない」…まさにらくだ学習の本質もここにあります。
子どもは通常、「できる」と思うプリントしかやりません。だから、三枚のプリントを提示して「どれならできそう?」と聞いたときに、大体は「これならできる」というプリントを選びます(中には難しいプリントを敢えて選ぶ子もいます)。
そしてできたら喜びます。でもそれはらくだの入り口に過ぎません。続けていれば、どんどんと先に進んでいきます。そうすると、必ずその子にとって難しい(一回ではクリアできない)プリントにぶつかります。
でも、そこからが本当にらくだ学習になります。子どもによって、できなくて悔し涙を流したり、「もうやめる」と言ったり、さまざまな反応を示します。
私たち指導者は、ここで子どもに、「今起こっている大事なこと」を伝えるチャンスが来たと受けとめ、これからどのような形で学習を進めていくか相談します(同じプリントを毎日1枚やる、半分ずつにする、めやす時間だけやることにする、等など)。
らくだ学習は、できないところにきたら、「よかったね、やっとできないプリントが出て来たねー」と、できないことを否定せず、むしろ喜ぶことを勧めます(?)。
「だって、できることはできて当たり前でしょ?らくだはできないからこそやるんだよ。一日一枚やったら必ずできるようになるんだから」等と伝えます。
そして苦労してできた(クリアした)あかつきには、子どもたちの最高の笑顔に出会えます。苦労すればするほど、茂木さんの言うような、「えっ、私ってこんなこと(問題)もできたの?」という喜びが大きくなります。
「この『苦しい』状況を何とかして突き抜けることは、とても重要なことです」とありましたが、これこそが人生の壁を乗り越える練習に他ならず、このような貴重な瞬間を、らくだ学習を続ける子どもたちは何度も何度も味わって、身体で覚えていくわけです。
子どもによっては最初からこの状況を独力で乗り越えることができるとは限りません。ですから、子どもたちが苦しい状況にいるときこそ、指導者や親の関わり方が重要であり、関わり方ひとつで、「もうやめる」か「つづけていく」かが決まっていきます。
|