さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

戦争

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 先週土曜日、精神科医の野田正彰さんの講演会へ行きました。私にとって野田さんの講演会はとても待ち望んでいたものです。

 私が野田さんの著書を読むようになったのは、阪神淡路大震災がきっかけです。震災が起きたのが1995年1月、私は1月、2月、3月と被災地を訪れました(‘援助活動’が名目でしたが、今振り返ると‘援助’と言うのはおこがましいような気がしています)。

 そして同じ年の暮れに、私は東京から札幌へUターンしました。Uターン後、札幌で震災後1周年を迎えることになり、「神戸応援団北海道」の立ち上げに関わるようになりました。震災に関わる映像を観たり、本を読んだりする中で、野田さんの著書にも出会うようになったのです。

 その後、教育に関する著作もあることを知り、それらの本を読んだりしましたし、北海道新聞に寄稿されていた時期は、野田さんの社会に対するものの見方に何度も感銘を受けた記憶があります。
 
 そのようなわけで、敬愛する野田さんの講演会があったらぜひ行きたいと思っていましたので、今回都合が合って行けることになり、とてもうれしく思っていました。以下、新聞紙上での今回の講演会の案内です。

                        *

                  関西学院大学教育フォーラム 
                 野田正彰講演会「戦争認識と教育」

ニートや引きこもり、社会への無関心など、青年から大人への移行期に現代特有の課題が生まれています。これらの背後にあるものは何か。ノンフィクション作家の野田正彰関西学院大学教授が「戦争認識と教育」をテーマに、戦後の教育や現代の若者が抱える問題について語ります。

日時:10月10日(土)14:00〜15:30
会場:北海道自治労会館 4階ホール (札幌市北区北6条西7丁目)
主催:関西学院大学  共催:関西学院同窓会北海道支部  後援:北海道新聞社
定員:200人・聴講無料

●講師プロフィール:野田正彰(のだ・まさあき)
          関西学院大学教授、ノンフィクション作家 
 1944年高知県生まれ。北海道大学医学部卒業。
 比較文化精神医学専攻。長浜赤十字病院精神神経科部長、
 神戸市外国語大学教授などを経て、2004年から現職。
 平和学「広島・長崎講座」などを担当。
 『喪の途上にて』(岩波書店、講談社ノンフィクション賞)
 『戦争と罪責』(岩波書店)など著書多数。

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●会場には、私よりも年上の方々が多く、若い方々はあまり見受けられなかったのは残念でした。私は一番前の席に陣取り、最初で最後となるかもしれない野田さんの話に耳を傾けました。全身で氏が放つ言葉に浸っていたと言ってもいいかもしれません。

 話の内容は、やはりとても興味深いものでした。野田さんの幅広い体験と見識から心の奥深くに訴えかけられましたし、テーマがテーマだけにとても重いものがありました。

 「近代の歩みを学び知ることの重要性」を知らされました。日本の教育でたぶん一番欠けている部分だと、私も以前から思っていました。そしてそれは、もしかしたら為政者がわざとそのようにしているのではないか(近代を教えたらヤバいことになるので包み隠そうとしている)という気がしていましたが、ますますその思いを強くしました。

「‘人格を判断する’という訓練を日本はしていないから、人を学歴や肩書きで見る」上下関係の文化が依然として残っている。

「‘仲良くしなさい、負けたらいけない’という二律背反的な教育を親がしてしまう」ところに集団主義の文化を背負って子どもが育つ。

●中でもショックを受けたのが、‘従軍慰安婦’の問題の陰で見えなかった(私たちが見ようとしなかった)事実に関することでした。

 戦時中日本軍は、侵略した地の女性たちに対して残忍な暴行をくり返していたこと。慰安婦の問題ももちろん重要ですが、戦地に赴くまでは日本各地で「普通に」暮らしていたであろう男が、兵士となって戦地に赴いてからは、「民間の」「まだ幼いような」現地の女性たちを蹂躙するような蛮行を働いていたという事実は、あまりに知られていないということでした。

 野田さんはそのような被害に遭われた方々の精神鑑定を依頼され、現地を訪れて直接話を聞く機会があったので、その後においても肉体的精神的に癒えることのない傷を負われた女性たちのことを、日本人はあまりに知らなすぎることに対して、怒りを抱いていました。

 このことは、‘従軍慰安婦’の問題に隠れて見えなかったと単に言うべきことではなく、もしかしたら意識的に見えなくするような力が働いていたのかもしれません。しかし、大事なことは、戦時中日本人がしてきたことを、想像力を持ってみようとすることをしてこなかった、私たちひとり一人に関わってくるものでもあるものではないか、ということでした。

 この問題だけに限らず、このようなことはきっと多く存在しているのでしょう。私自身、「近代の歩み」というものを今後学ぶとともに、野田さんの著書をもっと読んでいこうと思いました。そして、何事も鵜呑みにせず、自らの想像力をもって考えて行動していきたいとあらためて思いました。

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