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《私は当初から、この勉強会を「受験勉強をネタにした子どもたちの社会活動の場」と位置づけていました。集まってくる子どもたちの力がどんな場をつくっていくのか、大人たちをどう変えていくのかが楽しみでした。
事前のボランティア打ち合わせでも、「私たちは受験勉強指導のプロではないのだから、子どもたちと一緒に勉強するような気持ちでいきましょう」と話しました。「子どもにとって信頼できる大人であろう」「勉強はわからなければ、わからないから一緒に考えようでいいじゃない」「ありのままで子どもと向き合おう」という共通認識が生まれました。》
●以前、日置さんが講師の講座を受けた時、冬月荘で行われている学習会の様子を聞いて驚いたのが、「子どもたちはそれぞれのペースで学習をして、大人はそれぞれの子どもの必要に応じてアドバイスをしたり教えたりするけれど、何もしないでただ部屋にいてのんびり過ごしている(?)大人もいる」ということでした。
このような場が成り立っていることはスゴイことだと思いました。子どもに勉強を押しつけることは一切ないのですから。もっとも、子どもはそれぞれ進度やわからないところは違うわけですから、それを一律に教えようとしたって無理があることは当然わかっていることです。しかし、「自主性」をいかに引き出すかが大事なことなのはわかっていても、それを実現させるには、関わる大人の側の対応の仕方如何によるでしょう。
私は、このようなことが実現できているのは、「コンセプト」が綿密に考えられ、そして周知されているからに他ならないと思いましたが、それができているということは、大変なこと、スゴイことだと感じて、日置さんにうかがいました。「何かこの場をつくるモデルのようなものがあったんですか?」とー。
すると、「モデルのようなものはないですよ」と答えられたので、このコンセプトを考えたこと、そして関わる大人たちがそれに賛同してこの場がなりたっていることに感動しました。
今回本を読んで、そのプロセスがよりよくわかりました。私はらくだ教材主体の学習教室を主宰していますが、中学生の生徒の中には、受験のための勉強を教えてほしいと来る子もいます。そのときは、まさに『Zっと! Scrum』にあるような認識で、子どもに対応しています。
学校全体が、このようなコンセプトで、「教師が威張ることなく生徒とのコミュニケーションを第一にした場づくりをすれば」、子どもたちはのびのびと自分の可能性を伸ばし、日本の将来に大きな希望を持てるような人材を育成することができるだろうにーと、私は思います。
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