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【大学で何ができるのか】より
《言いたかありませんが、子どもたちが働くモチベーションをなくしたのも、モジュール化された仕事しかやりたがらないのも、疑似家族的な企業体質が大嫌いなのも、自分の能力についての外部評価を受け入れないのも、これは私たち日本人が打って一丸となって国策的に推進してきたあの「グローバリゼーション」の輝かしい成果でなくて、何なのでありましょう。
消費単位を細分化するために「家族解体」を掲げ、自己決定できる消費生活のすばらしさを謳い上げ、「自分らしさ」とは尽きるところ「商品購入のことなんですよ」と二十年間メディアを通じて宣伝し続けてきた企業のみなさんが、今さらそれに頬被りして、「なぜ最近の若者は自分の消費生活を最優先して、他人と共同で労働することができないのだ」などと凄まれても、こちらだって返す言葉がない。
そちらがそういう日本人を組織的につくり出すことに合意してきたという「犯意」あるいは「病識」を持っていないで、そういうことをべたで言われても、私は聞く耳を持たない。日本人みんな寄ってたかって「そういう子どもたち」をつくり出してきたのだから、政治家も企業経営者も自分の「割り前」は自分で負担していただきたい。
私は私なりに学生たちにいかにして「働くモチベーション」を持ってもらうか、自分なりに工夫して努力している。だったら、そちらもそちらで「働くモチベーションの高い若者」をどうやってつくり出せるのか、自分の頭を使って自分なりのプログラムを考えていただきたい。》
●「その通り!」と私は内田さんの論を断固支持します‥?
大人はみなそれぞれ、我が身を振り返った上で、自分の働き方や暮らし方を再考することなしに、若者に対してエラそうなことは言えないでしょう。エラそうなことを言う前に、彼らの話に耳を傾けるにはどうすればいいかを考えるべきでしょう。本気で考えた上で自分なりの行動をしていくこと、それ以上のことはないのではー。
[あとがき]から
《私はとにかく「学校の先生たちが元気になるような本」を書こうと決めていました。どう考えても、教育にかかわる諸問題を解決する主体は、現に教室で子どもたちを前にしている教師たち以外におりません。
「教師はダメだ。彼らに教育改革なんかできるはずない」と主張する人だって、本気で教育改革をしようとするなら、その「ダメな先生」たちを押しのけて、「そこをどけ、私が代わって教えるから、私のやり方を見てろ」と言う以外に説得力のある対案は出せません。ほらね。「教育にかかわる諸問題を解決する主体は、現に教室で子どもたちを前にしている教師たち」以外にないと言ったとおりでしょう。》
●この本を紹介した冒頭でも、このあとがきの文章を紹介しましたが、「教育にかかわる諸問題を解決する主体は、現に教室で子どもたちを前にしている教師たち」以外にないのですから、「まず教師を応援する」、あるいは、「教師を支援するにはどうしたらいいか」をひとり一人が考えてできることから行動する、私はそれを選択します。
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先日はお忙しい中、お時間をとっていただきありがとうございました。お会いできて、とてもうれしく思いました。これまで内田さんの本を詳しくご紹介いただき、大変ありがたかったです。もっと世の中が「教師を応援する」という雰囲気になってくれたらと思いますが、期待ばかりしていても始まりません。内田さんの言うように「自分の頭を使って自分なりのプログラムを考えて」いくしかないのでしょう。その上でお借りした御本はとても参考になりそうです。私も、若者の話に耳を傾けることから始めたいと思います。今後とも、私たち現場教師の応援団であり続けてくださいますよう、重ねてお願いいたします。
2009/5/28(木) 午後 6:23 [ sas*ki*o*chi1*20 ]