さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

グローバル化・温暖化、格差社会

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 前のページ | 次のページ ]

 【「これは戦争だ」という実感】より

《思わず加藤さんの顔を見つめると、彼は静かにこう言った。
 「それまで政治になんか興味がなかった連中が、イラクに行った途端にいのちの価値を考え始め、間違っていると叫び反戦に立ち上がる。平和な国のマスコミはそんなストーリーを期待するでしょう。でも現実はそうじゃない。貧乏人の黒人が前線に行かされるというのも正しいとは言えません。今は、黒人も白人も男も女も年寄りも若者も、みな同じです。目の前の生活に追いつめられた末に選ばされる選択肢の一つに、戦争があるというだけです」》

《「でも日本人としてイラクに行ったことで、ニューヨークにある日本のメディアにはずいぶん追いかけられました。でも、なぜそんなに騒ぐんです?苦しい生活のために数少ない選択肢の一つである戦争を選んだ僕は人間としてそんなに失格ですか?たまたま九条を持つ日本に生まれたからといって、それを踏みにじったとなぜ責められなければいけないんでしょう?

 アメリカ社会が僕から奪ったのは25条です。人間らしく生きのびるための生存権を失った時、九条の精神より目の前のパンに手が伸びるのは人間として当たり前ですよ。狂っているのはそんな風に追いつめる社会の仕組みの方です。僕が米兵の一人としてイラクで失ういのちと、日本で毎年3万人が自ら捨てるいのちと、どちらが重いなんて誰に言えるんですか?」

 決して感情的でもなく、斜に構えたふうでもなく、淡々とそんな言葉を口にする加藤さんを見ながら、私は時代が、世界の構造が変わってしまった事実を知る。戦争を放棄した国に生まれた青年でさえも、人間として最低限の生活を手に入れることとひきかえに、国境を超えた戦争ビジネスを支える一部になる。60年以上日本を戦争から遠ざけてきた平和憲法の力が及ばないその世界では、まったく別のビジネス論理によっていのちの値段がつけられるのだ。
 目の前の加藤さんと、今日本にも急速に増えている「ワーキングプア」や「ネットカフェ難民」の姿が重なる。

(中略)
 「個人情報」を握る国と「民営化された戦争ビジネス」に着手する企業との間で、人間は情報として売り買いされ、「安い労働力」として消費される商品になる。戦死しても名前が出ず数字にすらならない、この顔のない人間たちの「仕入れ先」は社会保障削減政策により拡大すればするほど戦争ビジネスを活性化させ、そこから出る利益を増大してくれる。
 現在、戦争請負業界で、イラクは「ゴールド・ラッシュ」と呼ばれている。》


 【エピローグ】より

《「戦争をしているのは政府だとか、単に戦争vs平和という国家単位の対立軸ではもはや人々を動かせないことに、運動家たちは気づかなければいけません。私たち帰還兵も、民営化された戦争を支える戦争請負会社やグローバル派遣会社の実態を知らせるだけでは弱いのです。

 何よりそれら大企業を支えているのが、実は今まで自分たちが何の疑問も持たずに続けてきた消費至上ライフスタイルだったという認識と責任意識を、まず声を上げる側がしっかりと持つことで、初めて説得力が出てくるのです」》


●堤さんが最後に述べた「消費至上ライフスタイルだったという認識と責任意識をしっかりと持つこと」というのは、確かだなと思います。

 この本が出版されて後、今のような「大不況」の世の中になったのは、ちょうど機会到来と言えるのかもしれません。生活を見直さざるを得ませんし、大企業だってどうなるかわからない時代です。
 今こそ従来の価値観を見直し、ひとり一人に見合った生き方を考えていく時ではないでしょうかー。

 【帰還後にはホームレスに】より

《マンハッタンにある帰還兵センターのスタッフ、ティム・レイバンは、アメリカ政府のやり方が「若者たちの出口をふさぐもの」だとして批判する。

「社会保障費を削減し、大企業を優遇するという政府のやり方は、セイフティネットがない中で教育や雇用の場所を奪われた若者たちに将来への希望を失わせます。今私のところに相談に来る帰還兵たちの大半が、新自由主義政策の犠牲になった若者たちのなれの果てです。帰還兵の自殺率と犯罪率の高さと、生活保護にかかる費用を考えたら、国が教育に金をかけ、若者の「自己承認」や仕事の「技能」を伸ばしてやり、企業が雇用しやすい人材を育てる方が余程理にかなった投資ですよ」

 日本でも昨今問題になっている「貧困と教育格差」が、国が国内の何に対し未来への投資を行うのかという問いと同義語であることを、アメリカの若者たちを追いつめてゆくこの流れが象徴している。
「仕事の意味とは、ただ生活費を稼ぐ手段だけではないのです」とティムは言う。

「若者たちが誇りをもって、社会の役に立っているという充実感を感じながら自己承認を得て堂々と生きられる、それが働くことの意味であり、「教育」とはそのために国が与えられる最高の宝ではないでしょうか?将来に希望をもてる若者を育ててゆくことで、国は初めて豊かになっていくのです。学びたいという純粋な欲求が、戦争に行くこととひきかえにされるのは、間違いなのです」


 【一元化される個人情報と国民監視体制】より

《ニューヨーク州在住のジャーナリスト、クリスティナ・リーは、高機能の商品が次々に出てくる携帯電話は今や当局にとって非常に効率良い位置情報源だと警告する。

「新商品が出るたびに搭載機能が増える携帯電話には、通信履歴だけでなく持ち主の買い物情報から利用した路線情報まで、あらゆる情報が入っています。調査員がわざわざ一人ずつ聞き出さなくても、携帯電話の顧客情報をトレースするだけでパッケージになった個人情報を丸ごと手に入れられるのです」

 この問題については日本でも「個人情報保護法」が成立した時、社民党の保坂展人議員が衆院法務委員会でNTTドコモデータ社の法務部に対し質問をしたところ、同社が顧客の携帯位置情報を令状なしで警察に提供していることが明らかになっている。》


 【国民身分証法】より

《グローバリゼーションによって形態自体が様変わりした戦争について、パメラは言う。
「もはや徴兵制など必要ないのです」
「政府は格差を拡大する政策を次々に打ち出すだけでいいのです。経済的に追いつめられた国民は、黙っていてもイデオロギーのためではなく生活苦から戦争に行ってくれますから。ある者は兵士として、またある者は戦争請負会社の派遣社員として、巨大な利益を生みだす戦争ビジネスを支えてくれるのです。大企業は潤い、政府の中枢にいる人間たちをその資金力でバックアップする。これは国境を超えた巨大なゲームなのです」


●グローバリゼーション=貧困層の拡大化だと私は考えていましたが、やはりそういうことなのでしょう。
「経済的に追いつめられた国民は、黙っていてもイデオロギーのためではなく生活苦から戦争に行ってくれますから」という言葉が物語っています。グローバリゼーションと戦争は密接につながっているわけです。

 だからこそ、多くの稼ぎを得られなくても、カツカツであっても、グローバリゼーションとは無縁の地域に根差した仕事、人とのつながりの中から生みだされた仕事をしていくことに大きな意味、意義があるのではないでしょうか。

 【「落ちこぼれゼロ法」という名の裏口徴兵政策】より

《2002年春。ブッシュ政権は新しい教育改革法(「落ちこぼれゼロ法」)を打ち出した。
「アメリカでは高校中退者が年々増えており、学力テストの成績も国際的に遅れを取っている。学力の低下は国力の低下である。よってこれからは国が教育を管理する」

 どうやって管理するか。
 競争を導入する。
 どんな競争を?

 全国一斉学力テストを義務化する。ただし、学力テストの結果については教師および学校側に責任を問うものとする。良い成績を出した学校にはボーナスが出るが、悪い成績を出した学校はしかるべき処置を受ける。たとえば教師は降格か免職、学校の助成金は削減または全額カットで廃校になる。

 競争システムがサービスの質を上げ、学力の向上が国力につながるという論理だ。
 教育に競争が導入されたことにより教師たちは追いつめられ、結果が出せなかった者は次々に職を追われた。だが、この法律の本当の目的は別なところにあったと言われている。

 「個人情報です」
 そうきっぱりと言い切るのはメリーランド州にあるマクドナウ高校の教師、マリー・スタンフォードだ。
 「落ちこぼれゼロ法は表向きは教育改革ですが、内容を読むとさりげなくこんな一項があるんです。全米のすべての高校は生徒の個人情報を軍のリクルーターに提出すること、もし拒否したら助成金をカットする、とね」》

《ある一人の教師は、教育に導入された競争についてこんな風に語った。

「新自由主義政策を続けている政府は「落ちこぼれゼロ法案」を出した後、さらに2005年度に「低所得家庭児童向け医療保険基金」から11億ドルを削減しました。こうして広げられた格差によって、ますます多くの子どもたちが選択肢を狭められているんです。ワーキングプアの子どもたちが戦争に行くのは、この国のためでも正義のためでもありません、彼らは政府の市場原理に基づいた弱者切り捨て政策により生存権をおびやかされ、お金のためにやむなく戦地に行く道を選ばされるのです。

 今この国で多くの教師たちが直面している悩みは、子どもたちに対して将来の夢を後押ししてやれないという現実です。一体誰が、子どもたちにこう言うために教師という職業を目指すというのでしょう?「一人の人間として最低限の生活を送るための、最も確実な選択肢が軍に入隊すること」だなんて》


●「一人の人間として最低限の生活を送るための、最も確実な選択肢が軍に入隊すること」
ーグローバル化の行き着く果てはここなのか…。

 そして教育は、一握りのエリート層と大多数の無知層?を作りだせばそれでいい。
 ひとり一人が自分の頭で考えることができるようになってしまったら、支配層に抵抗するような層が生みだされてしまいかねないのだから、為政者は「考えさせない教育」を推進して行くのは道理。

 教員だって、雑務の多さ、煩雑さは、日々考えさせないようにしてちゃんと教育をさせないようにしているとしか思えません。私は、雑務一切なくしてしまえば、教員は日々目の前の子どもたちにちゃんと向き合うことができるので、これ以上の「教育改革」はないと思っています。

 「信頼して現場に任せる」ーこれを言い出すことができる方が文部大臣になってくれたらなぁ。

 この本を読んで、近い将来の日本の姿を思い浮かべたのは、私だけではないでしょう。そうなってほしくはないし、そうならないように行動していかなければいけないんですが、着々とアメリカの後を追っているのは否めません。

 オバマ大統領でそれが変わるのか? コトはそう単純じゃありません。「民営化された戦争」、ここに関わる産業すべてを切り捨てたら、大量の失業者を出すことになり、今の世界的不況どころの話ではなくなってしまうからです。

 じゃあ、どうすれば・・・名案などないでしょう。思考を停止せず考え続け、行動し連帯し…ということを続けることしか私の頭に浮かびませんが、自分自身の生活や仕事について考えて見直せるところは見直すことも大事だと感じます。

 以下、特に気になったところの抜粋ですー。


 【「民営化」の罠】より

《「ハリケーン・カトリーナは自然災害などではありません、人災でした」
 そう言うのは連邦緊急事態管理庁(FEMA)の元職員であるジェフリー・アンダーソン(仮名)だ。
 (中略)
 「国民の命に関わる部分を民間に委託するのは間違いです。国家が国民に責任を持つべきエリアを民営化させては絶対にいけないのです」》

 【学校の民営化】より

《ニューヨーク州教職員組合のスタッフであるランス・ホーランドは、カトリーナ直後の学校民営化について警告を発する。

 「チャータースクールというと教育に自由があるようで聞こえはいいですが、ルイジアナ州のような貧しい地域でそれをやるのはまったく意味が違ってきます。それは教育格差を生みだす結果になるからです」
 ランスによると、チャータースクールへの切り替えを実施した州政府は、まず公立学校の全教師と職員、合計7500人を解雇したという。その結果、組合に加入していたルイジアナ州の教師の数は4700人から500人に激減した。

 学校が民営化されることで国からの教育予算は大幅にコスト削減され、貧困家庭の子どもたちは教育における平等な機会を奪われることになる。

 「国家が国民に対し責任を持つべきエリアを民営化させては絶対にいけなかったのです」という、前述したジェフリー・アンダーソンの言葉は、子どもたちの未来に関わる「教育」というエリアの民営化についても、同じ警告としてあてはまる。》

 【急増する無保険者たち】より

《「民主主義であるはずの国で、持たぬ者が医者にかかれず、普通に働いている中流の国民が高すぎる医療保険料や治療費が払えずに破産し、善良な医師たちが競争に負けて次々に廃業する。そんな状態は何かが大きく間違っているのです」

 いのちの現場に格差や競争を導入することを許してはいけないと、アメリカ国内で声を上げ始めた医師の数は決して少なくないのだとジェイは言う。》 


●重い言葉ですね。「国家が国民に責任を持つべきエリアを民営化させては絶対にいけないのです」ー日本の政府、総理大臣も耳を傾けてほしいところです。

 自動車関連会社に加えて、電機大手の各社もリストラで社員(正規、非正規含めて)削減することを発表し始めました。企業社会とはかくも危ういものだったのかーと、今更ながらに思います。「安泰」でいられる企業なんて、今の世の中何があるのでしょうか。公務員だって、「安泰」とは言えない時代に突入しているのだとも感じます。

 企業社会では、原則的に副業禁止が大部分だと思いますが、「副業を認める」会社が出てきていると報道されていました。出社日を減らし賃金も減らす反面、副業を認めるのだそうです。

●若い頃、アジア各地を旅する中で私が日本との違いを感じたのは、副業を持っている方が多くいたことです。例えば、ヴェトナムで知り合った若く有能な「公務員」や「教員」が、それだけの給与ではやっていけないので、勤務が終わった後に露店や何らかの副業をしているケースが多くありました。

 日本では公務員はもちろん副業など禁止ですし、公務員をしているのであれば、それだけで一生食べていくのに困ることはないとの認識が一般的でしたから、それは驚きでした。

 それらのことが私の頭の隅にあったからかどうか、私自身、何らかの仕事に就いているときでも、常に「もうひとつの仕事」を念頭に置いた日常を送っていました。

 東京で長く続けたのは外資系証券会社でのアルバイトでしたが(約7年!)、日本語教師の勉強を続けながら実際に一時期並行してやっていました。

 北海道にUターン後は、父親の介護をしながらジンベ(西アフリカのタイコ)の教室を始め、介護の手が離れてからは、ジンベの教室で各地を回る生活をしながら、らくだメソッドへの関心を深めていきました。

 そして結婚を機にらくだの教室を始めていますが、2年程前近くに大型スーパーができることになったので、従業員募集に応募しました。早朝の時間帯の仕事なので塾の仕事と並行して行うことができ、また結構動き回りますからいい運動にもなり、私と家族の生活にとってちょうどいいものとなっています。

●大きな企業でも大規模なリストラを断行する世の中ですし、この先倒産だって増えるでしょう。「安泰」でいられる仕事なんてないだろうと思われる今の世の中、複数の仕事をすることは当たり前になってくるような予感が私にはします。

 経済成長が見込まれないとなると、少ない収入でなんとかやりくりしなければいけませんし、私がかつて訪れたアジア諸国のような生活に日本は近づき、かつて貧困に喘いでいた国々は、先進諸国のような生活に少しずつ近づいていっているのでしょう。地球規模の視点でみると、これはこれでバランスが取れているのかもしれません。

 時代状況に柔軟に対応できる心と身体がないと、これからの世の中、生き抜いていくのは大変です。

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 前のページ | 次のページ ]


.
tomoto
tomoto
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事