さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

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 〔2 イギリス型かフィンランド型か〕から

《イギリスは、教育改革によって国際競争に耐え得る国民を育成することを政府の課題とした。ナショナルカリキュラムの強化、数値目標の設定による学力向上、全国テストの実施、学校監査制度の再編強化などを柱にしている。

 ところが、これと対極的な改革をやったところがある。フィンランドである。フォンランドは大幅な学校分権をやり、学校査察をなくした。フィンランドでは、競争の導入を是としない考え方が教育でも、社会生活でも強い。
 結果として、フォンランドがPISAの学力テストの結果で一位を出しているし、経済面での国際競争力でも好結果を出している。

 それぞれの国の事情もある。イギリス教育はもともと地方分権が強いために沈滞していた。フィンランド教育はもともと中央集権が強いために沈滞していた。

 日本教育の沈滞は、中央集権が原因である。中央集権ではないという建前が、解決を遅らせた。日本の学校は、指揮系列の中で萎縮している。日本の学校の自治権も裁量権もたいへん小さい。

 イギリス型の改革をやると、日本の学校に数値目標と学校間競争を持ち込むことになる。これは、最悪だと思う。ただでさえ自主性に乏しい学校である。学校と教員が窒息してしまうだろう。せっかく今まで文科省が守ってきた日本教育のもっとも美しい部分が失われるだろう。なんだかんだいいつつも、文科省は学校同士の成績競争の防波堤になり、学校が成績に追われずに「人を育てる」余地は作っていたのである。》


 [バランスがよい北欧型教育]から

《フィンランドに限らず、北欧諸国の教育がよくできている。イギリスタイプより、日本に合っていると思う。
 北欧諸国の教育は、生徒のストレスが少なく、かつ学力もかなり高い。社会を担う人を育てることにも目が届いている。バランスがよい教育だと思う。
 北欧の国々は、同質社会である。日本に似ている。同質社会に学校間競争や生徒間競争を持ち込むと、かえってストレスが大きくなる。一握りの者以外は落ちこぼれてしまうのである。

 北欧諸国は、自然条件が過酷だし、大国として振る舞うこともできなかった。知恵で生きるしかなくて、教育に賭けた国々なのである。これらの国の教育は“学力”という枠の中ではなく、ちゃんと“人を育てる”ことから発想している。型にはまった人間を育てていたら、ほんとうに潰れてしまう国々なのである。

 北欧諸国の教育の共通点は、
・教育を受ける側の権利保障をしっかりさせている
・官僚統制でも市場原理でもない
・生徒どうしに競争させない
ことにある。

 北欧諸国の教育でも、国ごとにかなり違いがある。多様な教育と学校選択のオランダ、自分たちの学校作りのデンマーク、生涯教育のスウェーデン、教師主導型のフィンランドなどである。どの国でも、国内にいろんな価値観、いろんな論議があり、いつも調整を繰り返している。そういう自己調整能力そのものが、知恵なのだと思う。

 その中でも、オランダの教育とデンマークの教育がよくできていると思う。小国ほど、知恵を発達させるのだといういことを感じる。経済危機に直面してオランダはワークシェアリングを発達させたし、デンマークはバブルを政策でうまく回避した。

 しかし、日本の現状から一足飛びにオランダやデンマークのようなシステムは作れないだろう。それらは、人々が社会参加し、話し合う能力を持っていることを前提に成り立っているからである。社会参加し話し合う能力を持っていることを前提に成り立っているからである。社会参加し話し合う能力を持った人々を生み出すための教育がまずできないと、オランダやデンマークのようなシステムを担いきれない。 

 とりあえず、日本の現状から移行しやすいのは、フィンランド型であろう。いずれにせよ、改革の方向をいくつかのモデルで選択肢として示し、国民に問うべきである。なし崩し的に、中央集権的改革を行うのはよくない。》


●日本が学んで、真似ていくべきなのは、北欧諸国の教育であるということが、とてもよく伝わってきました。

・「同質社会」であるということ
・「大国」ではなく、生き延びる「知恵」を育んでいく必要があること

「同質社会に学校間競争や生徒間競争を持ち込むと、かえってストレスが大きくなる」
「ちゃんと“人を育てる”ことをしなければ、型にはまった人間を育てていたら、ほんとうに潰れてしまう国々である」
ーということを、本当にしっかりと学んで軌道修正していかなければと思うのですが。

 しかしそれは、「一足飛びにはいかない」ということも確かです。
「改革の方向をいくつかのモデルで選択肢として示す」ために、より広範な分野から教育に携わる人たちに参加してもらい、時間をかけた議論の場を政府は作っていかなければいけないのではないでしょうか。

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