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[講義その12 マスコミは弱者の敵である]から 【メディアが書き立てるルサンチマン】より
《メディアは、解決しないほうが儲かるから、解決しようとはしない。ドキュメンタリーを作って不安をあおるが、NHKや日テレからは解決策が1つも出てこない。評論家も不安はあおるが解決策を提示しない。結局、不安をあおる方がカネになるのは、【講義その1】で書いた百マス計算で商売する出版社と同じことだ。》
《それに比べて巨大組織メディアの側には、貧乏を楽しむという発想は皆無であり、貧乏は苦しいことだとなっている。それはそうだろう。金持ちの側からすれば貧乏は忌むべきものでしかない。メディアはひたすら深刻さを伝え、負け組をどんどん追い込んでいる。そして、思考停止の視聴者たちは、半分が「かわいそう」、半分は「彼らワーキングプアにも問題がある」とか「甘えている」とかの反応で終わってしまう。》
【メディアに思想なんてない】より
《百マス計算で頭がよくなるはウソ。もちろん百マス計算をやるとそれによってバカになるというのもウソ。この一連の講義で私が言いたかったのは、百マス計算で頭がよくなるとか、百マス計算は子どものためになるとか、他人やメディアに乗せられて自分の頭で考えずに信じきっていると、思考停止=バカになってしまいますよ、ということなのである。
だから、この本にあることも、1つの情報として受けとめ、自分の頭で整理していただきたい。寺脇の言うことを信じきってしまったりしたら、それも思考停止=バカにつながるのだから。》
[あとがき 講義を終えて]から 【さぁ、常識を捨てよう】より
《イスラエルのガザ地区攻撃も、ハマスの放ったロケット弾でイスラエル人が亡くなったことへの報復で始まった。それはまた、自衛のために先制攻撃をする発想につながっていく。過度な報復感情は、裁判の問題だけでなく、戦争につながる危険性をも持つのである。
報復感情は怖い。私は、たとえ自分の最愛の人が殺されても、「犯人が憎い」とか「死刑にしてほしい」とか言うつもりはない。そう京都造形芸術大学の授業で話したら、間髪を入れず質問を発した学生がいた。「じゃあ、先生は何て言うんですか?」。いいタイミングの、いい質問だ。私は答えた。「そうだね……。『悲しい! 悔しい! 残念だ!』と言うだろうね」。学生は納得してうなずいた。それでいいのではないか。憎しみや報復感情は、自分の心をも荒ませる。
常識人を気取って、被害者の報復感情に同情し「かわいそうに」などと言っていると、戦争を起こしてしまうことにさえなりかねない。
本書は、そうした常識人に染まった大人たちに贈る「物事の考え方」の本である。願わくば、本書を読んで冷静な判断力をつけていただければ幸いである。さぁ、まずは常識を捨てることから始めよう。
そして最後に、自分にではなく、他人に何ができるか、そのことをみんなが常に考えていれば、この国はもっとよくなるはずだと強調しておきたい。》
●「常識」と言われているものを一旦捨て、「自分の頭で考える」…私がしようとしてきたことであり、多少はしてきたことでありー。それは自由に生きるためのプロセスなのではないか、と感じるこの頃です。
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