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【成績は下ですが・・・】
もう一人の中学生は、成績は常に下の方でしたが、お母さんが「高校受験に備えて、
そして将来社会で生きていくことに備えて、少しでもできるようになってほしい」との
思いで、私の教室に来ることになりました。
小学プリントから始めたはいいものの、スムーズに進んでいったわけではなく、中3
の受験段階になってもまだ中2のプリントをやっている状態でした。
しかし彼は焦ることもなく、これまでと同じようなペースでプリントをこなしていっ
ていました。あまりに変わらない感じなので、「あれ?受験だよね?」と聞いてみても、
「そうです」と答えるのみでした…。
その後彼は志望校に合格し、お母さまも大変喜ばれてお電話をいただきました。
合格した高校はどこかなど、私はあえて聞こうとも思いませんでした。世間的に言う
「学力レベルの高い高校」ではないはずですが、本人も親御さんも満足しているのです
から、こちらからあえて言うことなどありません。
私は、「よくぞここまで持ちこたえてらくだを続けたものだ」と、そのことは伝えま
した。それだけで大したもの、スゴイことだと思っていますからー。
【どれだけ先をやっていたか、ではなく、いかにこれまで続けてきたかー】
「中1で中2、中3プリントをやっていること」がすごいことなのではなく、「どこ
の部分をやっていようと、続けてやってきたこと」自体が、すごいことなのです。
合格した高校は、いわゆるレベルの高い高校ではないかもしれません。でも、「継続
して学ぶ力」がついているであろう彼には、幸福な人生への道が続いているように思え
てなりません。
「自分のペースで学びつづける力」と、「受験のためと先のことばかりを見て焦りな
がらしている勉強」とでは、どちらが「身になり」「生きるために必要な力」がつくで
しょうか。
後者が例えレベルの高い高校に合格したとして、その後の生き方如何によっては、
「マイペース派」にどこかの時点で追い越されてしまう?のではないか、と私は感じて
なりません。
上に上げたのは単なる二つの事例かもしれません。きっと、どちらの力も備わってい
く子どもさんもいることでしょう。
しかし私は、「マイペース派」の親子がいつも穏やかに見せる笑顔と、「焦り派」の
親子のそれこそいつも何かに追われているような姿を、どうしても見比べてしまうので
す…。
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