さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

宮台真司

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 【追いつくやつと追いつかれるやつ】より

宮台ー
《印象的だったのは、追い抜かれる連中はかわいそうだということ。早期教育で成績を上げていたような連中は、あとから勉強をはじめた連中に多かれ少なかれ必ず抜かれる経験をします。僕が知ったのは、高三や予備校で一挙に追い抜く経験をした者と、逆に圧倒的に追い抜かれる経験をした者とでは、ずいぶんメンタリティが違ってしまうことです。

 実際、ずっと勉強していなくて一挙に追いついた連中は、僕自身を含めて、その後いろいろおもしろい仕事に就いています。むしろ追い抜かれていった連中が、銀行に入ったりお役人になったりと、カタイ仕事に就いたんですね。ちなみに、寺脇さんは文科省のお役人ですが、高校時代から映画評論家なので、カタイ人だとは言えません(笑)。

 そこに問題の鍵があると思うんです。昔と違っていまは一年の猛勉強で東大に入るなんていう逆転劇はありえない。はじめからみんな勉強させられています。だからランキングは固定しやすい。僕らのときはまったく違った。僕は予備校に通ってからも一日四時間以上は勉強しないと決めていた。革命家になる準備に必要な時間が削られるからです。

 ただし、僕にとって革命家の準備というのは、なんといってもグラムシ主義者で文化的ヘゲモニー論にかぶれていましたから、映画や演劇を見ることだったんですがね(笑)。》

神保ー
《予備校時代もまだ革命家になるつもりだったわけですね(笑)。》

宮台ー
《そう(笑)。ともあれ当時は、一年たらず集中して勉強するだけで東大に入る連中がかなりいた。僕もそうです。そういう連中のほうが底力があるんじゃないかと思います。理由は簡単です。高校三年まで勉強せずに、趣味や、女遊びや、革命家としての修行など、あれこれ人生修行をしていますので(笑)、人間としての知識や経験に厚みがある。

 その点、いまの子どもは、もともと頭のいい子だって、ずっと勉強ばかりしていますから、経験に厚みがない。つまり、ひいでているのが「知識」であって「教養」じゃないんです。こんなレベルじゃ、アメリカのエリート連中には、とてもじゃないが「教養」レベルで太刀打ちしようがないんですよ。》


●1960年代の高校生の暮らしや考えがかいま見ることができて、私は興味深かったです。
高校時代は「あれこれ人生修行して」?、予備校で集中して勉強して希望の大学に入る…私もそれに近い経験はありましたが、予備校時代も大して勉強しませんでしたー。

 大学全入を迎えようかという今の時代、「浪人」生はかなり減っているということを聞いたことがあります。今の時代、「浪人」させられるくらいの資金を捻出できる家庭は、激減しているのではないかとも思いますし。浪人なんてできたら贅沢なことでしょうね。私も、浪人時代は貴重な体験をしたと思っています。

 それにしても、宮台さんは「革命家」を志していたとは‥。でも、私にも少なからずそのような気持ちはあったし、宮台さんの学生時代は、珍しいことではなかったかもしれません。

 子どもたちには、教養の厚みをつけていってほしいものです。

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