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【[よのなか]科という成功事例】
《ぼくは1998(平成10)年に『人生の教科書[よのなか]』という本を藤原和博という人との共著で出した。藤原さんはその後、杉並区立和田中学校の校長を5年間務めて、地域や社会で活躍する大人を呼んで話を聞く[よのなか]科を作るなどの成功を収めた。
[よのなか]科では、たとえば生徒たちがハンバーガーショップの店長の役割を演じることで、ビジネスや経済を体験する。また、自殺やホームレスの問題についての議論もする。ホームレス問題を議論したときは、実際にホームレスの人を招いて話を聞いている。
[よのなか]科の授業には正解がない。生徒たちが主体になって、日常様々な形で出会う正解がないことがらについて、大人といっしょに考える。こういう問題についての回答率を上げることに藤原さんは成功したし、計算力や漢字力などの学力上昇にも成功した。
この成功は藤原和博という「人の力」がもたらしたものだ。20年以上前から知っている藤原さんは「学校を開くとは、校長自ら社会に出かけて説得することだ」といっていた。「寝た子を起こすな」という反対意見もあったけど、藤原さんは「人の力」で勝利した。》
●宮台さんが、藤原さんと20年以上前から知己があったとはびっくりでした。藤原さんが公立中学の校長だった時の功績には賛否あると思いますが、上記に書かれているような「正解がないことがらを大人といっしょに考える」授業を成功に導いたのは特筆すべきことで、他の学校にもこのような実践が伝播していけばいいと私は思っています。
「学校を開くとは、校長自ら社会に出かけて説得することだ」というのもなるほどと思います。校長先生が汗を流して率先することにより、地域の理解を得ることができるのでしょう。ただ、その方向性が問題であり、そのための理念が大事になってくることでしょうから、現時点ではどの学校でも行い得るものではないのかもしれません…。民間出身の校長であればいいというものでもないでしょうし。
しかし、いずれにしろ校長の自由裁量度を増し、それぞれの地域に合わせたことをまずはやってみることが大事なのではないでしょうか。
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