さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

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 著者のプレンスキーがどのような意図をもってこの本を書いたか、訳者の解説を読んでなるほどと思いました。以下に記しておきます。

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『テレビゲーム教育論』(マーク・プレンスキー、東京電機大学出版局) 訳者解説より

 本書の提示する視点 

《本書は、主要な対象読者層のゲーム世代の子を持つ親や教師たちに向けて、平易な文章でわかりやすい事例を取り上げながら書かれている。これまでのゲームに対する否定的な見方に対する反論材料を示しながら、むしろゲームを子どもたちがより良く学び、育っていくのを助ける道具として積極的に利用しようという考え方を提案している。
 
 プレンスキーは、ちょうど古い世代にとってのロックンロール音楽が、今の子どもたちにとってのゲームのように大人たちから忌み嫌われていたという例をあげている。ロックを聴くと頭がおかしくなる、ろくな大人になれないなどとガミガミ言われながら育った子どもたちが、大人になると同じようなことを自分の子どもたちのゲームについてガミガミ言っている、そんな不幸で皮肉な状況を指摘している。ゲームやロック音楽だけでなく、テレビも映画もマンガもケータイもインターネットも、いつの時代でも新しいメディアや文化が登場するたびに、若い世代は夢中になり、古い世代は否定しようとする。このような世代間の摩擦の歴史は延々と繰り返されている。

 このような世代間の摩擦を生む背景には、二つの要素が大きく影響していると考えられる。ひとつには、「基本的に人は自分が理解できないものをほかの人が楽しんでいると疎外感を感じ、面白くないと感じる」という極めて単純な感情的な問題である。新興メディアやサブカルチャーに対して、古い世代が否定的意見を述べたり、悪影響を示す研究を行ったりすることはよく見られる。だがそれらの「面白くない」という主観的な感情が影響していることは多い。ゲームであれば、まったくゲームをやったことがないか、ちょっと触ってわかった気になっただけで、評論家や研究者がゲームについて頭ごなしに否定するような主張をしている場合は、この点に留意して話を聞く必要がある。

 もうひとつには、親から頭ごなしに否定されて育った子どもは、そのような対応の仕方が刷り込まれてしまい、自分が親の立場になった時に他のやり方がわからずにそれが出てしまうという問題がある。子どもが夢中になっているものをよく理解しようともせず、頭ごなしに否定する親も決して幸せではないだろう。だが、よりよいやり方が身についていないために、自分が受けてきたようなやり方がつい出てしまって、親子の溝を広げていってしまうという不幸な状況が続いている。

 子どもとの対話もスキルのひとつで、適切に実践するには訓練が必要となる。だが、そのスキルが備わっていない場合には、自分が最も影響を受けた振る舞いがそのまま出てしまう。スキルとして捉えると、「子どもとの対話教室」のような短期的な教育で習得できる性質のものだと誤解されることが多いが、そのようなものは実はほとんど役に立たない。親子の対話のようなコミュニケーションスキルは、文化的な状況やそのスキルを用いる文脈に依存するため、その文脈から切り離して効果がある形で教えるのは非常に長期にわたる困難が伴う。現在教育行政で提供されているような単発的な数時間程度の講座類の多くは、提供者と学びたい人の自己満足以上の効果が得られることはほとんどないと言ってよい。
 
 その子が望むと望まざるとに関わらず、自分が生活のなかで毎日接する親や教師たちの影響を受ける面が非常に大きく、スキルだけを切り離して教えることの効果は、それに比べれば微々たるものでしかない。時には「反面教師」として作用して、よい影響をもたらすこともあるが、基本的にはよい振る舞いを示してくれる「ロールモデル」不在の環境では、どんなに教科書から学んでも限界があることを認識する必要がある。結局のところ、親や教師が言っていることを聞いて子どもは育つのではなく、古くから言われているように「親(や教師、あるいは周囲の大人たち)の背中を見て子は育つ」のである。

 プレンスキーは、この親と子の間、教師と生徒の間の断絶が生まれる状況を理解したうえで、その断絶を埋めて、子どもたちとより良い関係を築いていくための道筋を本書で示そうとしている。子どもたちが享受している最新メディアの基礎知識や、子どもたちの利用の仕方、なぜ子どもたちがそれらに夢中になっているのかを理解するための考え方などを解説し、子どもたちと対話を進めるうえで参考になる方法やアイデアを提案している。

 本書で取り上げられている最新メディアも、時が経てばさらに新しいメディアに取って代わられ過去のメディアとなってしまうし、子どもたちのメディアの利用の仕方は日々変わっていく。ゲーム世代の若者から見れば、プレンスキーのゲームや若者の理解が十分ではないと感じられるところもあるだろう。また、ここで提案されている方法やアイデアを「楽観的すぎる」、「アメリカと日本では家庭の事情が違う」とできない理由をあげて否定することはたやすいだろう。だが、本書の根底にあるメッセージは、子どもたちのためにもっと向き合うための基本的な考え方を持つことと、そのための準備を行うことの重要性である。子どもたちの将来の幸せを願い、その幸せのために今からできることを進めていくためには、まず親や教師である大人の側が変わる必要があることを、プレンスキーは繰り返し説いている。「こうすれば楽にうまくいく」と安易な子育てハウツー的処方箋を示すのではなく、「苦労と根気が伴う」と繰り返し念を押したうえで、ひとつの方向性となる考え方ややり方を示している。

 本書を正しく理解するためには、「テレビゲームを子どもたちのために積極的に利用する」という一見センセーショナルなことを述べているようでありながら、実はテレビゲームを例にして、メディアをめぐる世代間対立の問題や、大人が子どもたちと向き合っていくことの重要性という、より普遍的な問題を議論していると捉えるべきだろう。》

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