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【なぜ断念とリスペクトができないのか】より
宮台ー
《イチローになれなかった僕たちはまさに「断念」して「リスペクト」していますよね。同じことが他のさまざまな場面でも可能となることが大切なんですよ。左翼の「格差」批判は、これまた嫌われそうな僕の言い方でいえば「浅ましい」。「田吾作の鍔ぜりあい」にすぎない。似た言い方をハナ・アレントがしていますがね。
要は「何でアイツが」って話なんです。確かに勝負がアンフェアで「何でアイツが」といえる場合もあります。とりたててアンフェアでないかぎりは、ゲームなんだから勝者敗者がいてあたりまえ。なぜ「それでいい」と思えないのか。いつまでも「俺も仲間に入れてくれ」「俺にも資格があるはずだ」と言いつづけていてもみっともないでしょう。》
【アメリカの教育制度の底力】
神保ー
《そんなふうに、アメリカの高校生というのはあんまり勉強しないんですが、それでもやるべき基本はやっているので、いざ大学に入って本気で勉強をしはじめると急に伸びる伸びしろを持っているように感じます。だからアメリカの大学のレベルはとても高いのでしょう。
ただ、アメリカの高校生はあんなに勉強しないのに、そして僕は中学時代あんなに勉強したのに、学力が大学くらいで並んだり、場合によっては逆転されたりするのは、どうしても納得がいかない。自分はずいぶん青春時代の貴重な時間を、単に知識をつめこむためだけに無駄にしたんじゃないかと後悔するくらいです。
だって、アメリカの高校生活はとても楽しいんですよ。宿題もほとんどないから、好きなだけ遊べるんです。あれだけ楽しんできた連中に大学であっさり並ばれて抜かれるのは、割りが合わない感じするのもわかるでしょう。》
寺脇ー
《僕自身はアメリカのことは体験も知識もありませんが、アメリカの方から話を伺ってみると、彼らは、高校まではモチベーションを養う期間であって、勉強する期間ではないんだ、と言いますね。高校まではアメリカという国や社会に対して貢献する気構えを養うとか、あるいは中学生くらいになるとみんなアルバイトをはじめて、働く経験をする。また、恋愛してフラれたり、うまくいったり、でも、そのあと別れたり、いろんな経験を積むわけです。経験を通じて学ぶことへのモチベーションを身につけてもらうんですね。そうして、大学に入ってきたら、おまえらモチベーションあるんだったらこれくらい勉強するのは当然だ、と、いきなりどかんと勉強をやらせるーそんなことを言っていましたね。》
●「好きなだけ遊んでいるけど、やるべき基本はやっている。それに加えてさまざまな経験を積んでおり、経験を通じて学ぶことへのモチベーションを身につけているから、大学に入って以降の伸びが違う…」。
アメリカの子どもたちの話をまとめると、上記のようになると思います。
「なるほど〜、日本の子どもたちの現状と真逆じゃん!」と私は思ってしまいました。
これを自分たちの子育てに応用したらどうだろう? 日本だと環境が違うから、そんなすんなりとはいかないでしょうが、でも、ここには何か教育のエッセンス的なものがあるのではー。
思い切って、自分の子どもたちに実践したい気がしている私です。
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