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この本は、香山リカさんの他の本を検索しているとたまたま目にしたので、読んでみようと思いました。私が参加している「教育人間塾」でちょうど今「学力論」をやっているので、何らかの参考になるかとも思いました。
香山さんは言うまでもなく精神科医であり、これまでに多くの子どもやその親たちの悩みを聞き、対応をしてきた方ですから、学校の先生や「教育評論家」の方々とはまた異なった視点から「学力」を語ってくれるのではないかとも思いましたし、もしかしたら私が考え、実践していることと近いところにあるのではないかとも感じました。
一読した感想としては、やはり私の考える「学力」と近いところにあると思いました。
以下、特に紹介したい部分を抜粋させていただきます。
第1章 生きづらい社会と学力 から
2 学力は生き抜くための武器 より
まわりが見えなくなるとき
《自分より苦しい人を見て、「私はまだまし」と思うということではありません。「こういうふうにすれば、体が楽になるかもしれない」「こういう方法はどうだろう」「あの人に尋ねてみよう」「あの人にも勧めてみよう」というふうに、自分だけに集中していた思いが、外に向けられていくことで、こころの凝りのようなものがほぐれていくのです。
いまのこの社会で身動きできなくなったときにも、「私だけなぜこんなに不運なんだろう」と思いこまず、少しまわりを見てみることです。同じように、明日どうなるか不安でたまらない、という人がほかにもたくさんいることがわかってきます。
そうすると、たしかに自分は運が悪いかもしれないけれど、ほかにもこれだけの人が同じ状況にいるということは、社会のあり方にも何か問題があるのではないか? 日本はずっとこういう社会だったのか? 世界のほかの国ではどうなのか?
ー大局を見るというと大げさかもしれませんが、視野が広がり、社会のなかで自分がどの位置にいるかという客観的な見方ができるようになります。そのなかで、利用できる制度を知ったり、相談できる機関・団体を知ったり、同じ位置にいる人と互いに協力する方法が見つかったりもするでしょう。
絶望して、こころや体がぼろぼろになってしまう前に、「自分の状況以外のことに目を向けられる力ーそれは、この社会で生き抜いていくための武器です。
私はその力こそ、学校で身につけさせるもの、「学力」なのではないかと思っています。》
●上に記してあるもののみが「学力」ではないでしょうが、確かに、そのような力を学校で子どもたちに身につけさせることができたら、どんなにいいだろうー。
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