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以前私の教室に来ていた生徒と、バス停でバッタリ会ったので、近況を聞いてみました。
以下、その会話よりー(一部手直し)。
「○○ちゃん、久しぶりー。部活で活躍しているねぇ。前に中学校の通信に載っていたでしょ」
「そんなことないですよー。でも好きでやっているんで、ずっと続けたいと思ってます」
「そうかー、ずっと続けるってスゴイよね。将来は選手として活躍できるかもね」
「ところで、その後勉強はどうだい?」
「まぁなんとかやってます」
「そうだ、アニキは今受験勉強の真っ最中でがんばってるんでしょ?」
(この生徒の兄も以前教室に来ていた時期があり、現在中3なので)
「いいぇー、実は私立中一本に絞って、公立は滑り止めにしたので、今のレベルでも絶対受かるんです」
「え〜っ、お母さんは東西南北(札幌の上位4高校)以外認めないし、本人も南高に行って部活やりたいって言ってたんじゃなかったっけ〜?」
「そうだったんですけど、そこの私立は上位で合格すると学費免除になって好きな部活ができることもあって、変えたんです」
「そうかー、それはびっくり。じゃあ○○ちゃんの方も勉強のことはもう言われなくて、自分の好きな道を行けるのかい?」
「そうなんですー」
「へ〜、それはよかったねぇ。お母さん、‘変わった’の?」
「変わったんです」
「どうしてなんだろう?」
「わかりませんー」
ーと、このような感じでした。
ほんの半年位前まで、「本人の将来のために東西南北に行かせたいし、そのために勉強をやるように言ったり塾に通わせたりしているんです」と言って憚らなかったお母さまです。
この子たち、特にお兄さんの方は、小さい頃から勉強はトップでなければいけないと言われ続け、実際常に上位に位置していました。それと部活と両立し、さらに生徒会活動なども行う好青年ですが、どこかにいつも「アセり」のようなものを感じたので、私などは「もっと楽にさせてあげられないかなぁ」と感じていたものです。
下の子は、お兄さんに追いつき追い越せの気持ちでいつもいたようですが、中学に入ってあまり成績が伸びず、お母さんへの反発もあって暗い表情でいることが多く、学校の先生への反発(グチ?)もよく聞かされていました。
それが、今日話してみたら明るくにこやかな表情で、特に「勉強のことは言われず自分の好きな道を行けるの?」と聞いて答えた時など、満面の笑みでした。
この半年でお母さまは本当に‘変わった’としか言いようがありません。何が要因なのか知る術はありませんが、最近仕事を変えて福祉の道に入ったと聞いたことがあります。
もしかしたら、そんなこともあって、「人間生きていればそれでいい」という境地に至ったりしたのでしょうか。それとも、子どもと本格的にぶつかりあって、本人の強い希望を聞き、「自分の進みたい道を進めばいい」という心境に至ったのでしょうか。
私は、○○ちゃんの晴れ晴れとした表情、そして彼女から聞いて想像する、自分のやりたいスポーツを全うする道を選べるお兄さんの晴れやかな表情を思って、「よかったねぇ」と伝えました。
でも一方で、「南高だって可能性のある彼にとってはもったいないかな」という気持ちもあります。
来春から札幌地区の高校受験のシステムが変更され、東西南北含めて一学区となったことも影響しているのかもしれません。危険な道を選ぶより、自分の望む道を選び、さらに「学費免除」となるのだとしたら、本人にとっても家族にとっても最高の選択、と言えるのでしょう。
こんなこともあるんだなぁ…と、感慨深い思いがします。どこの家庭にも当てはめられるものではないでしょう。それぞれの家庭にはそれぞれの歴史がありますから。だけど、親として参考にするべき事例として、頭に入れておくにこしたことはないでしょう。
●私の母親も、父親の考えに影響されて、ずっと「勉強しなさい」と口うるさかったのですが、ある時からがらっと変わって、子どもたちに対して何も言わず好きなことを好きなようにさせてくれるようになりました。
「お母さん、変わった」と明らかに感じました。当時はどうしてそうなったのかわかりませんでしたが、後で振り返ると、「変わった」時期と、「お母さんに父親とは別に付き合う人ができた」時期が一致していることに気がつきました。
子どもへの接し方が変わる時は、「自分の身を振り返る時」なのかもしれません。
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