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[第6章 教育基本法や愛国心は隠れ蓑にすぎないー教育行政の闇をあばく]から
【よい教育とは何か】より
鈴木寛ー
《そもそも教育とは生きる力を身につけさせることです。しかし、これからの生きる力は、決して暗記力や反復力ではありません。いままでは工業社会であり、大量生産・大量消費社会でした。それに資する労働者ーつまり工場労働においては、マニュアルを覚えて、それをベルトコンベアの前で正確に高速に再現するのが、いい労働者でした。そういう労働者をいっぱいかかえている企業の売り上げがあがり、そういう国のGDPが伸びた。
日本は工業社会での教育システムづくりに大成功したが、しかし、情報文化社会の教育システムは工業社会のそれとは違う。私は、これからの生きる力はふたつあると思っています。真・善・美の判断能力とコミュニケーション力。これが21世紀の生きる力です。
そのためには、教育というテーマをめぐって大人たちが熟議と実践のコミュニティをつくっていて、最初は手探りでいいので、おたがいにコミュニケーションを深め、悩みながら、考えながら、コラボレーションをしながら、何かをつくりあげていく。そうした議論や試行錯誤を子どもたちに見せ、子どもたちも少しずつ参画させることによって、子どもたちのコミュニケーション力・コラボレーション力は圧倒的に向上するはずです。》
※対論者紹介
●鈴木寛:1964年生まれ。東京大学法学部卒。通産省(当時)、シドニー大学、慶應義塾大学環境情報学部助教授を経て、2001年より参議院議員(東京都選出)、民主党「次の内閣」文部科学大臣、副幹事長、政調副会長などを歴任。現在、民主党教育基本問題調査会事務局長。また、NPO法人日本教育再興連盟代表理事、中央大学客員教授も務める。著書に、『ボランタリー経済の誕生』(共著。実業之日本社)『先生復活』(アルク/ヒトメディア)『コミュニティ・スクール構想』(共著。岩波書店)『中央省庁の政策形成過程』(共編著。中央大学出版部)『中学改造』(共著。小学館)など多数。
●鈴木寛さんは、プロフィールにあるように、“民主党「次の内閣」文部科学大臣”です。もしかしたら、今は違った肩書きになっているかもしれませんが。
民主党が政権交代により次の内閣を担うことになって、鈴木寛さんが文部科学大臣になったら、「教育」も変わるかもしれない、と、彼の考えを知る限り思うのですが、さていかがなことになりますやらー。
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