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第4章 税金、経済、社会連帯 から
そこそこ ぼちぼち より
《上野:大国の夢を捨てきれない人々が60代、70代よね。20代の人たちは、大国の夢なんて味わったこともない。物心ついてからこのかた、ずっと不況とデフレスパイラルを味わっているから。この世代は、「まったり革命」に成功するかもしれない。イケイケでなく、分相応にいこう、と。
2001年に大塚英志さんが『中央公論』誌上で「私たちが書く憲法前文」を公募しました。私もその審査員のひとりだったのだけれど、優秀賞をとった作品に、当時17歳の女子高校生、福岡亜也子さんの「日本国憲法前文」がある。印象的だったので、忘れられない作品です(大塚英志編『私たちが書く憲法前文』角川書店、2002年より)。
全くもってタイシタコトのない/世界的にみてソコソコの国がいい。(略)
世界なんていう単位で/立派で一番!になる必要はあるのか。/
私たちから見て一番幸せになれる国。/そうなる必要は大いに/有。
景気ばっかりよくって/高ーい車買って/宝石ジャラジャラつけたくって/そんな/
目や手や/そんな物で感じる幸せは/ソコソコあれば十分。/タイシタコトない平凡な
国がいい。/穏やかに過ぎる時に/心で幸せを感じられるから。(略)
これがいまどきの10代の女の子の未来へのビジョンかと思って、驚きもしたし、感動 もしました。
辻元:つまるところ「おひとりさま革命」というのは、「ぼちぼち革命」であり「まったり革命」ということでもある。大国主義で国際競争力重視の国より、バブルに乗っかる人ではなく身の丈に合った経済でええやんか。それも、それぞれの多様な生き方こそが大事にされるようにですね。》
●17歳の高校生がこれを書いた、ということですが、みなさんはいかがな感想を持ったでしょうか?
私は、どうしたらこのような考えを文章にできる子どもが育つのかーと、その背景を知りたくなりました。「物で感じる幸せはソコソコあれば十分」なんて思える子どもは少数派であり、「お金も物もたくさんほしい」と考える子どもたちの方が多いだろうと思えるからです。
でももしかしたら、真っ当に考えることのできる高校生であれば、このように思っている子は増えていっているのかな、とも思ったりします。子どもたちの声にもっと耳を傾けて日本の進むべき道を決めていく必要性があるのかな、とも思いました。
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