さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

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三育小学校に関して、以前私が取材して書いた記事を紹介したいと思いますので、興味のある方はご覧下さい。

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 「らくだは一人ひとりを大切にする教育の思想の具現化だった」
   
   札幌三育小学校との出会い
 
 私は3年程前のある日、新聞に載っていた記事に驚いて切り抜いたことを今でも思い出します。「札幌にマルチエイジ・クラスルーム(多年齢学級教授法)を導入した小学校ができた」という内容でした。「マルチエイジ」という言葉はそのとき初めて聞いたのですが、直感的に「らくだとつながる!」と感じたのです。そしてほどなく、この学校にもらくだ教材が導入されていたことを知り、さらに驚いたのでした。その後、セルフラーニング研究所の平井雷太さんを札幌にお招きした講座で初めて、三育小学校の教頭先生である大河原一義さんとお会いすることができました。大河原さんこそ、「マルチエイジ・クラスルームとらくだ教材」を導入し、この学校を改革することに尽力された方です。

 北海道でらくだ教材を導入しているのは、他に児童養護施設の天使の園と、私塾である私のところのみです。学校全体の取り組みとして導入しているのは全国的にみても珍しいと言えます。なぜ三育小はらくだ教材を導入したのか、それを探ることは私が今後らくだの教室を地域で展開していくためのヒントになるとも思えますし、児童養護施設ー私立小学校ー私塾と連携してらくだを伝えていくと、北海道ならではのおもしろい展開になるのではないかとも感じています。
 
   札幌三育小学校とは?

 【沿革】より
 三育学院は1898年、セブンスデー・アドベンチスト教会(プロテスタント)の宣教師、W・C・グレンジャーの和英聖書学校の創立にさかのぼります。1926年、千葉県房総半島の美しい松林の丘をキャンパスに選び、教師、生徒の手で日本三育学院を建て、ユニークな三育教育を続けてきました。1947年4月1日から実施された教育基本法(第6条)や学校教育法(第2条)等によって学校法人設立の学校として1949年4月を初めに日本各地に三育小学校が開校されました。
 札幌においても1951年5月、宣教師W・I・ヒリヤードにより札幌教会小学校として開校されます。

 【これが三育の・・・教育理念】より
 本校の教育理念は、次の聖書の言葉に要約されます。
「だから、何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」
                   マタイによる福音書 7 章 12 節 ( 新約聖書 )

 人をどのように育てるかは、親と教育者の理念によって違ってきます。本校では、次のような人を育てることを目指している小学校です。他の人に積極的に関わることのできる人自分の力を他の人のために活かそうとする人他の人の願いを実現できる能力をもった人神様の前に恥じることのない正直で勤勉な人そのために、本校は全てクリスチャン教職員で運営されております。子どもたち一人一人を大切に思い、互いに愛し合うことを最大のルールとする教育環境で、子供たちは 「コミュニケーション能力」 が高められ、「思いやりの心」 が育まれ、「国際感覚 ( 異文化理解と英会話力 ) 」 が深められています。

 【教育方法】より

○マルチエイジ・クラス ( 多年齢学級 )

 三育小学校は創立以来、少人数制の学級を編成していますが、2003年度からは全校児童を縦割りにして、1 年生から6 年生までが混合となったファミリーと呼ばれる小グループを全ての学習活動の母体としています。これは、「多年齢の子供たちと関わりあえるほど子どもの能力は伸びる」というマルチエイジ・クラスならではの効果があるからです。

 マルチエイジ・クラスは欧米で長い歴史を持ち高い評価を得ている教育方法ですが、どんな教育環境でも可能というわけではありません。それを可能にするには、少なくとも次の条件が必要です。

 第一に、お互いに関わりあうことは人生を豊かにするという教育観を教職員と親が共有できること。
 第二に、全ての教職員と児童と保護者が親しくなれる少数規模の学校であること。

 そして、第三に、子供たちが一緒に集えるオープンスペースを中心に、自由な活動を保証するスペース ( 教育空間 ) があること。札幌三育小学校はこれらの条件を満たしているからこそ、マルチエイジ・クラスを実践できているのです。

○ポートフォリオによる学習法と評価法

 本校ではポートフォリオと呼ばれる学習活動と評価が一体となった学習方法を取り入れています。ポートフォリオとは「紙バサミ」の意味で、もともとは銀行で個人情報の書類を入れるフォルダーのことを指していました。今では、子供たちの学習の歩みを確かめる「作品」を保存する学習法あるいは評価法を意味するようになりました。

 ポートフォリオ評価は、1970 年代から学習の結果 ( 点数 ) のみを重視していたアメリカで、点数の評価と実社会に出た後の働きの評価が食い違っていることに対する反省から脚光を浴びはじめました。今では、子どもの能力を多面的に伸ばし評価する方法として「真正な評価」とも呼ばれています。

○ポートフォリオ評価の利点

 一人一人の学習進度が大切にされることで学習意欲が増すことが確認されています。学習活動の始め、途中、まとめの各段階で何度も評価するため、やり直しの効く評価といえます。途中であきらめないで最後まで向上心をもって学習に取り組むことができます。 自分の学習の足跡を最後に確認することで( 1 枚ポートフォリオ)自分の成長を確認することができ、新たな課題へチャレンジ精神がつきます。学習の足跡は、教師、子どもたち同士、親など多くの人との関わりの中で確認されます。聞く力、教える力がつき、学習の基礎となるコミュニケーション力(関わることばの力)が伸びていきます。

○英語で学ぶ教育環境

 週 2 回のネイティブ英語講師による英会話のクラスを始め、毎日の朝の会やバイブルクラスでは英語によるアクティビティーが行われ、卒業までには簡単な英会話と日常的な英語による指示が理解できるようになります。近い将来、日本は多くの外国籍の方と共に働く国際化社会になります。その中で文化的違いを超えて活躍するには英語による日常的表現を自然に感じ取れるセンスが必要となります。ティーム・ティーチング約 30 名の児童に対し 3 名の教師がティームを組み、協力して学習活動を助けます。少人数の中でより関わり合いが深まることで学習理解も深くなります。

○らくだ学習:自主自立を育てるプリント学習
計算、漢字(幼児〜中3教材まで)。自分のペースですすめる。壁を乗り越える力の育成

○食育:三育小の「労作教育」の一環で、学校の敷地内の畑で子どもたちは野菜等を作り、作った作物は皆でいただきます。米は脱穀から精米まで行い、そばは脱穀から製粉、そば打ちまで行い、大豆からは豆腐やみそを作り、小豆からあんこにしたり、じゃがいもはフライドポテトにしていただくなどしています。花や果物なども植えていますし、農作業には保護者の方々もボランティアとして参加します。

 上記に記した【教育方法】のうち、「マルチエイジ」「ポートフォリオ」「らくだ学習」は、2003年の札幌三育小学校の再生プロジェクトにより導入されたものです。児童減少で存続さえ危ぶまれていたこの学校を再生させるための、いわば‘切り札’となったのです。ここに至る過程を教頭の大河原一義先生にインタビューさせていただきましたー。

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