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[子どもの声を聴く指導〜インタビューゲーム]
いくら「自分で解き進める」といっても、放っておいて子どもが続けられるものではありません。らくだ教材には合格(クリア)の基準が明確に決められていて、「めやす時間台でできて、ミスが3つ以内」であれば次のプリントに進めるということになっています。
子どもによって、クリアしていくペースはそれぞれです。中には、同じプリントを何十枚もやった結果、クリアする子もいます。そのように、同じプリントばかりすると大人だって嫌になってきますが、実はそのプリントがその子にとっての「壁」であり、それを乗り越えることは、人生の試練を乗り越える訓練でもありますし、乗り越えた時は大きな喜びとなります。
そのためのサポートをするのが指導者であり、常に子どもに「どのプリントをどのようなかたちでどれくらいするか」を聞いて、基本的に一週間分のプリントを渡すことになります。
時には、「もうイヤだ、やりたくない!」という子どもさんもいますし、そのときにはその声をそのまま受け止めた上で、「じゃあどうする?」と相談します。
ここで大事なのは、「子どもは本来成長したがっている。学びたがっている」と信じての対応です。この言葉は、教育界の重鎮である村井実慶応大学名誉教授がおっしゃっていたことであり、らくだの考え方とも合っていたことから、平井さんは村井先生をお招きしての講座を続けていた時期がありました。
子どもの声を聴き、しかし真に受けずに、こちらの伝えたいことと子どもの言い分とを重ね合わせて、そのときどきの対応をしていきます。
しかし、「声を聴く」ということは、実はできているようでいてできていないものです。このことを自覚して今後の対応に活かすことができるのが、「インタビューゲーム」なのです。
[インタビューゲームの効用?]
「教えない教育を伝えるにはどうしたらいいか」を長年考え続ける中で、インタビューゲームが生まれ、らくだの指導者養成講座で実践されてきた結果、これはらくだの指導に限らず、どんな人でもどんな仕事にも活かすことができる「コミュニケーション・トレーニング」であることがわかってきました。
その後世間一般には「コーチング」ブームが起きましたが、インタビューゲームにはコーチングと共通する要素が多くあります。ただ異なるところは、ある特定の目標の達成のためにするのではないことと、高価な値段をかけて何日にも渡って講座を受けることなく、体験した直後からのご自身の実践の中で身についていくものだということ、だと感じています。
私自身、人とのコミュニケーションがとても楽になりました。
人は、聞かれていると安心します。「自分に関心を持ってくれているんだな」と感じます。人は周りのすべての人を好きになることはできませんし、そうする必要もないでしょうが、それでも嫌な人と付き合っていかなければならないことは多々あります。
その場合、関心のあるなしに関わらず、「ただ、聴けばいい」のです。その人の発した言葉からつながって掘り下げていけば、その人の新たな面を発見することもありますし、関係がよくなりますし、なにより自分自身の懐が深くなっていきます。
ただ、「聴くこと」は「問いを発すること」なしに続かないものです。そのトレーニングがインタビューゲームでもあります。
4、終わりにージンベとらくだとインタビューゲームのつながり
私の中では、ジンベとらくだは同様のものとしてつながっています。
どちらも、「それぞれの人の可能性を引き出す」ツール(道具)です。
そしてそれらは、関係性の中でこそ力を発揮します。
自分の力で続けていかないことには身につきません。
逆に、続ければ必ずその人それぞれのペースで身についていきます。
私は、それらを続けることを援助するコーディネーターです。
コーディネーターは、その人が感じていることを聴くことから始まります。
インタビューゲームを体験していることは、
私のコーディネーターとしての仕事に欠かせないものだった、
と今になって思います。
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