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《あなたは、自分の「弱点」を知っていますか?その「弱点」と、どのように向き合っていますか?
僕はいままでに、一流と呼ばれる多くの方々にお会いしてきましたが、そこではっきりと分かったことがあります。それは、それぞれの分野でプロとして卓越している能力が、「実はもともと自分の一番苦手な能力だった」という人がとても多いということです》
《典型的なのは、いまは誰もが認める流暢な語りのプロの方が、もともとは吃音であったというケース。吃音をなんとか克服したいと努力した結果、たとえば落語家として、講談師として、名司会者として大活躍されているのです。
かつて小児喘息に苦しみながら、長じてトップ・アスリートになった清水宏保選手も同じです。「弱点が転じて長所になる」ということが、実際にはあるのです。
弱点を抱えた人が、その弱点を克服する過程で余人には及ばない領域に達する。この現象には、強化学習のメカニズムが大きく関係しています。
弱点を努力で克服しようとする時、人はきわめて高いモチベーションを発揮します。そして、だんだんできるようになるにつれて大きなうれしさを感じるようになり、さらにドーパミンも多く出て、脳の強化学習がより進んでいくのです》
●これって奥深いことですね。私にも思い当たることがいくつかあります。
例えば、今生業としている「塾」の仕事。
もともと、「先生」と呼ばれるような職に就こうなんてまったく思っていませんでしたし、人に「教える」ことをする気もありませんでした。子どもに教えるということは、親御さんとコミュニケーションを取らないといけないということにもなりますから、そのようなことは自分は不得手だと思っていました。
でも人生「出会い」ですね。東京時代にたまたま出会った平井雷太さんが私の思い込みをぶち壊してくれました。
平井さんが作り出した「らくだ教材」は、「子どもの能力・可能性を引き出すには『いかに教えないで伝えるか』が大事」という観点から作られていますし、子どもであろうと親御さんであろうと誰であろうと、コミュニケーションは「聞くこと」が第一だということでした。
これらのことは、私の考えていること、実践してきたことと、見事なまでに一致していました。人生観および教育観がぴったりはまっていたのですから、私がこの教材の指導者の道を歩むのは、今思えば出会った時から時間の問題だったかもしれません。
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