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東大寺お水取り

こんにちは。
大分春らしくなってきました。
梅が枯れてしまったのは残念ですが、今は白木蓮・雪柳が見ごろです。
当然桜も見ごろを迎えています。
これからどんどん春の花が咲いていくでしょう。
うれしい限りです。

さて、今回は少し前の事ですが、奈良に春の訪れを告げるという、東大寺お水取りという法会の事を書きたいと思います。
お水取りは通称名であって、本来修二会というのが本来の法会の名称に近いです。
二は二月の事で、旧暦では二月ですが、太陽暦の現在は3月に行われています。
またもう少し厳密に言えば、これは悔過法会(けかほうえ)であって、日常我々が犯している様々な過ちを神仏の前で僧侶が懺悔するのが内実なようです。
ですが、それは僧侶の宗教的な行為であって、重要ではあるわけですが、一般にはこの法会は「お松明(たいまつ)」と称される一場面が最も有名です。
巨大な松明を持ちながら二月堂の欄干を走るという、だれもが一度はテレビなどで見た事はあるのではないでしょうか。
youtube等にかなりupされていますので、見られた事のない方は検索してご覧下さい。

そして、「おたいまつ」が有名なのはもちろんなのですが、法会自体は14日間通して行われますから、それだけではありません。
先ほども述べましたが、この法会は悔過法会です。
一晩中かけて、二月堂の本堂では僧侶達が法会に勤しんでいます。
「おたいまつ」が終わった後、二月堂に行くと噂通り多くの人だかりと共に何やら仏事が営まれていました。
しかし、すべての人が参加できるというわけではなく、一般人は内陣はおろか外陣にも入れません。
特定の俗人は(何かの講の組織でしょうか)、局と呼ばれる小部屋に入って内陣の様子を窺がい知る事のできるようです。
しかし、私は人だかりができた扉の外から、背伸びをしながら内陣の様子を窺がいます。
僧侶の方が走る音はよく聞こえるのですが、読経等の声はわずかしか聞こえません。
しかも、内陣と外陣の間にはカーテンがかかっているらしく、内陣の様子はほとんどわかりません。
ロウソクの火に照らされた僧侶の動きが、そのカーテンにゆらゆらと写り、それとなくなんらかの動作が行われていると判断されるのみです。
堂の外に有っては、わずかな音と光と影ばかりなのです。
しかし、なんといいましょうか・・・・・。
厳かといいましょうか、尊いといいましょうか・・・・、そんな心を。


  たゆたへる影に何かはするらめど
   たふときさまの限りあらなくに
    〇するらめど しているらしいが。
    〇さま 様子。


この状況は、中々言葉では伝わりにくいでしょう・・・。
行かれた方に共感していただけるとうれしいのですが。

そして、「お水取り」という所作は、3月12日深夜に行われ、「おたいまつ」のように派手ではないですが、厳かさという面で有名かと思われ、正に一連の法会の通称名にもなっています。
二月堂の下方にある閼伽井屋(あかいや 別名・若狭井)という井戸から二月堂の観音にお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式です。
大勢の参拝者の見守る中、雅楽も奏され、僧侶等の行列が二月堂から出てきて、階段を下り、閼伽井屋まで向かうのですが、この場面の厳かさはなんとも言えないものがあります。
僧侶達は、途中小さな鎮守社(興成社)に立ち寄り法要を営んでから数人の童子と閼伽井屋に入り香水をくみます。
僧侶が興成社(写真は、http://www.7kamado.net/onyu.html)で行う法要にはかなり驚きました。
僧侶達が、ひざまずき、読経を行うのです。
明治維新以後の、神仏分離された宗教の状況が当たり前である我々にとってみれば、驚く人も少なくないでしょう。
しかし、これは1000年以上続けられてきた法会なのです。
その事に思いを致した時、次の歌ができました。


  ちとせ経しいのりにあへり日の本は
   神も仏も崇めきしかも
    〇いのり 法会を「祈り」と表現しました。


さて、この「お水取り」という法会に参加して、私は本当に得がたい経験をしたと思います。
言葉足らずの所がありますので、この法会の魅力を十分には伝えられなかったかとおもいますが、もしこのブログを見られた方は、是非一度行かれる事をおすすめいたします。
最後に一首。


  火と影の東の御寺水とりに
   今宵ありしは忘らえぬかも
    〇東の御寺 ひがしのみてら。東大寺の事。本来「ひむがしのおほてら」と表現すべきですが、字数が多いので、この表現にしました。
    〇忘らえぬかも 忘れられないなぁ。「え」は、自発(あるいは可能)の助動詞「ゆ」の未然形。およそ平安以降は、「ゆ」から「る」となる。奈良以前の歌っぽくするために、あえて「ゆ」を使用。


説明下手な文章で、かつ趣きも無い歌を最後まで読んでいただきありがとうございました。

万葉集

こんにちは。
身辺忙しくなかなか更新できないでいます。
先日参加した東大寺二月堂お水取りについて記事を書きたいのですが、長くなるかもしれないので、今日は短く別の話題を。

万葉集に次のような長歌と反歌があります・・・・(巻3-443〜445)。


天平元年己巳、攝津國の班田の史生丈部龍麿自ら經き死りし時、判官大伴宿禰三中の作る歌一首 并に短歌

天雲の 向伏す国の ますらをと 言はるる人は
天皇(すめろき)の 神の御門に 外の重に 
立ち侍ひ 内の垂に 仕へ奉りて 玉葛 いや遠長く
祖の名も 継ぎ行くものと 母父に 妻に子どもに
語らひて 立ちにし日より たらちねの 母の命は
斎瓮(いはひへ)を 前に据ゑ置きて 片手には
木綿(ゆふ)取り持ち 片手には 和栲(にぎたへ)奉り
平けく ま幸くませと 天地の 神を祈(こ)ひ祷(の)み
いかにあらむ 年月日にか つつじ花 にほへる君が
にほ鳥の なづさひ来むと 立ちて居て 待ちけむ人は
大君の 命畏(みことかしこ)み おしてる 難波の国に
あらたまの年経(ふ)るまでに 白栲の 衣も干さず
朝夕(あさよひ)に ありつる君は いかさまに
思ひいませか うつせみの 惜しきこの世を
露霜(つゆしも)の 置きて去にけむ 時にあらずして

反歌

昨日こそ君は在りしか思はぬに浜松が上に雲とたなびく

何時しかと待つらむ妹に玉梓の言(こと)だに告げず往にし君かも


約は、他サイト等をご覧下さい(例えば、http://www5b.biglobe.ne.jp/~yoropara/manyou/m-den00443.htm)。
自殺してしまった人への挽歌ですね。

この歌を見て、私は次の歌を詠みました。


  はや読めるものにはあらずちとせ経れど
   詠み人おぼえただ泣かるれば


  千代絶えぬこの歌ふみは我なくも
   継ぎもゆかむかまたの千代にも


この歌の約等については省略します。
少し恥ずかしいので。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

尾張二宮の梅

こんにちは。
ここ一週間程、長くて寒い冬がようやく終わり、大分春らしくなってきました。
先週、先々週と、私は夢中で道中、家々に植わる梅を見てきました。
ここではそんな心を。


  なが寒き冬をたふれやむめの花
   物ぐるほしくも見むずる心は
    〇たふれや 耐えたからであろうか。
    〇見むずる 見むとするの縮約。みようとする。


さて、以前ちょうど春の始めの時期、訳あって尾張二宮の大縣神社に参拝しました。
神社で梅といえば、まっさきに思い浮かぶのが天神さん、特に京都の北野天満宮の梅はきれいですね。
以前私もその事について詠った事がありますhttp://blogs.yahoo.co.jp/hanasuki_utayomi/8616782.html)。
大縣神社は、天神菅原道真を祭っているわけではなく、「大県大神」という尾張国開拓の祖神を祭っています。
その事とどのような関係になるのかわかりませんが、境内奥の斜面には、これみよかしといわんばかりの梅が植樹されています。
写真はたとえばこちら(http://www.lets-go-aichi.jp/article/2010/000307.html)。
見事という他ないです。その時に詠んだ歌を一首。


  尾張なる人にしあらば二の宮の
   咲きに咲くむめひとたびは見よ


この近くに住んでいる人、あるいはたまたまこの時期に訪れた人は、是非見てもらいたいものです。
また、この梅園を見ている人々の満足そうな顔を見て。


  梅めづる人々みれば世のなかの
   たいらかなるを祈らるるかも


この歌の説明は不用でしょう・・・・。

そして、見事というのは、この境内の梅ばかりではありません。
どういうわけかしりませんが、この神社の近辺の農地(?)では、農地本来の土地利用をせず、とにかく梅や桜の木が植わっているのです・・・。
以下写真です。

イメージ 1


写真はほんの一部です。
周辺の土地一体がこのような状況です。
いったいどんな風流な人が、こんなにたくさんの梅や桜を植えたのでしょうか・・。
適当な使い方をすれば収入はあるはずなのに、梅を植えていても一向に収入にはなりませんし、むしろ管理のための費用も毎年必要でしょう。
また、当然人の私有地ですので、これだけ見事ながら、これといって梅・桜の名所と認識はなされていないようです。
私一人で、幸運にもそんな光景を満喫しました。
そんな心を一首。


  人知らで梅さわに咲く木もとごと
   枝ごと見れどかげどあかぬかも
    〇さわに たくさん。


(「満喫」とは言いながら、歌ではまだ「あかぬ」と言っていて少し矛盾ではありますが、そこは御勘弁を・・・・。)
さて、こんなに見事な梅を見ても、その時私は一人でした。
どうせならば、気の合う友人、それも花を共に愛でる事のできる友人と一緒にこの光景を見たかったものです。
そんな心を。


  ごとならば思ふどちもがこれかれと
   めでつつ遊ばむ梅はさかりぞ
    〇ごとならば どうせ同じならば。どうせ梅を見るという同じ事をするのならば(一人ではなく)。
    〇思ふどち 気の合った同士。
    〇これかれ あれこれ。


これは作ってから思いましたが、万葉集五巻

  梅の花今盛りなり思ふどちかざしにしてな今盛りなり

と趣向が少し似ていますね・・・(汗)
まぁいい事にしましょう。

今回は割合長文でしたが読んでいただいてありがとう御座います。
数日前、東大寺お水取りに参加いたしましたので、近日中にその事を載せたいと思っています。
それでは。


※投稿後、若干訂正しました。

花の名

こんにちは。
先週はようやく春もきたのかなと思いきや、また寒くなりましたね・・・。
しかし、先週の暖かさなのでしょうか、私の住んでいる所でも梅が咲き始めました。
出勤・帰宅の道中、梅の花がどこかの家の庭で咲いてやしないかと、目ならぬ「鼻」をこらして歩いています。
めぼしい所では、立ち止まって梅花の成長をじろじろ眺めています。
すなわち・・・・・、泥棒の下見と間違われないかいつも心配ではあります。

さて、前置きとはあまり関係のないかもしれませんが、去年の秋頃できた花に関する歌を。


  この花の名はしらねどもかりにしも
   名はなかりせど愛でぬよしなし
    〇なかりせど 無かったとしても。
    〇よし 理由。


恥ずかしい事に、私は「花好き」と題してブログをやっているわけですが、それほど花の名を知っているわけではありません。
さらに告白すると、別段小さい頃から花が好きだったわけでなく、否、むしろおよそ子供の頃にはほとんど見向きもしませんでした。
花がとても美しいものに思えるようになったのは、実はここ数年です。
なので、あまり花の名も知らないわけです・・・。
だからこそ思うのは、道端に咲いている花、その花の名を知らなかったとしても、ましてや名など存在しなくとも、その花を愛でない理由などない、名前など関係ないのだ、と。
ここまで読んで気付いている方もやと思いますが、趣向としてはシェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の、バラに関する有名な台詞と似ています。
それを一段推し進めて、たとえ名前など存在しなくとも、美しいものは美しい、そういう気持ちを歌に詠んだつもりです。

ご覧頂きありがとうございました。

いや澄み空

こんにちは。
先週あたりにブログを再開し始めてしきりに話題にしているのですが、春が・・・・・・こない・・・・ですね。
私の住んでる地域はまだまだ寒い日が続いていますが、皆さんはいかかでしょうか。
同じような話題ですが、今回は春を待ちわびる気持ちを詠んだ歌を載せたいと思います。


  風寒きいや澄み空にみえぬなき
   みやこたか岡春は恋ひしも


先日、雨の翌日の晴れの日で、風が強くとても寒い日がありました。
そんな日でも心を癒してくれたのは、とても空が澄んでいた事です。
雨の翌日で寒い日というのは、経験的に空が澄んでいるように思います。
その日、まわりより一段高い場所(たかおか)を通りかかった時、遠くのビル群がくっきりと見えたのでした。
その日の空を、とても澄み渡っている空という意味で「いや澄み空」と命名し、歌に反映させました。
高台に上って遠くの情景がよく見えるのは、とても気持ちいい事ではあります。
しかし、その場は耐え難い程の風・・・・・・、眼前の光景に満足しながらも、すぐに春が恋しいという気持ちになってしまいました。
そのような気持ちを歌にしました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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三島
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