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人間は昔裸に近い格好で暮らしていました。それなのにあらゆる種類の病原体をはねのけて生きていくことができたのは、体に免疫ができるからでした。
今の時代、先進諸国に暮らす人たちは、そんな病原体どころか、あらゆる「汚いもの」から隔絶した世界に生きています。それはここ数十年の間に急速に進んだ社会の変化でした。
しかし、体はそう簡単には変わらない、それが「アレルギー」体質になる根本の理由だということが、この番組を観てわかりました。
つまり、体は、花粉やダニ、ホコリなどの微細な物質を、昔々の「病原体」と勘違いして、免疫を作り出してしまうということなのです。それが「アレルギー」なのです。本来はしっかりと体に入ってくる病原体に向かって抵抗するための体の自然な反応が、今の世の中では「花粉、ダニ、ホコリその他」に対して反応してしまうのです。
それではなぜアレルギー体質の人たちは「ここ数十年で急激に増加」したのでしょうか?番組では、長い間わからなかったこの変化の理由を追い、その答えを提示していました。
ある国の子どもたちを調べてみると、農家の子どもにはアレルギ−が少なく、他の子どもには多いというデータが出ました。さらに調べると、農家の子どもと常に遊んでいる子どもたちにもアレルギーが少ないというデータが出ました。
研究者の結論としては、「家畜とともに暮らす、あるいは、家畜小屋に頻繁に行き来する子どもは、家畜の糞尿と常に接していることになり、それが体に免疫となるので、アレルギー物質が体に入り込む余地がなく、アレルギー体質にはなりにくい」ということでした。
農家の生活では、生まれた直後から子どもを家畜小屋に連れて行き、仕事をします。そのように、1歳までに家畜と接しているかどうかが、その後アレルギー体質になるかどうかの大きな要因になるとのことでした。
昔の日本でも、農家の‘曲がり屋’で家畜とともに生活する習慣がありました。また、北海道では‘馬糞風’という言葉があるように、家畜の汚物に実を晒すような暮らしが至る所にありました。しかし、急激な‘高度成長’以来、そのような暮らしはどんどん消えていき、それと比例するようにアレルギーになる人も増えていったという現実があります。
番組では、「人間も大きな自然のつながりの中で暮らしていくこそ生きられる」存在だった、ということを述べていました。つまり、動物や植物や虫、自然界の生物との連鎖なしに生きていくのは、もともと無理があるとー。
しかしもはや後戻りするのは難しい。願わくば、これから子どもを持つ人たちは、この事実を知って、それぞれに考えて生活をしていくしかないでしょう。
私がもしもこのことを知っていたら…子どもが生まれてなるべく早いうちから牧場に行ったりして時を過ごせるように考えたでしょうかー。今となっては牧場へ連れていくことは逆効果かもしれません。喘息発作を起こす可能性大ですから。遺伝のことには触れていませんでしたが、それもあるのではないかと思います。私たち親は二人ともアレルギー持ちです。
何気なく観た「病の起源」でしたが、深〜くいろいろなことを考えさせられました。過度に清潔志向な生活は、この先ずっと大きな負荷を背負って生きていかざるをえないのではないかと感じます。
なお、「免疫」「病原体」などの言い方、使い方は私がわかる範囲で記していますので、まちがっている点などあるかもしれませんので、あしからずー。
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