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先日まで寺脇さんの講演を聞いて感じたことを書いてきましたが、今日からは本を読んで感じたことを書いていきたいと思います。
最新刊のタイトルが、「百マス計算でバカになる」…。
元文部省事務次官がこんなタイトルの本を書いていいのか!と叫びたくなるくらい(?)痛快なタイトルですが、文部省に長く勤めて教育界の虚々実々を知り尽くしているからこそ書ける、そして「今だから(辞めたから)こそ」書ける、そんな数々の文章を、私は興味深くおもしろく読ませていただきました。
【はじめにー「ウソと非常識」講座の受講ガイド】から
《本書では、思考停止状態の脳を再起動させるために、あなたが常識だと思っていることが実はウソであることをお話ししていく。いまのうちに真実に気づき、自分の頭できちんと考える喜びを再び手に入れてほしい。》
[講義その1 百マス計算で頭はよくならない]から
【大ヒット学習教材「百マス計算」】より
《なぜここまで流行ったかといえば、百マス計算をやると頭がよくなると思われているからだ。
だが、そもそも頭がよくなるとは誰も言っていない。百マス計算の仕掛人である陰山英男氏ですら明言していないだろう。陰山氏は「百マス計算が子どもたちに自信を与えた」と言っているにすぎない。
陰山氏は「睡眠時間が多い子の知能指数は相対的に高い」「小学生の調査では、午後9時までに寝る子の成績がよい」「夜型生活や朝食抜きの子どもが増えているが、これでは脳が活性化せず学力低下につながる」など、「早寝、早起き、朝ご飯」を提唱している。早く寝て、朝早く起き、朝食をとる、という生活習慣を身につけた子どもは、決してバカにはならないと言っている。
そういう子なら百マス計算をやろうがやらまいが、ある程度、勉強はできるようになるだろう。一方、不規則な生活をしている子どもが百マス計算だけを必死にやったとしても頭はよくならない。つまり、百マス計算そのものには人の頭をよくする効果はないということだ。
陰山氏を批判する人の間では、彼が自分の子どもには百マス計算をやらせていなかったというまことしやかな噂がある。それは、品性に欠ける足ひっぱりのような的外れの陰口だ。陰山氏のお子さんにとって百マスが必要かどうかが問題なのであって、父親が提唱している方式を子どもがやっているかやっていないかは関係ない。
「百マス計算で頭がよくなる」が真理なら、陰山氏が自分の子どもにやらせていないのはおかしいだろうが、もともとそうではないのだから非難は筋違いである。むしろ私は、百マス計算が人によっては有効で人によってはあまり効果がないという意味で、この方式が算数学習の一手段として有用であることは裏づけられると思う。》
●なるほどな〜、と言うしかありません・・・。
誰も頭がよくなるとは言ってないー確かに。でも、誰もが頭がよくなるものだ、と思っているはずです。誰も言ってはいないけど、そういうもんだという暗黙の了解で、教材が一人歩きし、これで儲けるところが出てくる…。
陰山氏は、言ってはいないけど、今さら否定はできない、という状況になり、言ってはいないけど結局そう言っていることに加担しているーとは言えるでしょうね。
寺脇さんは、本のタイトルは刺激的ですが(出版社の意向かもしれませんね)、最後には「この方式が算数学習の一手段として有用であることは裏づけられると思う」とフォローしているのですから、さすがに大人です…?。
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