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4、〈理想〉と〈現実〉ー君が将来就く「仕事」と「生活」について から
【近代学校教育のモデルは軍隊と監獄】より
《まず、ぼくたちのいまの社会にいろいろとある仕事が、自然でも当たり前でもないことを、ちゃんと理解しよう。とりわけ、明治維新以降、日本が工業的に発展するプロセスで、みんながふつうに考えているような仕事のイメージが、人工的に作り出されてきたんだね。
江戸時代の農村の人々は、めいめい時間を決めて働いていたんだけれど、明治の近代化で、その人たちを時間的に管理された工場労働にかり出す必要が出てきた。そのためにまず、それまでの村人としての意識と体に染み着いた生活習慣を変えてもらう必要があった。
そこで導入されたのが、近代の学校教育だ。近代の学校教育には2つのモデルがある。軍隊と監獄だ。軍隊は、戦いに勝つために、体に規律を覚えさせる独特の方法を持っている。監獄は、囚人の社会的な更生をうながすために、規律正しくふるまわせる方法を持つ。
学校の準備体操では「整列! 気をつけ! 前へならえ! 休め!」とやる。これは準備体操にとって必要じゃない。じゃあ、なんのため? 号令によって、みんながいっせいに規律正しく集団で行動する習慣を身につけるためだ。これは、軍事教練から借用したものだ。
一方、19世紀のイギリスでベンサムという人が、監視に労力をかけなくても囚人たちが、いつ見られているかわからないと思ってビシッとする、合理的な監獄の管理システムを考えた。実は、君がよく知っている教室の空間的な構成から内申書まで、その応用だ。
軍隊と監獄をモデルにした近代の学校教育は、農村の人々を都市労働者として編成し直すのに役立った。雨が降ろうがヤリが降ろうが時間通り出社し、規律正しい集団行動で、安くていいものを大量生産する競争に加わる。そんな都市労働者が誕生することになった。》
●このことに関して、私はある程度知っていましたが、あらためてなるほどなぁと思いました。
近代化とは一律管理化と同義なんでしょうね。
転換期にあるだろう今の時代、そのままのシステムでうまくいくはずはないでしょう。
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