さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

すくーるhana

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●これを続けていくことは「自信」につながります。そしてそれは「自己肯定」につながります。「学ぶ力」を身につけていけば、それだけで人生を開いて行く基盤となります。「基礎学力」は今後大きな力をこの子の人生にもたらしてくれることでしょう。学校に行っている子どもでも、「学ぶ力と学力」がついているとは限らないご時世です。

 問題はただひとつ、「月謝」です。生活保護から始めていかれるような方たちに、正規の月謝をいただくことはできませんし、私もそのつもりはありません。でも、これで生計を立てている者として、「無料で」提供するわけにもいきません。

 では、公的機関が何らかのかたちで出資してくれればいいものなのかー。教育負担が世界でも指折りに大きい日本において、それは一つの方法として考えるべきことであることは間違いありません。政権交代がなされた今、世界の趨勢に大きく遅れを取っている日本の教育を、根本から考えていってもらいたいと思いますし、具体的には「教育クーポン」のようなものを全国民に発布することーそれが私が現時点で考えられるベターな方策だと思っています。

 「教育クーポン」のことを述べると長くなりますが、要するに、自分が受講したいと思う「学習機関、講座」があれば、それがどんな分野であれ全国民が「無料で」受講することができるクーポンのようなものを国が発行することです。この国が今後暮らしいい国になっていくとすれば、そのくらいの「投資」を全国民にするくらいの気概?がないと、どうしようもないのではないかーと私は思うのですが。

 とはいっても、当面現実的ではない話をしていてもしょうがありませんから、私は、それぞれの家庭でできる範囲での負担をしてもらえばそれでいいと考えました。少ない収入の中から、その家庭それぞれにできる範囲での負担、つまり「自腹を切る」ことも、大事なことではないかとも私は思っています。Kさんにこの話をしたところ、同じような考えを持っていらっしゃいました。これから生きていく上で、何事も「誰か任せ」にするのではないやり方が大事ですし、これはその第一歩と考えることもできるでしょう。

 私は幸いにも、Kさんという信頼できるつながりを持つことができました。Kさんおよび「全国女性シェルターネット」からの紹介により、「それぞれの方の負担できる範囲での月謝をいただく」というかたちで、継続したいというご家庭にはらくだを提供していこうと考えています。

 シェルターに避難して来るような子どもたちは、残念ながら年々増えていっています。この中で、らくだを継続していく子どもがどれくらい出てくるのか、今のところ見当がつきません。私の手に負えないくらいになった場合には、さらに何らかの方法を考えていかなければならないでしょう。

 今は、ただただ、目の前の子どもたちひとり一人と対応し続けるのみです。

●Kさんから、実際に避難してきた子どもたちを紹介されたのはその後まもなくでした。夏休みに入り、お盆休みが近づくと、避難してくる女性と子どもが増えるのだそうです。

 Kさんは、女性と子どもたちの様子、学習状況等を考えて、らくだを紹介したらいいのではないかと思われる方に声をかけることを始められました。そしてこれまでに5〜6組のご家族が、らくだ体験に見えました。

 小学校低学年から中学生までの子どもたちが体験されましたが、小さなお子さんのお母さまもご自分で体験し、今後お母さま自身が継続していくことになりました。その方は、これまでに教育を真っ当に受ける機会を逸してきたらしく、小学校低学年段階の計算も漢字の読み書きも、満足に学んで来ないままでいました。

 そのため、今後自立して子どもと二人で暮らしていくためには欠かせないであろう職業トレーニングにしろ何にしろ、基礎的な読み書き計算の力がないことにはままならないだろうとKさんは感じとり、この方にらくだ学習をすることを勧められたのです。

 また、小学校1年生の子は、「たす1」の段階の計算もすんなりとできない状況だったので、「ただ数字を順番に書く」プリントをやってもらうことにしました。そして、「大丈夫、最初から順番にやっていったら、必ずできるようになるからね」と伝えました。

 するとこの子は安心したのか、プリントを何枚も何枚もやりました。私が「一日一枚やればいいんだよ」と伝えてもです。「自分も学びたいし、できるんだ」という気持ちに溢れていました。それは私もお母さまも驚くほどのものでした。

 私はこの子の置かれて来た状況を詳しく聞いているわけではありません。学習面で対応するのが基本ですので、立ち入った余計な話を聞くつもりはありません。ただ、「学ぶことに飢えているような」子どもの姿を見て、とても心を揺さぶられました。

 「自分にできるところから」「その子に合ったところから」学習を続けていくことができるらくだに出会うことができて本当によかったね、と思います。

●Kさんからこの話を聞いたとき、私はこのような子どもたちに対応できるのは「らくだメソッド」しかないと思いましたし、私が一番「らくだを伝えたい」子どもたちだと直感しました。

 進度はバラバラ、意欲も千差万別、そのような子どもたちに対応でき、それぞれの子どもの可能性を引き出していけるような教材とそのシステムは、らくだをおいて他にあるでしょうかー。

 Kさんのお話をひととおり伺ってから、私はそのように感じたことを話し、らくだメソッドの特長などをお伝えしたところ、Kさんも「これだ」と思っていただけたようで、興味深く話を聞いてくださいました。

 私は自分のできる範囲で何らかの協力をしていけるのではないかと感じましたので、その方法を探っていこうと思いましたが、この「学習援助プロジェクト」は、札幌だけのものではなく、「全国女性シェルターネット」で進めていくために、その予算が降りているとのことでした。

 それであれば、らくだメソッド本部の平井さんに話を通さなければいけないと思い、Kさんにらくだメソッドの開発者である平井さんの話をしたところ、ぜひ会いに行って話を聞きたいとのことでした。そこで私から平井さんに今回の話をお伝えした上でKさんに直接平井さんと連絡を取ってもらったところ、その2週間程後にKさんは東京へ行き、平井さんと直接話をして来られました。

 Kさんは平井さんとお会いして、さらにらくだメソッド導入への思いを強くされたようでしたが、平井さんからは、「らくだを通しての子どもたちへの対応が大事なので、教材だけ全国一斉に導入しても効果は上がらない。らくだの理念を学んだ指導者を養成していかないことにはー」ということを聞き、早急に全国のシェルターに導入する教材を探すことは一旦やめることにされたとのことでした。

 らくだメソッドのことを情報として全国に伝え、それに興味を持ち導入を考える地域が出てくれば、プロジェクトの予算を、東京での「らくだメソッド説明会」参加資金として活用する案を出したいとのことでした。

 平井さんは、シェルターに避難してくる子どもたちも含めた子どもたちすべてが、「自分で自分に課せられた壁を乗り越える力がある」ことを、周りで関わる大人たちがまず信じることこそが大事であり、それはらくだを導入するしないに関わらず、何よりも大切なことだと言われたそうです。これは子どもたちに対応する上でのらくだの基本ではありますが、あらためてその大切さ、奥深さを私は感じましたし、指導者としての自分を振り返るとてもいい機会となりました。

●インタビューゲームから数週間が過ぎ、そのとき言葉足らずだった考えを、今こうしてまとめてみようと思ったのは、その後の展開があったからです。以下に、Kさんと私と出会うことになった経緯を、Kさんから伺った話も含めて記してみたいと思います。

 Kさんは、ドメスティック・ヴァイオレンス(DV)等により、シェルター(避難場所)にかくまわれた女性およびその子どもさんたちのケアに長く携わってこられました。まず安全な場所に女性たちをかくまって、心身の傷を癒すことが第一になると思います。

 次の段階は、住む場所と仕事です。子どもさんがいる場合も多いですから、いかに生活費を稼いでいくかということが大きな問題となります。もちろんその前段階として、生活保護を受ける方も多いでしょう。住む場所と仕事の確保に協力することになるでしょうし、仕事の経験がない方にはトレーニングの場も紹介していくことになるでしょう。

 今まではそれでKさんたちの「仕事」は終わり、というか、手いっぱいだったはずです。しかし、そのまた次の段階にしなければいけない「仕事」として浮かび上がってきたのが、子どもたちへのサポート、特に「学習援助」でした。 

 シェルターに避難して来た場合、子どもたちは、何週間も学校に行かないで、それこそ「身を潜めて」暮らしていなければならないような時期があります。また、例えば道北の町から札幌に来るなど、全く知らない土地で新たな生活を築いていかなければならないケースも多々あります。

 そのような子どもたちは、学習面で学校の進度から取り残されて当然ですし、シェルターに来る前の家庭生活において十分な学習環境にないケースが多いことでしょう。

 そのような子どもたちが学校に行くことを再開した時(転校生として新たな土地の学校に通うケースもあります)、学習面でのハンデを背負っていたとしたらどうでしょう…? ただでさえ不安定な心にますます不安が重なって、学校に行くことも学習をすることも重荷になっていくことは少なくないのではないでしょうか。

 中には学習面での意欲が衰えていない子もいるでしょうが、ハンデを背負った中で適切なケア(例えば遅れている面を個人的に見てあげることなど)がなされなければ、せっかくの意欲も萎えていってしまうことにもなるでしょう。

 Kさんは、「子どもたちへの学習援助」をいかにしていけばいいかを考える中で、私およびらくだ教材のことを知っている知人を通して、私のところを訪ねて来られました。その時までに、7カ所の個人や塾を訪ねて来られたとのことでしたが、どこもシェルターに避難して来た子どもたちへの学習教材作成を引き受けることができるような話にはならなかったとのことでした。「できることはお手伝いします。」と言ってはくれましたが、具体的な援助をお願いするにも、それが見えにくいものだったそうです。
 

 先日の講座でインタビューゲームの相手になっていただいたのは、NPO法人全国女性シェルターネット事務局の方(Kさん)でした。

 その際一番印象に残った問いは、「らくだをどんな子どもたちに伝えたいですか?」ということでした。
もちろん、「すべての子どもに」伝えたいと思っています。しかしそれは、問いの答えになっていないでしょうし、現実的なことではありません。もっと自分自身の教育観を掘り下げた上で、それを反映するような答えをしなければいけないことでしょう。

 それで思ったのは、「学校のシステムからはじき出されるような子」、つまり、一斉授業の学校ではどうしても個別にすべての子どもたちに「学ぶ力」を含めた学力をつけることはできないので、そこからこぼれ落ちるような子どもたちにこそらくだを出会わせたい、ということでした。

 そして、「具体的に例えばどのような子どもたちですか?」と問われた時、「家計収入に余裕がなく、教育費にまで回せないような子どもたち」のことが頭に浮かびました。家庭のさまざまな状況により、本当は学ぶ意欲があるけれど、その意欲を引き出してあげることができないような事例が、数多く存在すると私は感じているからです。

 例えば、家庭に親がいなかったり、食べていくだけでせいいっぱいだとしたら、学習面に目をつぶることになるのは致し方ないとも感じます。まず生きていくことが第一ですから。家庭内で生活のリズムができていないと、それは学習面にも反映してしまいます。

 でも、それで仕方がないと片付けてしまっていいことであるはずがありません。子どもが将来自立して生きていくことを考えたら、学習面は疎かにできないはずですし、教育費をかけられないからといって、子どもが本来持っている学ぶ力を削いでしまうことは、とても大きなその子にとっての損失になるはずです。

 私は、「多額の教育費をかけなくても学力(学ぶ力)をつけることができる」ということを証明したいとも思っています。それはすなわち、子どもの持っている可能性を引き出し、その子が進みたい道に進み、社会の中で自立(自律)して生きていくことです。福澤諭吉のいう、「一身独立と交際」という言葉にまとめられるかもしれません。

 そのようなことは、もともとは学校の中で身につけてしかるべきことなのでしょう。でも、現実的に考えて今の学校ではそれが叶っていません。ゆくゆくはそれが叶えられる学校になって(復活して?)ほしいと思っていますが、一度崩れてしまったものを立て直すには時間がかかるでしょうから、私は私のできることを微力でもやっていくことが大事ですし、そこからしか始まらないと感じています。

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