9/5 王座戦第1局仙台決戦 毎年楽しみにしている王座戦。 宮城大村さんよりのお誘いと大盤解説は木村九段であり、これは観戦する一手である。 朝7時出発、会場の仙台ロイヤルパークホテルまで、車で約1.5時間。 結構近い、ゆうゆう対局開始時間に間に合いそう。 しかし、道を間違えた。 スマホのナビが不調なのか、自分が見落としたのか、不明。 到着、9時を過ぎてしまった。仕方なし。 さっそく、控室に訪問。 日経担当の方に、天童おみやげ(絶品揚げまんじゅうは店が定休日で買えず、将棋もろこしと左馬まんじゅう)を渡して、談笑。 木村先生・行方先生・新婚4ヶ月紫野女流・佐藤会長・塚田先生が さっそく将棋を研究している。 しばし、拝見させていただく。 戦型は、最近流行の先手矢倉模様と後手雁木模様(つの銀が正式名称か?)。 昨日のアマ名人戦決勝と同じような形ではないか。 「(シリーズの)どこかで出ると思っていましたが、ここで出ましたね」(木村九段) 昔は、24歩から角交換をするのが定跡、この変化を木村先生よりレクチャーを受ける。 どうして、かわったのか、興味深い話であった。 昨日、行方八段が向かいのpatioで鍋(フライパン?)を買った話が面白い。 なぜ昨日なのか?どうして直径24cmなのか? 不思議な会話であった。 お昼ころの局面 控室は、ここで先手の思わしい手がない。後手優勢ではないか。 65同歩は、同桂・66銀・57歩で次ぎに26角と銀を取れば、後手勝ちである。 検討もしばし中断してしまった。 木村先生より、11月昇段祝賀会開催の話をいただいた。 天童支部よりも参加を約束。 この局面で「55歩はないですか?」と聞いてみた。 木村先生「なるほど・・検討してみましょう・・」と控室へ 「当たりましたよ・・」結構うれしいものです。 15時、ホテル1階の大ホールでは、木村九段と宮宗女流初段による現地大盤解説会が始まった。 開始の時点で、すでに100人以上のファンの皆さんが詰めかけている。 椅子は280席もある、きっと夕食後は満員だろう。 木村先生の大盤解説会開始である。 良く通る声で、冗談も面白い。 さすがと感心するしかない。 聞き手の新婚4ヶ月紫野女流も笑いが絶えない。 夕方、塚田先生登場。(和服からスーツに着替えて登場) 羽生王座優勢と断言している。控室も同意とのこと。 これは、夕食休憩前に終わるかもしれない。 また、和服に着替えるために、早々と退席された。 木村先生と行方先生のゴールデンコンビの解説が面白い。(文字で伝わるかどうか) ・目隠し対戦のこと 行方先生結婚式2次会で、べろんべろんになりながら対局(手が伸びて良い将棋だった) 木村先生八段昇段祝賀会で対局、どちらも行方先生勝利。 今度の木村先生祝賀会でも対局か? ・羽生王座の強さ 決して緩めないところ。いくら優勢でも丁寧に読んでいる。いい加減な読みでは指さない。 そうでなければ、タイトル98期はとれない。 大山先生のタイトル数は?行方先生「120・・くらい?」 木村先生「師匠のタイトル獲得を忘れているとは・・困った弟子だ」 ・雁木の流行 最近までは、穴熊に代表される、堅さが良いとされた。しかし、AIの登場後、駒のバランス重視に変わった。それが、雁木流行につながっている。 ・AI将棋の形 昔大山升田戦で、81飛−62金の形が指されている。AIで注目された形であるが、昔の人はすごいものだ。戦法は繰り返すかもしれない。 ・若手対策 飲みに誘うのが良いかも?遊びを覚えさせる? しかし、最近の若手はつきあわないので、ダメか。 藤井聡太四段を誘うのはダメ、未成年だから・・、しかし、酒は強そうだ。 ・話好きの棋士 木村・行方は、話好きだが、最強は大介先生だろう。なぜなら、相手の話を聞かないで話し続ける・・・。 その他、面白い会話で、会場は爆笑に包まれた。 新婚4ヶ月紫野女流が不満そう。 「おやつのケーキ、写真用に対局者と同じものが控室にあった。もどったら食べようと思っていたが、塚田先生に食べられた。紅茶とレモンしかなかった。」(泣) 残念そうに、本気で怒っていた様子。(予想) さて、夕食休憩に入りそう。18:10-19:00の50分。 ここで、次の一手が出題された。 A−75歩 B−46歩 C−77歩 D−その他(58銀・87歩成・他) 当選者は直筆色紙(多数の時は抽選) ここで、夕食時間となった。 バッタリと東京から来た「王手飛車(twitter名)」さんと会った。 現在将棋指導を職業とされている。最近の私の指導方法を聞いて頂いた。 熱心さに感動だった。 宮城大村さんは、なぜかホテル喫茶室で打合せ中。大盤解説会には参加しない?文化庁の補助事業の件のようだ。スマホで棋譜中継を見ながら。しかし、プリンター持参でPCをのぞき込んで熱心に話し込んでいる。どうして、タイトル戦会場なのか。不思議な光景であった。 さて、次の一手が公開された。 正解は、Dのその他(58銀)。解説陣を信用しない方が正解であった。 じつは私も正解。抽選で直筆の色紙をいただいた。 塚田先生の色紙。(う〜ん、なんとなく気合がはいらない。き・あ・い、と優しそうである。失礼) 勝負は、羽生王座優勢のハズだが、何かおかしい。 もつれる気配が漂っている。 木村先生も首をかしげている。 夕食前に終わってもおかしくない将棋が、どうして、このように・・・。 図以下の木村先生解説は、面白かった。()は木村先生解説等。 △5八銀 (局後△7五歩が正解。以下▲6五銀△同桂▲同金△8七歩成▲6三歩成△同金▲4四歩 △5八銀▲6八玉△6七銀成▲同玉△8六飛と進めれば後手の手勝ちだった) 次の一手は疑問手のようだった。 ▲6八玉 △6七銀成 ▲同 玉 △8七歩成 ▲同 銀 △7七金 ▲6六玉 △8七金 ▲4四歩(攻め合いにいった。△4四同銀なら先手玉が寄らないことを物語っている。先手元気が出る形勢だ。) △8六飛 ▲7五玉(どうも先手玉は寄らない) △7二歩(はあ〜、これは逆転かも) ▲6七角(事件ですが、スカタンになれば終わりだが・・) △4四銀(長期戦です。最後勝てば良いとの手) ▲8七歩(先手も粘ります) △同飛成 ▲7六銀(またまた粘り) △8一龍 ▲6三銀(これは良い手だ) △7七桂成 ▲5二銀成 △同 玉 ▲6三歩成 △同 玉 ▲5四金(これは逆転かも) △5二玉 ▲6三金打(?どうして44金でないのか?あっ!64銀がある。そうか〜) △4一玉 ▲8二歩 △同 龍 ▲4四金 △6七成桂(先手玉は詰めろです。まだわからない) ▲6四玉(う〜ん) △6二歩(そうなんです。後手はこうゆう人なんです。) ▲同 金(また61歩とかするのでは?) △8五桂(おっ、これは良い手です。ピッタリで羽生王座勝ちでしょう。82歩を悪手にする、ショックを倍増させる手。番勝負に影響しそう) ▲5四玉(仕方ないか) △4三銀(?73竜では?その後の変化を並べる・・木村先生が先手玉を詰めようとする・・紫野女流が受けに回る。悪手かも・・) ▲同 金 △同 金 ▲同 玉 △7三龍 ▲6三銀(そうです、これでまだ寄らない) △3二金(長い勝負です。) ▲5四玉 △4三銀(陣形再構築、みなさんを帰さない手です) ▲6五玉(毒まんじゅうか?45玉の方がよいのでは?) いろいろ変化を並べる。そして木村先生の攻め、紫野女流が受ける。 紫野女流「92玉で詰まない」堂々と王を動かして、宣言 木村先生「え〜っ、91に香がいますよ」 紫野女流「あっ・・横から見てるからわからなかった・・」(汗) 木村先生「これは、みんなには内緒にしておきます」 紫野女流「ちょっと疲れが・・・ケーキが(これは言っていないか)」会場大爆笑! △7七桂成 ▲5二銀打 △3一玉 ▲7四金 △9二角(これが狙いですね) ▲8三歩 △同 角 ▲6七銀 △5二銀(ゆっくりと・・) ▲8三金 △6四歩 ▲5四玉 △6三銀 ▲同 金 △4三銀 ▲4五玉 △6三龍(相手をくたびらせて勝つコツだ) ▲4六玉 △6七成桂 ▲2二歩(中村さんはあきらめない) △8三龍(羽生かちでしょう) ▲2一歩成 △同 玉 ▲4一銀 △4四銀打 ▲3二銀不成 △同 銀 ▲7一角(嫌な手ですね〜) △3三銀打 ▲2二歩 △同 玉 ▲2四歩 △3八銀(決めにでましたが・・) ▲2三歩成 △同 銀 ▲4八歩(中村挑戦者は、なげっぷりが悪い。あきらめない。昔は深浦先生だったが) △6六成桂(タダだ、どうゆうことだ・・、また、みなさんを帰さない手か、錯覚か) ▲同 金 △4五歩 ▲同 桂 △同 銀 ▲同 玉 △2五歩(おかしい) ▲同 飛 △2四歩 ▲1五桂(勝負ですね) △4四歩(冷静です) ▲5六玉 △2五歩(羽生王座45金と指そうとするが、手を変えた) ▲2三桂成 △同 玉 ▲2四歩 △1四玉 ▲2六桂(ハッとします) △同歩 ▲3七桂(詰めろ、これは逆転?中村勝ちか) △2四銀 ▲4四角成 △3三金 ▲2二金(これが良い手です) △2五金 ▲1六銀(15飛でどうか?いや23桂の受けがある・・いやいや・・・) 羽生王座投了。終局時刻は22時53分。 木村先生「ここで、23桂ならどうなったのでしょうか・・」 対局席モニターには、両者無言の様子が映っている。 木村先生「あれ、立会の塚田先生がいない。どうして?」 両者にインタビュー、そして、大盤解説会へ向かうため立ち上がった。 そこに、塚田先生登場。すぐに一緒に室外にでる様子。 場内大爆笑であった。 大拍手の中、両対局者解説会に登場、23桂に両者頭をかかえる。 いや〜、すごい勝負でした。 中村挑戦者の執念と諦めない気持ちを感じます。 羽生王座、お疲れだったのでしょうか。 しかし、良い勝負を見せて頂きました。 あっと言う間の一日が終了した。 お疲れさまでした。 帰路、また道を間違えた。
スマホの電池切れだった。 結局自宅到着25時、疲れた〜〜。バタンキュー。 |
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