さまざまな学びのかたち〜すくーるhana便り〜

「学力がつく」ことは「人間として生きる上での自信がつくこと」 …教育・子育てについて等意見交換しましょうねー

精神科・うつ、べてるの家

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 だれにも侵すことのできない幸せがある より

《向:岩田さんは、巨大な幸せを追い求めてきたけれど、手のひらサイズの幸せでいいんだということが最近わかってきた、と話しています。

辻:その岩田さんのいう、「巨大な幸せ」と「手のひらサイズの幸せ」という区別ですが、それは「ハピネス」と「ウェルビーイング」というふたつの英語の違いに近いかもしれません。どちらも幸せと訳されるんだけど、「ハピネス」はハプニングと同じで、「偶然」という意味からきている言葉です。だから、事故みたいに外から突然舞い込む、という感じ。それに対して、「ウェルビーイング」は、「よくあること」、「いい状態でいること」。どこか遠いところからやって来る「できごと」というより、自分をとりまく「状態」のことを指す言葉のようです。

向:では、ウェルビーイングとしての幸せのほうは、降って湧いてくるようなものではないんですね。
 
辻:日本語の幸せですが、もともとは「仕合わせ」と書いたようです。幸運は運だから外から来るできごとのようなものだけれど、「仕合わせ」というのは、ある種のバランスをとった状態のことを言っているような感じですよね。
向:「合わせ」というわけですからね。

辻:そう、「合わせ」は、「巡り合わせ」や「組み合わせ」の「合わせ」ですから。いろんな条件や要素がうまい具合に合わさっている。だから、ふたりで幸せというのも、あなたと私がここに集ってみたら、うまくバランスがとれた。なにかの縁で、こういう組み合わせ方で今ここにある、というイメージかな。そうとらえると、ハピネス的な感覚よりしっくりきて、「幸せ」ってなかなかいい言葉だなと最近思いだしているんです。
ところで、向谷地さんにとって「幸せ」はどういう言葉なんですか?

向:幸せというのは、将来の目標のようなものではなく、今この瞬間に、誰もが想像でき、つくりだす可能性をもったものじゃないかと思います。それこそ、さっきの川村先生の「病気で幸せ。治りませんように」という言葉があるように、病気になっても人は十分幸せでいられるし、治らないという中にも幸せがある。

私のイメージは、たとえばアウシュビッツ収容所のような地獄の中でさえ、「幸せ」をイメージしていた人がいるということです。『夜と霧』で有名なフランクルの言葉はとても重いと思います。どんな政治的な力をもってしても、どんな暴力をもってしても、人の幸せは決して破壊できない。フランクルはそんな意味のことを言っています。

ナチスの暴力の中でも、窓の外の木の葉の緑を見たときに、日常的な自然の中に、自分がとても深い人生のときを歩んでいるような気がする、と言った人がいる。葉っぱのひとしずくの中にも、幸せを感じて死んでいった人たちがいる。たとえ死んでいったとしても、そこにはだれも侵すことのできない幸せがある。そういう感覚が、フランクルの本を読んでいたとき、私の中にありました。そういう幸せというのは、決して現実の困難を観念化して、現実から逃避することではない。それがほんとうの意味での自立ではないかと私は思うんです。

辻:外からどんな力をかけても壊されない、という意味での自立。ブータンで友人に聞いた話を思いだしました。チベットの昔の思想家ミラレパが、「一番たいせつなときはいつか? 一番たいせつな人は誰か? 一番大切なことはなにか?」という3つの質問に対して、こう答えた。
「一番たいせつなときは今、一番大切な人は今ここにいる人、一番大切なことは今ここにいる人によくあること」。
ぼくらは、よく「自由」とか「平等」とか「博愛」などという大きな概念の言葉を使っていますが、「幸福」もそういう類の言葉として使われてきたと思う。だけど、ほんとうは今、ここ、自分の身の周りの小さなことの中に幸せがあるのかな、と。》


 べてるは失敗の宝庫 より

《向:引き算ということでいえば、私たちも支援やケアをするときに、どうしてもなにかをしなければ、してあげなければいけない、というようなエピソードがいっぱいおきるのですが、大事なのは「なにをしないか」なんです。》


●大事なのは「なにをしないか」、という言葉、私はよくわかる気がします。
 してあげることにより、その人が本来持っている力を引き出すことができないのは、教育でもよくあることだと思います。接する大人の側にその意識があるかどうかがとても大事だと私は思うのですがー。

 豊かさから病気が生まれる より

《向:私が来た当時の浦河は、まさに貧困と病は非常に関連していて、みんな貧しい家庭に育ちながら、とても不安定な環境の中で生きて、病気になっていくというイメージがあった。

けれど、ここ10年を見ると、圧倒的に豊かな人たちが病気になっていて、恵まれた人たちが行きづまりをもって、私たちの中に入ってきている。それは一番大きな変化です。

たとえば、今、べてるにいる人たちの親の職業で一番多いのが医者です。それと、最近は、休学中の東大生も通ってきてるんです。ついに東大の人も来るようになったか、と。》


●医者、東大生・・・。
いったい何が本当に幸せなことなのか、それぞれの頭で考えることこそ必要なのではないでしょうかー。

 あなたは今日からひとりではない より 

《向:「たとえばアルベール・カミュという作家の『シーシュポスの神話』(新潮文庫)という本の中に、「論理の必然的帰結としての自殺」という言葉がある。論理的に考えたら、どう理屈をこねても、生きていたほうがいいという結論はぜったいに出てこない、というのがこの世の中の現実です。

そういう意味では、君は論理的でかなりまともだし、じつは2000年前に書かれた聖書の中にも、『日の下で人が労するすべての労苦は、その身になんの益があるのか』って書いてあるんだよ」と言ったら、「え、そうなんですか?」と聞いてきた。

「これは人類永遠のテーマなんだ。君はとても大事で深遠なテーマに、30歳になってからという遅さはあるけれど出くわしたのだから、やっとまともな人生をとりもどしたという意味で、『おめでとう』と言えるかもしれない。でも、だからこそたいへんなんだよね。まっとうって、今の世の中ではたいへんなことだからね。君の言ってることはなにもおかしくないし、まさにそのとおりだよ、いい線いってるなって思う」と言ったら、「はじめて自分の言うことに賛成してくれる人に出会いました」と。》


●「はじめて自分の言うことに賛成してくれる人に出会いました」とは・・・。自分を丸ごと肯定してくれる人と出会うだけで、人は変わっていける、生きて行ける、ということなのでしょうかー。

 弱さによって人はつながる より

《向:人のつながりというのは、さっき言ったような「弱さ」を通してしか確保できない。人のつながりを手に入れる入り口は、「弱さ」なんですよ。

たとえば、あの秋葉原での事件を起こした青年はなんて言ったかというと、「誰かにとめてほしかった」。池田小事件の青年も、事件を起こしている最中、「誰かに自分をとめてほしかった」。取りおさえられたとき、「もうこんなことしなくてすむと思ってほっとした」と言っている。

つまり、彼は自分の絶望的な弱さと出会いながら、周りからは弱さの発信をもらえなかった。だから、周りはみんな強くて、自分だけが弱いというベクトルで、彼が生きるために人が死ぬという究極の弱さというかたちで、その場に酸素を、つまりつながりというパイプをつなぐしかなかった。》


●強がって、意固地になっていたら、人とのつながりは作れないというのは、ウチの父親をみていてよく思っていたことです。
 できないことを認めて、人に助けを求めて、お願いして、弱さを開くかたちで謙虚に生きていくと、自然に人とつながっていけるように思うのですがー。

 治らなくてもだいじょうぶ より

《辻:気功のハンドパワーのすごい人たちを知っているのですが、「治る人と治らない人がいて、基本的にエゴで自分のことしか考えない人は治らない」と言うんですよ。エゴが解かれて、ほかの人にいいことをすることが自分にとっても喜びだ、というところまでいった人は、急に治る力が出てくるというんだけど、この話、どう思いますか?

向:それはあると思いますよ。
辻:べてるの家というのは、エゴを超えていく場づくりともいえるのでしょうか?

向:いろんなものがぶつかりあって、いいものを生み出していく多様性を、私たちは大事にしています。多様性ということでいえば、自分たちの中から否定的な言葉をつくらない、発しない、ということを大事にしたいと思ってやってきました。》


●「ほかの人にいいことをすることが自分にとっても喜びだ」と思えると、人生に常に運がついて回るように私も思います。

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