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[雇用問題と自己責任論] 【的外れの自己責任論】より
《労働者が自己管理ということに敏感であろうがなかろうが、あるいは企業経営者の経営倫理がどうであれ、もし労働力というものが商品と同じように必要なときだけ必要な分だけ手に入り、不要になったら返却できるようなシステムがあれば、(一般的に言って)企業がそのシステムから受け取る利益の誘惑に抗しきることなどできないだろう。会社とは、そういうものであり、それ以上の企業倫理を、今のシステムを温存したままで会社や企業経営者に求めるのは筋違いというものだ。同時に、派遣社員に対して自己責任を求めるのも、まったくのお門違いの要求である。
この問題を考えるためには、企業とは何であり、社会の中でどのような役割を果たすべきかというところまで思考のリーチを伸ばす必要がある。また、この問題を解決してゆくためには、企業が短期的な利潤確保のために労働力の商品化を推し進めてゆくことが、中長期的には企業の力を弱め、市場の活力を失わせ、永続的な活動に重大な支障をもたらす(だろう)ことに、論理的な根拠を与える必要がある。
アダム・スミスを持ち出すまでもなく、企業とは利潤獲得のために利己的にふるまう生きものであり、私たちの社会はそのことに対してすでに同意を与えてきたはずである。だとするならば、利潤獲得のための利己的な行動と、労働者の利益が協同するシステムを見つけ出さなければならない。そして、そのために経営者も労働者も、同じ企業社会という生態系の中で生きているという論理を作り上げることができるかどうかが、いま問われていることなのである。》
●なかなか難しい問題だと思いますが、なるほどと思いましたー。
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