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[愛情深い親子関係から学ぶ「愛と思いやり」]
《私の友人に佐倉統(おさむ)という学者がいます。東大の教授をやっていて、『進化論という考え方』(講談社現代新書)などの著書もある彼が、ある時私との対談でこんなことを言っていました。
小学生の学力が低下したとか言われているけれども、テストの点数に一喜一憂するよりも、もっと大切なものがあることを忘れてはいけない。小学校六年までの教育では、周りにいる人間が仲間なんだ、という意識を身につけることが決定的に重要なんだよ。人間はその仲間意識さえ持っていればそれからの人生は大丈夫なんだから、と言うのです。
自分の周りの人間は、みんな仲間で信頼できるんだ、という感覚を小学校の六年生までに得られれば、そのあとで人生にかなりの問題が起こってきて、相当な負荷がかかっても、人間は大丈夫だ。壊れない。しかし子ども時代に信頼というものを築き上げられなかった人たちは、その後の人生でたいへんなことになる。自分が調子がいいときはいいけれども、人生がピンチになったときに、いろんな問題が噴出してくる。キレて他人に暴力的になったり、自分自身に暴力的になったり、たいへんなことになるというのです。
学力不足が問題だと言うけれども、周りの人に対する信頼という人間の土台こそがいちばん大切なのです。その信頼の土台があったうえでいろいろな負荷がかかるのと、信頼がなくて負荷がかかるのとでは全然違う話なのだ、ということを考えなければいけません。
●なるほど…「信頼という人間の土台」、確かにそうですね。
私自身、これまで困難を乗り越えられたきたのは、「信頼という人間の土台」があったからなのだと考えると合点がいきます。
自分自身、あらためてこのことを考えて、子どもたちに接していかなければいけないな、と思いました。
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