|
必ず見ようと思って前売券を買っていたこの映画を、先週水曜日の夜、観に行くことができました。
想像していた以上に、見応えのある映画で、いまだにその内容の重さを引きずっている感じがあります。
タイでの幼児売買春、人身売買、そして、臓器移植の実態に迫った映画ですが、これはドキュメンタリー映画ではありません。劇場用映画であり、日本の名だたる俳優が演じており、阪本順治監督がリスクを冒して現地撮影に踏み切ったものです。
以下、映画のチラシよりー
《『夜を賭けて』『血と骨』などで名高い小説家、梁石日(ヤンソギル)が、実際にタイのアンダーグラウンドで行われている幼児売買春、人身売買の現実を凄まじい筆致でえぐり出した問題作「闇の子供たち」。読み手がページをめくることさえ躊躇するほど衝撃的なテーマ、内容ゆえに映画化は不可能と思われていた企画が、タイでの大がかりな現地ロケによって実現した。》
●まさに上記に記してある通り、衝撃的な内容でした。話には聞いたことがありますが、実態を映像として再生したものを見ることは、とてもハードでした。でも、これは現実に行われており、今この瞬間にも苦しんでいる子供たちがいるんだから目をそむけちゃいけない、と思って観ました。
日本人男性に弄ばれ、その様子をインターネットで配信されている女の子
白人男性に挿入されて血が滲んでいる男の子
客のいいなりにならないのでムチで打たれている男の子
エイズに感染し、黒いゴミ袋に入れられゴミ収集車に投げ捨てられる女の子
そして、日本人の子供と心臓移植させられるため、生きたまま手術台へ向かう女の子・・・
みな、まだ4〜6歳の幼すぎる子供たちです。貧困に喘ぐ村の家庭から売られ、鉄格子のある部屋に閉じ込められ、客が来たらそこから出され、またその部屋に戻る、その繰り返し。でも、そこで一生を全うできるものでもなく、遅かれ早かれ病気になり、幼いままに死んでいく子供たち。
私には、そんな幼い子供を「買い」、性の玩具として弄ぶ、そのような大人の存在自体、どうしようもなく憤ることなのですが、世の中にはそのような大人の無謀な行為が解消される場所とシステムが存在しているということが悲しく、やるせない。
そんな非人間的な場を生み出しているのは、いくらでも金を使える連中と、日々生きて行くことさえ困難な人たちの、両極端が混在している今の世の中があるからに他ならないでしょう。
《監督は、持ち前の骨太な作風に磨きをかけながら多彩なジャンルの快作を世に送り出し、『亡国のイージス』『魂萌え!』といった近作でも大きな反響を呼び起こした阪本順治。
リスクを恐れず新たな挑戦に踏み出した彼が、“子供の悲劇”を扱う映画が陥りがちな甘ったるいセンチメンタリズムなどには目もくれず、ニュース番組やドキュメンタリーとは異なる、劇映画ならではのアプローチで、サスペンスあふれる物語を作り上げた。
この世の理不尽な闇へと果敢に切り込んだ本作は、まさに阪本順治の最高傑作、2008年映画界最大の衝撃作として多くの話題をさらうだろう。》
●確かに、劇映画ならではでした。この撮影をタイでするにあたって、それこそ「闇の世界」の人たちや多くの人に知られると、「妨害」される可能性があるかもしれないとのことで、撮影していることを広く知られる前になるべく「急いで」「広まる前に」撮り終えて帰ってきたそうです。
そして、阪本監督のリアリズムは最後まで貫き通され、映画の終わりにも驚かされました。センチメンタリズムとは無縁でした。
|