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寺脇さんは、韓国と日本、「こんなに似通った国は他にない」と言います。私もなんとなくそう感じてはいましたが、具体的に事例を上げられ、なるほどと思いました。
平和志向と人権志向は特に顕著で、韓国は歴史上一度も対外戦争(侵略)をしたことがないのだそうです(他にタイもそうだとのこと)。ヴェトナム戦争において出兵はしましたが、あれは韓国自身の意思とは言えないものだったそうです。
しかし、いずれも、現実には守られていない。つまり、大事だと思っていてもできていない、そのことも両国に共通していることだと聞き、私はまだ掘り下げて考えたことがないのでわからない部分もありますが、そうかもしれない、との思いを抱きました。
そして、現在の外国人政策、農業政策、少子化、さらに宗教的寛容度、外国文化の受容、等などに関して、これほど価値観を共にしている国は他にないとのことでした。
それらを考えた上で寺脇さんは、韓国と日本、「いっしょに世界へ向けて発信する」ことが今後さらに重要性を増す、なんとかそれができないか、と思っていらっしゃるとのことでした。
私が昔ルームシェアリングをした韓国人は、いまだに「心の友」として存在しています。お互い今は家族を持っていることもあり、あまり連絡を取ることもなくなっていますが、いつかはまた連絡を取り合い、お互いの国を訪問して、私たちの親しみの環を広げていくことができればと思っています。
本当は、子どもが小さなうちに行き来して、「肌で知り合う」ことができれば最高なのですが、家族4人何とか暮らしていくことで精一杯の現時点においては、今の所叶わぬ夢となっています。
●ところで寺脇さんは、昨年公開された映画『闇の子どもたち』(阪本順一監督)を、「メッセージ的到達として、日本映画100年の最高峰!」とおっしゃっていたのでビックリ。私もこれを観て、思わず身震いするくらいのものすごい映画だと感じましたし、「阪本監督はここまで描いたか!」と驚きましたから、寺脇さんがこの映画を評価していることに「わが意を得たり」という思いを持ちました。
が、日本映画を見尽くしていると言ってもいい(高校生の頃から映画評論家をしている)寺脇さんの口から「最高峰」という言葉が出たことに驚きました。
寺脇さん曰く、「誰も安全圏にいない。みんな考えなければいけない映画」、「これを日本の映画人が作った。立派!」ー。
そして、日本では結構客が入ったけど、外国にはなかなか売れない状況とのことで、韓国の人たちにこそこの映画を観てもらいたいと思っているのに釜山映画祭などでも上映することができなかったそうです。
そこでなんと、寺脇さんは、この映画の韓国配給権を買ってしまったというのです。これが驚かずにいられることでしょうか。「配給権ってそんなに高いものではないんですよ」とおっしゃるもののー。
でも、これってもしかしたら、ものすごい楽しみを一つ自分の手にしたということかもしれない、とも感じました。
だってこれから、自分の思うままに、韓国でこの映画を上映していけるんですよ。その道を切り開くのは困難が伴うことかもしれませんが、これだけ韓国に知己を得ている寺脇さんなら何とかなるのでしょう。
そうして上映された場では、この映画を題材にして、韓国の人と意見を交換し、さらなる知己を得ていくことになるのですから、最高ではありませんか。
人生における幸せは「出会いとコミュニケーション」だと感じている私にとって、うらやましい限りの「ツール」となる可能性があるのが、この映画の配給権、のように思われます。
そしてこれをきっかけにして、寺脇さんは、念願の「韓国のメディアのコメンテーター」となってくのかもー。
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