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[選抜方法を変えても入試は改善されない]から【資格方式だと流動性ができる】より
《資格さえあれば入れてくれる方法は、どこかの大学に生徒が殺到してパンクするのではないかと思われるだろうが、現実に多くの国で成り立っている。その大きな理由の一つは、資格方式だと、入学後の流動性があるためである。
学生は、入学してみてそこが自分に合わなければ、ほかの学校に願書を出しなおすだけで簡単に移れる。これは大学側にとっても、留年者を出しやすいことになる。留年させた学生がほかに簡単に移れるから、路頭に迷わせる心配がない。大学側は、希望者をどんどん入学させることができる。どうしても人数に無理があれば、くじ引きか、先着順にする。
これは、本人にとっても適性を見つけるのによいことである。試行錯誤してみなければ、自分の適性はなかなかわからないものであろう。学生側も、一度資格を取ってしまえばいつでも大学に行けるから、高校を卒業していったん社会に出たり、やりたいことをやったりできる。ヨーロッパの大学入学平均年齢は26歳である。
一生の間に学びたいときに学べる生涯学習体系が発達している国は、このような資格入学制度を取っているから、うまくいくのである。日本の場合だと、高校を出たところで受験しないと合格しにくいし、入学試験に合格しても、その年に権利を使わないと消滅してしまう。いきおい、高校を卒業するとすぐに進学するしかないのである。
生涯教育が盛んであることと、大学の入学が資格化されていることとは、表裏一体の関係なのである。
さらにつけ加えれば、生涯教育が盛んであることと、大学教育が無償であることも大きな関係がある。社会人になってしまうと、たとえ大学が無償であっても、学んでいる間は収入が途絶えてしまう。それだけでも条件はきつい。まして、多額の授業料を払わなければならないなら、学びたくても状況が許さないのだ。》
●「生涯教育と大学入学の資格化、それに加えて大学教育の無償化との間に大きな関係がある」
ーこのことを知っている、あるいは考えたことのある人はあまりいないのではないでしょうか。でもこれは、一国の教育制度を考えていく上で、とても重要な事例であるはずです。
私も、これからの社会は「生涯、教育」の体系を整えていくことが大切だと私も思い、ブログにもそのようなことを書いてきましたが、私が想像していた以上に大事なことなのではないかと、古山さんの文章を読んで感じました。
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