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一週間ぶりのブログとなります。先週は実に内容の濃い、実り多い一週間となりました。その分ブログを発信する時間がなかったのですがー。
3日(水)の夜、井上さんとお会いして講座の打ち合わせをし、4日(木)は朝から準備をして10時半から13時まで井上さんの講座、夜は石狩で日置さんをお招きした講座に参加、6(土)はかでる2.7で朝から夕方まで日置さんが司会進行、井上さんが講師という「地域貢献活動支援事業」の「ファシリテーションワークショップ」で、夜はその交流会でした。
多くのことを学ぶと同時にいい出会いがありました。これからボチボチそれらに参加して感じたことなどを書いていきたいと思います。
石狩の講座に参加した後、主催者の方から通信に載せる原稿を書いてほしいと言われたので、二つ返事で引き受けました。私はいずれにしろブログに載せる文章を書きますから、通信に載せていただくことを念頭に書けばいいだけですので。今回はその文章を載せたいと思います。
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石狩市民講座「萌木」 思春期の子どもと向き合う講座 特別企画
“人とつながるって面白い〜「冬月荘」の取り組みから〜” に参加してー
お話:日置 真世 さん
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
札幌市スクールソーシャルワーカー
NPO法人地域生活支援ネットワークサロン理事・事務局顧問
高橋 信也 さん 冬月荘コーディネーター
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「つながりの輪はつづくー」
私は手稲区曙で小さな塾を営んでいます。私のところでは、幼児から大人まで、そして、進学希望の子から不登校、学習障害の子どもまで、さまざまな人たちがそれぞれのペースで学んでいます。
今回私が石狩の講座に参加したのは、さっぽろ自由学校「遊」主催の「子どもの貧困」講座に参加した際に、同じ講座に参加されていたKさんから、「石狩で日置真世さんをお招きした講座をやりますよ」と伝えられたからでした。
日置さんは、「子どもの貧困」講座の第2回目にお話をしてくださいました。私は日置さんのお話を聞くのはそのときが初めてでしたが、その話の内容は驚くことばかりでしたし、かた苦しくなく気負いのない話しぶりはその場を楽しい雰囲気にさせてくれるものでした。
その後私は、日置さんの著書を読んだり、ブログを拝見したりする中で、日置さんの歩んできた道や今行っていることをより深く知ることになりました。そして、知れば知る程、これまでの常識にとらわれない発想やその柔軟な行動力に感嘆し、また共感するところ大でした。
石狩の講座でも、日置さんのこれまでの歩みから、「コミュニティハウス冬月荘」に至るまでの流れを中心に話され、冬月荘でコーディネーターをされている高橋信也さんもいらしていたので、現場の生の声?も届けてもらうことができました。
「冬月荘」での取り組みは、一言では言い表せません。スライドでは、「2つのコンセプトと3つの機能」といういことで、「対象者を限定しない。必要な人が誰でも使える」「利用する人が一方的に助けられるだけではなく、活躍できる場」、「集い」「仕事づくり」「居住」とありました。
10代から50代の方が入居されていたり、「親子ランチ」の場を設けていたり、これからもニーズに沿ってどんどん発展・変容していく場のように感じましたが、現段階でやはり特筆すべきは、「Zっと!Scrum」(ずっとすくらむ)にあると思います。
これは、「中学3年生対象の無料学習支援」ですが、「塾でも学校でもない、講師も先生もいない。大人も子どももありのまま向き合う学習会」とあります。
中学生は基本的に学習をしに来るわけですが、そこに強制はなく、みな自主的にそれぞれにとって必要な学習をします。そして、必要であればその場にいる大人が「チューター」として子どもに対応します。それは、勉強を教えるというよりも、共に学び合う場に近いように私は感じました。ですから、そこには「教える専門」の方たちがいるわけではありません。冬月荘の居住者もいれば、他からやって来る方々もいれば、冬月荘の場で学んだ子どもたちが高校生になってから今度は自分がチューターとして来たりもしています。
この「Zっと!Scrum」でどんなことが行われ、どんなことが起こっていたかということは、口で説明するよりもその場に関わっている人たちの生の声を実際に聞いてもらう方がいいだろうと、子どもたちや「チューター」の方へインタビューした映像を流してくださいました。
「冬月荘へ来る前と来た後で変わったこと」「あなたにとって冬月荘とは?」という問いかけにより、中学生たちはそれぞれの気持ちをカメラに向かって(インタビューした日置さんたちに向かって?)話していました。
「前よりずっと明るくなった」「大人と目も合わせられなかったのが、話すことができるようになった」「冬月荘は自分にとっての居場所」「ここがなかったら家に引きこもっていたままになっていた」「自分に自信がついた」などの話が、子どもたちの口から生き生きと語られていました。子どもたちの言葉と表情が、冬月荘という場で何が起きていたのかを、何よりリアルに物語っていたのではないかと私は感じましたし、その場に参加されていたみなさんもそう思われていたのではないでしょうか。
それと、子どもたちから「おんじ」と呼ばれている60歳位の男性へのインタビューもあったのですが、この方の話はグッと胸に迫るものがありました。
この男性は、長年身内の方の介護をされた後職に就こうとしたのですが、なかなか仕事が見つからず、その時点では生活保護を受ける身となっていました。この男性が冬月荘を紹介されて行ってみると、茶髪にマニキュアやピアスをしたような中学生たちと初めて接し、「度肝を抜かれた」とのことですが、いざ接してみると気持ちの優しい子どもたちばかりだったのでじきに馴染んで、普通に対応するようになっていったそうです。
今では、せっかくチューターとしていくのだから中学生の勉強がわからなかったらシャクだと自ら勉強もするそうですし、なにより自分の居場所として行く場があるだけで日々の生活に張りが出て、身だしなみにも気を配ることができるようになったとのことでした。もしもこの場を知らなかったら、それこそ家に引きこもったままになっていたかもしれないとも話されていました。「おんじ」の思いがとても伝わってくるインタビュー映像でした。
私は、「子どもは成長したいと思っている」「心の底では学びたいと思っている」と信じています。だから、「大人が対等に接して見守ってくれる場=安心できる場」さえあれば、子どもはそれぞれ自分にとって必要なことをすると思っています。
私が冬月荘で行われていることを知って驚いたのは、私が自分の小さな塾でやっていることと共通するような実践が、もっと多くの人たちを巻き込んで冬月荘という場で行われていることにありました。
そしてそれは、どこかにモデルがあるわけではなく、これまでの日置さんが行動しながら積み上げて来たものの集大成としてそこに現出したことを知り、私はさらに驚いたのでした。
今回の講座のテーマは、「人とつながるって面白い」でしたが、冬月荘ではまさに、さまざまな人たちがつながる場となり、さまざまな人がつながり合って、日々さまざまなドラマが生まれているのだと感じました。
また、私自身、この講座の場に来たのは一人の方と出会ったつながりからでした。そして講座に参加して、私の後ろの席の方と話をしたことから、お互いの情報を交換し合い、今後につながることまでできました。
さらに今回こうして通信の原稿を依頼されることにより、これからも「萌木」や「かめの会」等の方々とのつながりが続いていくことと思いますし、なにより日置さんたちともつながって、ここ北海道でさらに楽しくつながる(日置さん流に言うと‘POPな’)場を広げていきたいと思いました。
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