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事件後、東亜子の自宅マンションには秘書と称する女性が入り込み、中からロックアウトの状態で、1年
近く過ぎた。
その間、中の荷物などをその女性が持ち出していたそうだ。
複雑極めた戸籍のために。多数の相続人がいた。つまり、ラッキーが3人の妻がいて、それぞれに子供た居
るので、多数の兄弟姉妹が出来てしまっていた。
最初の妻はラッキーより、一回り年上で、その妻が最初に産んだ子はちょうちんと同じ年であった。私は
その第一妻の長女と会っていろいろ聞きたいと思って期待していた。東亜子が第一妻から生まれたのであれ
ば、当然、血縁であるから、どこか共通点がある筈であるが、私は最初から、そんなことは期待していな
かったのだった。第一妻の子供たちは、後、一人男性がいた。
そして、第二妻のちょうちんの子となっている二女と三女がいるが、二人とも自分たちは、私や東亜子と
は何の関係もないことを早くから知っていたので、主に私が依頼した弁護士の呼びかけにも出てこなかっ
た。私は第一妻の長女はちょうちんと同い年と言うことで、いろいろ知っていると思っていたので、電話を
して会いたいと期待していると、伝えていたが、現れなかった。
成城のマンションに入る当日に秘書と名乗る女性は誰にも会わずにいなくなっていた。
しかし、第一妻の長男がやってきてくれたが、もちろん、人種が違うほど似ても似つかぬ容姿であっ
た。それは、別に驚きもしなかったが、幼かった彼らを捨てて、第一妻はラッキーのもとに走ったのに、
ラッキーのことを悪くは思っていないという。
管財人同道で入った東亜子の自宅にはめぼしいのもはなにもなかったが、誰に送ったかわからなかった
が、ファックスで送られたであろう原稿があった。
そには・・・一番寂しいのは吾郎ちゃんよ・・・と、あった。
東亜子も私も肉親に恵まれなかったのだ。吾郎もまたそうなのだ。
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