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【今後は文化によって社会をよりよいものに】
《何度も書くが、ゆとり教育は理想である。共生社会を作る教育、多様な価値観を育む教育、自分で選択して自己実現していく教育だ。
同時にセーフティ−ネットが必要だ。セーフティーネットには、経済的セーフティーネット(金融政策、経済政策、福祉政策)と文化的セーフティーネットがある。
文化的セーフティーネットはすでに張られている。公共文化施設を作り、たとえば図書館を整備して、どんなに貧しい人でもただで果てしなく本が読める仕組みはできている。
学校は最終的セーフティーネットではない。本がいちばんの知識や思想の源である。つまり本を読むという習慣と好奇心を持った人間がいたら、極論すれば図書館さえあればいいのである。
歴史の知識を得る、元素周期表を知る、物理の法則を知るなど、図書館で本を読めば何でもわかる》
●「極論すれば図書館さえあればいいのである」ー
上記の言葉は、「自ら学ぶ力があればそれでいい」と置き換えることができますね。寺脇さんは、「生涯、教育」を唱え、また地で行っている人ですから当たり前の論理かもしれませんが。
私も図書館のハードユーザー?です。よっぽど手に入れておきたい本以外は、図書館への予約で手に入れて読むと決めています。
最近の図書館は、どんどん充実していっています。札幌で言えば、開館時間が延び(火〜木は19時まで)、貸し出し冊数が増え(10冊)、予約した本はまず必ず手に入ります(超人気本は別ですが)。また今年に入って、インターネット網の整備にも着手し、近々インターネットでの予約等もできるようになるようです。
私のところから車で約20分の石狩図書館はもっとスゴイです。まず施設が実に考えて作られていて、広いスペースに本がゆったりと置かれ、そこここに閲覧できるスペースがあり(畳敷きも!)、職員の手を借りなくても借りられる機器があります。
また子どもの本のスペースも広く読めるコーナーがあり、子ども専用のトイレも整っています。
あと驚くのは、貸し出し冊数は無制限!たくさん借りる人が多いからか、専用のカートまで常備してあります。ロビーには喫茶コーナーもあり、ゆったりくつろぐことができます。
ウチではいつも子どもの絵本を10冊以上も借り、重宝してます。
確か帯広市の図書館も新設されてから評判になっていますね。札幌は中央図書館まで行かなくても借りたい本は市の全施設から借りることができますが、各区の図書館は昔ながらの感じで、石狩や帯広と比べたら見劣りしますね。
貸し出し冊数や開館時間が伸びてから、図書館を利用する人も増えたようですし、この先まだまだ需要が増えるでしょうから、きっと改築する際にはいろいろと考えられたものになるのでしょう。
《これからは、全国の高等学校の図書室を住民に開放すれば、もっとすばらしいことが起こる。もちろん、現状は完全ではない。さらに充実させる必要がある。図書館の整備は、文化的セーフティーネットの最重要部分である。
生涯学習という考え方に立ち、知のセーフティーネットは十分張られている。しかし、多くの人の発想は、教育といえば何でも学校頼みなのだ。左翼教育学者たちが教育格差をなくせというときには、学校教育という道具を使ってなくせという言い方しかしない。
しかし、いまやほかのところで学ぶ機会はいっぱいある。インターネットが無料で使えて、あと図書館があったら、たいがいのことはわかる。
文化的セーフティーネットは張られている。あとは経済的なセーフティーネットがあれば、セーフティーネットはこと足りる。そんな社会なのだから、私たちは再度、この時代の教育とは何かと真剣に考え、理想に近づける努力をするべきだろう》
●「私たちは再度、この時代の教育とは何かと真剣に考え、理想に近づける努力をするべきだろう」に、同感。
【おわりに】
《日本は滅びても日本人は滅びない、と平田さんは言う。同感だ。この社会の希望は、今や子供と若者である。これから育っていく彼らに期待するしかない。自分で考え、自分で選択し、その選択に責任を持つ。そんな人々が増えれば、今のような状況にはならない。身の回りの小さな不満解決に汲々とするのでなく、地球温暖化などの環境問題、世界の平和といった大きな問題に立ち向かっていくこともできるだろう》
《子供や若者と一緒に、希望について考えていきたい。ゆとり教育を含め、私がこれまでの人生でやりたかったのは、希望のある社会を作ることだった。
今や、1つ1つの課題をきちんと考え、行動するときだ。だから私自身も「さらば、ゆとり教育」とここに宣言する。空論で動く人間はもう相手にしない。私は具体的に闘っていく》
●「空論で動く人間はもう相手にしない。私は具体的に闘っていく」という言葉にも共感するなぁ。寺脇さんの決意とこれまでの葛藤が表れた言葉のように感じます。
●スウェーデンの教育に近い寺脇さんの考えー
最近、スウェーデンの教育について詳しく書かれた本を読みました。それによると、スウェーデンではまさに、「教育=生涯教育」、「学びたいと思った時にいつでも学べる体制」を整えています。
その最たるものが「学習サークル」で、国民の二人に一人がこれに参加して、常に「学び合って」いるそうです。これがスウェーデン社会の原動力となり、「工業社会」から「知識社会」への転換が成功し、今に至っています。
人口や税金が日本とは全然違う、といえばその通りですが、方向としては日本もこれに習うことは、未来を切り開くために必要不可欠なことではないでしょうか。
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