さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

寺脇研

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 このお知らせは、「教育人間塾」に参加している、NPO法人フリースクール札幌自由
が丘学園代表の方からいただきました。私はこのチラシを見てビックリ。寺脇研さんが
講師としていらっしゃるからです。

 今回寺脇さんの著書をご紹介したように、最新刊を読んだばかりで、あらためて寺脇
さんの考え方と実践に共感を覚えていた矢先です。「人間塾」が終わってすぐ、「ぜひ
楽しみにして参加させていただきます」と、チラシをいただいた方にお伝えしてしまい
ました…。

 寺脇さんは趣味も多彩で、それこそ「生涯、学習」を地で行ってるような方です。映
画評論などは仕事として行うほどで、セルフラーニング研究所の月刊誌『QL』にもずっ
と連載されており、私は寺脇さんと平井さんのおススメ映画は必ず観ようと思っている
ほどです。

 そんな、寺脇さんの話を直に伺う機会が来月訪れるんですから、これはもう万難を排
して?参加して来ようと思っています。
 以下に案内を記しますので、みなさんもぜひご一緒しましょう!

                   *

 '08 NO2 教育フォーラム・「フリースクールからの提言」
                   北海道フリースクール等ネットワーク

     「教育」は何を支えるか
             ー「学力」論議からこぼれるものー

      講師:寺脇 研 さん (元文部省生涯学習振興課長)

●6/7(土) 14時開演(13時半開場)
●エルプラザ4F 大研修室(札幌駅北口前)
●参加費500円・要予約(70名定員)

     今、教育と学校は全体として「画一・詰め込み教育」へ
     Uターンする動きを強めています。
     「ゆとり教育」が間違っていたと声高に叫ぶ人がいますが、
     本当にそうなのでしょうか。
     今回のフォーラムで、かつて「ゆとり教育」を推進した
     寺脇さんのお話を手がかりにして、
     「教育」とは何を支えるものなのか、
     今問われている教育のあり方をしっかり考えていきませんか。
     これをとおしてフリースクールの担ってきたものと
     今後の可能性を論じましょう。

〈寺脇研さん〉
1952年福岡に生まれる。1975年に文部省に入省。
その後大臣官房審議官といsて「ゆとり教育」に携わる。
2006年に同省辞職。民間の立場から教育政策への発言を続けている。
06年以降の著作として、「格差時代を生き抜く教育」(ユビキタ・スタジオ)、
「それでも、ゆとり教育は間違っていない」(扶桑社)、
「さらばゆとり教育」(光文社)、「官僚批判」(講談社)などがある。
ぜひご一読の上ご参加下さい。

○主催:北海道フリースクール等ネットワーク、
   NPO法人フリースクール札幌自由が丘学園
○後援:北海道教育委員会、札幌市教育委員会、北海道新聞社、
 アーベルの会、石狩不登校と教育を考える会「かめの会」、
 北海道に夜間中学をつくる会、北海道学習障害児・者の会「クローバー」、
 江別登校拒否と教育を考える会「もぐらの会」、
 小樽後志LD・発達障がい児者の会「ぽてとの会」、未来の会、

※参加希望の方は氏名と所属、連絡先、人数などを記してファックスかEメールを下さい
 連絡先:札幌自由が丘学園・東区北8条東1丁目
    (Tel 743-1267,Fax 743-1268,Email info@sapporo-jg.com)

 寺脇さんは文部科学省を退職し、今は自由に発言できる立場にいるので、官僚時代には言えなかったようなことまで書かれてあり、とてもおもしろく読める本でした。

 彼の考えを知れば知るほど、「教育の本質」に近いのではないかと思えます。また、彼の考えを知れば知るほど、「らくだの本質」に近いものだと感じます。彼の言う「ゆとり教育」の本質は、らくだ教育にこそある、と私はこの本を読んで思えます。

 そしてそれは、決して時代遅れなのではない、「本質」であると思っています。国がそれを手放すのであれば、個人的にでもそれを継続していこうという思いを強くしますし、そのような場と人間が必要なのではないでしょうか。

 本に書いてありましたが、一時期は親も文部官僚も、「ゆとり教育」を押し進めていくことに賛同していました。それが時代の流れで、そのために長い年月をかけた準備期間がありました。しかし、一瞬にしてその流れが変わっていきました。それは、小泉政権ができた頃からとのことでした。その経緯も詳しく書かれています。

 寺脇さんの文章を読むと、どうしても自分の実践していることと照らし合わせて考えるとともに、触発された文章が出て来てしまいますー。

【「画一平等」から「みんなそれぞれ」へ】よりー

《つまり、それぞれがそれぞれでいい時代がやってきたのである。あなたも幸せ、私も幸せという時代がやってきたのである。

 そういう時代において自己実現するための教育が、「ゆとり教育」なのである。共通に学ぶ知識を最低限に抑え、好きなものが見つかった時点で、学ぶことを選択し、「好き」を伸ばしていくことができる。これこそまさに文化的な教育である。

 少なくとも、私はそう信じてきたし、いまでもこの考えに誤りはなかったと思っている。なぜなら、「ゆとり教育」こそが、いまの時代にふさわしい一種の理想教育であるからだ》

●私がそもそもらくだ教育に惹かれたのはー

 「これさえ学んでおけば、最低限必要な学力が備わるとともに、そのプロセスで、自らの可能性にフタをしないで伸ばしていける力がつくので、もしかしたら教育としてはそれで十分なのではないか」と感じたからです。

 必要最低限なこと(=基礎学力)が身につけば、あとは個々の適性と能力に合わせて学んでいけばいいだけのことです。

 ただ、実際にやってみてらくだに関して私の認識が間違っていたと感じるところが一点ありました。それは、らくだは確かに「最低限必要な学力」ですが、それはまた同時に、「他の学習ではなかなか身につけないであろう最高の(?)学力」でもあるということです。

 それはどういうことかというと、らくだで同学年以上のレベルまで進むことができれば、学校の成績は常に上位にあり、他の科目の学習でも困ることがない、という事実にあります。これは実際の生徒対応の中で、それぞれの子どもと長くつき合うことによって、はっきりと認識できてきたことです。

●「計算が身につく」基準とは?

 「計算問題中心なのにどうしてなんだろう?」という疑問は私の中ではなくなりました。逆に、「計算問題だからこそ」なのです。「計算がしっかり身につく」こと以上に大変な学習はないのです。また、「しっかり身につく」基準がはっきりしている教材も他にありません。ここがポイントでした。

 「自分は計算ができる」あるいは、「自分の子どもは計算は得意だけど文章問題は苦手」と思っている方は多いです。が、実際にらくだ教材をやってみると、「めやす時間」台でできる人は多くありません。「身につく」基準が違うのです。

●「身につく」基準は、学習もスポーツも武道も音楽も同じなのでは?

 らくだの「めやす時間」は、「手が止まらないでスラスラと書ける状態」であり、これができる状態になる時間はほとんどの人が変わらないので、それを「めやす時間」と設定されました。

 これは言い換えると、「考えなくてもできる状態」です。
 私は若い頃テニスをやっていました。習い始めの頃は、フォームもぎこちなく、いちいち考えないとできません。でも、素振りや練習を重ねていくにつれ、考えなくても身体が反応するようになり、「自由に」ボールを打ち返すことができるようになりました。他のスポーツも同じように上達していくのでしょう。

 また私は、ジンベドラム(西アフリカのタイコ)を続けています。このタイコで一番大事なのは、3つの音色を素手で叩き分けることです。そのためには、身体の姿勢や腕のフォームが大切になってきます。これがある程度できるようになるまでに、5〜6年はかかったでしょうか。

 武道は今のところ特にたしなんでいませんが、武道こそ「考える間もなく一瞬の動作」で勝負が決まるものだと感じます。

 これらすべてに通じることは、考えに考えた末に行き着いた、「考えない状態」と言えるのではないでしょうか。頭と身体が一体となった結果です。「学習」も同じことが言えると思うのです。

 「考えない状態」でできる計算のレベルが上がると、それに伴って自由に応用できる範囲が広がります。基礎がしっかりしていればいるほど、難しい問題もこなしていけるようになることは、誰の目にも明らかでしょう。しかし今の日本の教育事情の中では、一番大切な部分が疎かにされて、目先のことばかりが優先されていると思うのは、私だけでしょうかー。

 もう一度言っておきます。計算がしっかり身につくことこそ一番大変なことなのです。

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