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この本も、たまたま図書館の「新刊コーナー」にあったので借りてみた本でしたが、とてもおもしろくまた参考になりました。「感性」に関して、私も日頃いろいろ感じることがありましたのでー。
そして、また、「教育」につながる話も多く出てきました。彼の指導者論は、らくだメソッドの指導者像とほぼ共通していたことに驚きました。
それにしても、岡田監督は多方面のことがらに造詣が深く、今後の彼の動向、つまりしばらくはサッカー日本代表の動きがこれまで以上に気になってしまいそうです。コンサドーレ札幌の監督だったこともありますし、一層身近に感じてファンになってしまいました。
以下、本文から抜粋です。
【ゴールを入れる嗅覚】
《ロナウドなんか一試合何もしないけれど、ポンって点を入れて終わり。全体が見えているという直感かな。直感というのは、今までのいろんな経験の積み重ねでしょう。それは自分で意識していない、無意識の世界に入っているのだろうけれど、子どもの頃遊びでサッカーをやっていた中で、こういうところへよくきたとか、すりこまれているものじゃないかな》
●「全体が見えているという直感」という言葉はスゴイですね。
「今までのいろんな経験の積み重ね」か・・・。
【バーチャルな生活スタイルの感性への影響】
《どんなスポーツをやっても、どんな文化的なことをやっても、どんな勉強をやっても、バーチャルなコミュニケーションしかしないというのは、サッカーがうまくなるとかそんな問題じゃなくて、人間としての機能不足というか、成長を阻害していると思う。
このままでは日本という国が大変な国になってしまうという危機感を持っている。スポーツ以前の問題として、ケータイだけじゃなくて、社会のシステムとか体制がリアルなコミュニケーションというものをどんどんなくしているということはものすごく大きな問題だと思う》
●人間的ふれあいを削がれてしまっているような環境にある子どもたちをどうしたらいいのかー
今の社会では個人個人の力に頼らざるをえないのでしょうが、それでは限度があります。もっと根本のところから変わっていかないとー。
【素直さと純粋性はなぜ必要か?】
《志岐:「アスリートとして一番大切なものは何でしょうか」と王監督にお聞きしたとき、「素直さと純粋さでしょうかね」とおっしゃっていました》
《言われたことをただそのとおりにやるという意味の「素直さ」ではなくて、言われたことをまず聞く耳を持ち自分の頭で考えるという「素直さ」だと思う。俺が「指導者の仕事は、育つ育てるよりも気づく気づかせるだ」っていうのはそういうこと。スポーツでこれから世界へ行って闘おうと思ったら違うと思うんだよね》
《みんな現実を受け入れたくないんだよ。それをきちっと見つめる勇気。自分自身に対する素直さ、スポーツに対する素直さ》
《自分にとってパーフェクトな環境なんてない中でできることにベストを尽くすしかないんだよ》
●言われたことをまず聞く耳を持ち自分の頭で考えるという「素直さ」、これがあるかないかで「成長」の度合いは違ってくるのでしょうね。
「現実」を受け入れられる基でしょうし、現実を受け入れ自覚すれば、必然的にどうすればいいかを考えることになる。
「指導者の仕事は、育つ育てるよりも気づく気づかせるだ」というのはすべての分野に通じるものだと思います。
そして、どんなことでもどんな環境でもベストを尽くすこと、これができるかどうかで、将来は変わってくるー。
※『岡田武史監督と考えた「スポーツと感性」』
(志岐幸子・日本経済新聞出版社)
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