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[第4章 いじめをなくす処方箋ー子どもたちが直面する現実から]から
【いじめをなくす処方箋】より
内藤ー
《私は、短期的な処方箋と長期的な制度改革の二本立てで考えています。長期的には学校制度そのものを廃止して、別のシステムに置き換えるべきだと思うのですが、それは何十年先になるかわからない。
現在の制度的な枠組でできる短期的な方策としてはまず、最初に述べるとおり、暴力的ないじめに対しては警察を導入することです。これをやると暴力がふるえなくなる。
一方、女の子によくあるコミュニケーション操作系のいじめーたとえば、シカトやクスクス笑いーに対しては、警察は何もできません。そこで生活空間自体を変えて、コミュニケーション操作系のいじめを無意味化することを同時に行います。
学級制度を廃止し、タコ足配線的にいろんなタイプの人と自由につきあえるようにする。自分をシカトしたりクスクス笑いをする人間とは距離を置くことができ、もっと楽しい人間関係を営める友だちと距離を縮められるようにする。これで、クスクス笑いやシカトをしても、相手にダメージを与えることができなくなる。
したがって暴力に対する司法・警察権力の介入と学級制度の廃止というふたつを導入すれば、学校制度そのものは維持されていても、状況はかなり改善するはずです。》
※対談者紹介
●内藤朝雄:1962年生まれ。管理教育で有名な愛知県立東郷高等学校を中退。その後、東京大学大学院総合文化研究科博士課程を経て、現在、明治大学文学部准教授。社会学者。とりわけいじめ問題と管理教育の研究で知られる。著書に『いじめの社会理論ーその生態学的秩序の生成と解体』(柏書房)『〈いじめ学〉の時代』(柏書房)『いじめと現代社会』(双風舎)『「ニート」って言うな!』(共著。光文社新書)など多数。
●「警察権力の介入」に対する考え方は、みなさんそれぞれ異論があるでしょう。でも、まさに今現実に起きていることに対して有効な対策を考えると、「アリ」なのではないかと私は思います。もちろん、安易に導入するのではなく、あまりに大変な問題が現実に起こっているのであればです。それは「暴力」なのですから、教員が個人的にあるいは学校をあげても解決することが困難でしょう。
「学級制度の廃止」に関して、私はとても大事なことであり、今すぐにでも導入してほしいと思っています。理由は内藤さんがあげているとおりです。
自分の娘も、中2になってクラスが変わってからさまざまなことがありました。それらのことは、学級制度がなかったら、もしかしたら避けられていたこともあったのではないかと思えます。学級制度はもはや時代にそぐわないと感じているのは私だけでないことを知ることができてよかったです。
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