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本書には、絶望的な現在の状況と、まだ残されている「希望」が記されています。この二点は、アル・ゴア氏の映画と同じですね。
田中優さんの言いたいことは、マスコミなどの一般論におどらされず、自分で考えてちょっとずつ動き出そうよ、ということなのだと思いました。自分から知ろうと思わない限り見えて来ない事実が世界にはたくさんある、そのこともわかる本でした。
以下、本書から抜粋ですー
【人類が生き残るには、楽観的に見てもこの10年が勝負】
この10年がどう変えられるか、変えられないか。それによって、我々の未来がなくなるのか、残せるのかが決まる。その瀬戸際のところにいるんだろうと思っています。地球温暖化の問題は、予想のほかとても厳しい状況に置かれていると思うのです。
【自然エネルギーは「可能性」ではなく「必然」】
世界の紛争地はまさに資源とその通り道を中心にして動いていて、これまで指摘した5つの地域に戦争がすべて集中しているといってもいい状況になっているのです。だから、将来のエネルギーの確保や、テロや戦争のない社会を望むのであれば、自然エネルギーに換えるしかない。今後は、自然エネルギーに換えていくことが最大のセキュリティ確保に繋がるのです。ドイツの元首相、ゲアハルト・シュレーダー氏がこう言っています。
「最も重要なエネルギーセキュリティとは、自分の地域で作ったエネルギーを利用することだ。決して軍事でよその国を制圧することではないし、その海峡を押さえることでもない」
【ヨーロッパは既に自然エネルギーに移行しつつある】
ところが「先進国」と呼ばれる国のなかでなぜか日本だけが、「自然エネルギーは不安定で、値段が高くて、子供のオモチャだ」と言っていて、国民はそれを信じきっているという何とも不思議な状況なんです。日本政府は「原子力立国計画」なるものを発表して、「自然エネルギーは非現実的、だから原子力が必要」とさかんに宣伝しています。
日本では原子力発電に反対すると「原始時代の生活に戻っていいのか」と脅されますが、ノルウェーだって原子力発電所を持っていません。ノルウェー人は原始時代のような生活をしてませんよね。世界の常識を日本に当てはめたら、日本が異常なんです。
【日本の二酸化炭素排出量の約半分は、たった167工場が出している】
167企業ではありません。たったの167工場ですよ。この167工場で日本の二酸化炭素の半分を出しているのですから、その気になれば一気に減らせます。
【鉄鋼業界の二酸化炭素排出量非開示を許すな】
政府や企業が何もしないから、まず自分たちから家庭で始めていこうという姿勢はもちろん重要です。しかしその8倍、企業には努力させなければならない。ライフスタイル変更論で、個人のモラルの話に矮小化させていてはいけないんです。
さらに聞きたい。日本の中で二酸化炭素を大量に出していた産業、例えば鉄鋼、アルミ、銅精錬工場などは省エネをしましたか?実はそれらの産業は日本から消えていってるんです。工場を外国に移したからです。日本は省エネに成功して二酸化炭素排出を防止した国ではなく、それらの企業を外国に持っていった国なのです。
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