さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

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●レストランを開きたい人と、物件を有効利用してほしい人をつなぐ場

 以前紹介した、私の友人が始めたお店「フェア&コミュニティトレードショップ“かっぱ”」は、“町内レストラン研修所”に併設されています。この“町内レストラン研修所”は、いわゆる「コミュニティレストラン」を各町内に増やすことを目的とし、それを志す人たちの支援をする場として設けられたと聞いています。

 昨日放送された「のりゆきのトークde北海道」(UHB)という番組は、女性が起業した会社やNPOの紹介で、その中で“町内レストラン研修所”も紹介されていました。私はこれを観て、ここの場が意図することがさらによくわかりました。後で“かっぱ”の友人に聞いたところ、「とても丁寧な取材をしてくれた」とのことでした。

 ここの場の支援を受けて、札幌市北区に小さなレストラン「ぽのぽの食堂」を開いた女性が紹介されていましたが、この方は先月オープニングパーティーで私たちが演奏したときに、カウンター内にいらした方でした。研修後一か月で自分のお店を開いたということでびっくりでしたが、そのようなことが、この研修所では可能なようなのです。

 ここでは、町内レストランをやりたい方にメニューの手ほどきをするだけでなく、物件の仲介もしてくれるのです。テレビでも、市内南区川沿にある物件が紹介され、そこの大家さんが「利益よりも気持ちよく使ってほしい」と話す姿が紹介されていました。「ウチに物件があるので紹介してほしい」という大家さんがいたら大歓迎なのだそうです。

●北海道の有機野菜のネットワークを有効活用する場

 小さなレストランでは、自分で仕入れるのはなかなか大変です。量も多いわけではありませんから、仕入れが高くついたり、時間的に余裕がないケースが出てきます。それをフォローするのがここの場であることを知り、私はなるほどと思いました。

 この研修所は、北海道の有機野菜の農家や卸しの方々とのつながりがとても深いとのことで、町内レストランを開いた方に、ここが卸しをするかたちで野菜などを提供するということなのです。これはとても大きなことでしょう。

 友人の話では、道内の農家の方から、「○○の野菜がたくさんあるから使ってくれないか?」などの連絡が頻繁に入ってくるのだそうです。きっとそれらの中には、品質は変わらなくても規格外れでスーパーマーケットや個人宅配には提供できないものが含まれてもいるのでしょう。それらの野菜を有効に活用するとともに、町内レストランの支援にもなるのですから、一石二鳥三鳥になるはずです。

 「ぽのぽの食堂」をオープンした方がおっしゃてましたが、上記のような支援の他にもさまざまな相談に乗ってくれたりするので、「一人でやっていても心強い」とのことでした。

●札幌市内の各町内に100軒の町内レストランを!

 研修所の当面の目標は上記のことだそうです。私自身、今回のテレビを観ていて、「町内レストランをするのもいいなぁ」と思いました。先日訪れたカフェ・ハチャムにも通じていますが、「町内のさまざまな人たちが集う場、たまり場」としての役割があると感じられたからです。

 実際に札幌市内各町内にこのような場ができてくるとしたら、それは何かとても大きな変革につながるような気もします。今のご時世、小さなお店ができてもほどなくつぶれていく、そのような光景をよく目にします。大規模チェーン、画一化されたお店、アルバイトの従業員…じゃないと、価格の上でも太刀打ちできず、経営を続けることが困難な時代になっています。

 そこに風穴を開けるのが、このような町内レストランやカフェなのではないでしょうか。小さなお店だと経営が大変、だからこそ、力強く支援する場がとても大切になってきます。

 「各町内に100軒の町内レストランを!」の言葉は、最初友人から聞いたときは非現実的なことのように感じていましたが、「もしもそれが実現したら、町内レストランネットワークができあがり、何かが変わるかもしれない」と私は思い始めています。

●「小さな場」の持つ重要性ー「暮らしの変換」に通じる試み

 今回のテレビ番組をきっかけに、私は、この町内レストラン研修所の重要性が(ようやく?)わかってきました。この場所の設立には、東京で「第3世界ショップ」を始めた片岡勝さんが深く関わっています。この方が奔走してこの場所を設立したのには大きな意味があるはずと思っていましたが、それがようやく私の腑に落ちて来たという気がしています。それには、先日カフェ・ハチャムで中島岳志さんのお話を聞いたことも関連していることでしょう。

 現実にお店を開くとなると、多大なエネルギーがいるでしょうから、頭で考えたようにはいかないかもしれません。私自身、自宅を拠点に小さな塾を開いて、継続することの大変さを思い知っているつもりですが、競争とは一線を画したこのやり方を必要としている子どもたちはたくさんいるはずですし、続けていれば少しずつ「こんな(ヘンな?)塾があるよ」ということを届けていけるはず、と信じてやってきました。

 グローバリズムが進展する世の中、いわゆる‘強者’しか生き残れないと思いがちかもしれませんが、やりようによっては、‘弱者’の生きて行く道もあるのではないかと私は思っています。

 大きな企業もどんどん廃れ、10年後にはどんな仕事が主流になっているか見当がつかなくなっているのが今の時代でしょう。人々が得られる賃金が上昇していく時代はすでに終わり、これからは「いかに少ない生活費の中でそれぞれが幸せに生きていくか」という時代になってくるはずです。

 そんな中、例え「何とか暮らしていける」それだけの生活であったとしても、町内で、あるいは他のコミュニティでそれぞれにつながりを持ち、顔の見える関係、話が聞き合える関係を作って維持するような暮らしができれば、それは何よりも充実したものと言えるのではないでしょうか。

 小さなレストラン、小さな塾、他「小さな」いろんな場であれば、なんとか家族が暮らしていけるだけの糧を得ることはできるでしょう。このような「暮らしの変換」に通じる一つの試みとして、町内レストラン研修所のような場とそのシステムは、今の時代の一縷の希望だと私は感じています。

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