死ぬまで生きよう!

秋の夜長は、長文ブログでも読んで・・・

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

ハネケンの愛称で親しまれていた作曲家、編曲家、ピアニストである羽田健太郎が逝って丁度2週間になる。高校から大学と一貫してクラシック畑を邁進し、第39回(1970年)日本音楽コンクール第3位の肩書きもあった。しかし、大学卒業と同時にスタジオ・ミュージシャンという現実的な生き方を選択した勇敢な男である。。クラシックで鍛えたタッチに譜読みの利、jazzから歌謡曲、司会、MCまでこなす才能あるオールラウンド・プレーヤーだった。

当時のサラリーマンの一ヶ月分の給料を2日で稼ぐ売れっ子だったようで、もう金はいらないから休みたいと悲鳴を上げるほど多忙だったらしい。彼の長年の師であった桐朋学園大教授有賀和子氏には何の相談もせず、クラシックから道を外れたことで、暗黙破門同然となっていたようだ。そうなるであろうことはむろん羽田自身承知の上の離反である。

その有賀氏、羽田の通夜でマスコミの取材を受け、「破門した覚えはない。」と語っていたが、道を外れた事よりも、進路を師に相談なく独断で決めただけでも、破門同然の扱いになる狭い社会である。有賀氏の言葉は、こんにち羽田が有名になった後だから云えることと感じた。

羽田は有賀門下でも特別の優等生だった。大学のピアノ科を首席で卒業、卒業試験でも最高点を取り、桐朋音楽賞まで授与されている。弟子の功績は師にとっても自慢であり鼻が高い。それが一介のスタジオミュージシャンとあっては、師の顔を潰したも同然である。クラシック界に骨を埋める者は、jazzやpops、歌謡曲などは、見下すというと語弊があるが異端であるのは間違いない。

イメージ 3音大を出て一般企業に就職するものは少ないが、それとて本質は異端なのだ。確かにオカシイといえばそうだし、食うためには頭を下げてお給料を貰わねばならぬのも現実だ。そういえば、日本テレビ系アニメ「それいけ!アンパンマン」の主題歌を歌っているドリーミングという音大卒双子姉妹がいるが、アニメを歌うことで彼女たち、声楽の師匠より破門されたそうである。娘がピアノをやっていた事で、ある桐朋出身のピアノ教師と長々話す機会があった。その方は日本音楽コンクール入選の経歴を持つ井口門下に籍をおくT先生。話が同門の有名ピアニストのKに及んだ際、「実はKさん、破門されたのよ。異性問題で井口先生に・・・。」と切り出した。破門で驚いたというより、男女関係はご法度、との厳しい掟があった事を知り、あの時代、芸事に邁進する者に対する師弟関係の厳しさを知った。

羽田健太郎氏は、一歳の時に銀行員の父親を亡くし、住宅会社で外交員をする母親と祖父の手で育てられている。彼ほどの経歴があれば、大学卒業後、海外留学を経て数年間の履歴を積めば、大学講師から教授の道も約束されるはずだ。決して裕福とはいえず、恵まれない環境にあった羽田が、生活の糧を得んがために奔走したのは母子家庭の親の苦労を目の当たりにしたからと推察する。

羽田の境遇を考えると、学費を稼ぐ、高額なレッスン料をアルバイトで稼ぐ、そのことに師匠がいちゃもんをつける問題ではなかろう。国が芸術家の面倒をみる社会主義国家ではないのだから。それとも、この国ではクラシック音楽は金満家庭のたしなみ、あるいは教養であって、貧乏人が首を突っ込むところではないというなら別だろう。昔はあったが、見込みのある弟子には金を取らぬ師が、今どきのご時世でいるのかどうか?

卒業と同時に羽田は金を稼ぐ手段を講じた。それは彼自身の考えで決めたことであり、師匠の顔を潰すといっても、食う為の手段である。と、それくらい毅然とした態度を取れる人間だから可能だった選択である。彼自身もプライドを捨て去っているわけだ。落語界、相撲界など師弟制度が幅をきかせる社会では、師匠といえば親以上の力をもつようだ。

先般、立川談志門下で起こった大量破門騒動は、上納金を払えなかった事が起因だそうだ。師匠に上納金制度があるとは驚いたが、○○一門とか、流派を重んじる、いかにも封建的な日本の制度である。友人が茶器店を営んでいるが、年に数回は京都の家元宅まで上納金(名目は違うが)を挨拶代わりに持参するといっていた。

イメージ 2彼がいうに、家元というだけでもう神のような存在だという。声をかけてもらうだけでも有難いそうだ。権威を重んじる社会においては当たり前のことらしい。家元ともなると言葉使いも敬語以上の気構えがいる。そうとう気を使うらしい。だけど敬語以上の言葉って一体なんだろう。ま〜、権威社会である以上、権威が失われれば敬語も必要ない。父親の権威が地に落ち、失墜しているこんにちである。

父親に敬語など使う子がいるのか?会社においても社長用と係長用では敬語の質も変わる。敬語とは何か?その意味をつきつめるとこれがなかなか面白い。敬語とは、相手のステータスとこちらのステータスを正確にわきまえた言葉使いということ。「雅子様、愛子様」だれが決めたかその様に呼ぶ。

杉さまといえば、遠山の金さん。最近は韓国人をヨンさまなどという。何気に使ってはいるが、よくよく敬語とは、差別用語に類する言葉のようだ。だから敬語が使えない奴は、家内に頂点として尊敬並びに存在するものがいなかったのだろう。今の若者が敬語を使えない原因はこれに尽きる。

イメージ 4会社内はともかくとして、お客相手、得意先相手にも敬語が使えないような社員も困ったものだが、家庭で教育されていない、学校で教育されていないことは、企業が金を使ってやるしかないだろう。入社試験の面接などをやるとすぐにわかることだが、言葉使いの良し悪しというのは、その人間の育ちに比例している。いくら即席で良い言葉使いを練習しても、付け焼刃なんてのは、すぐにわかるのだ。育ちがいいというのは、平たく云えば躾をされている、ということだ。親が女子の言葉使いに厳しいことも躾である。うるさい親と思いつつも、間違いなく本人の財産になる。これだけは是非とも親に知っておいて欲しい。育ちの悪い子(躾をされていない子)は、取り返しのつかない不作である。

閉じる コメント(7)

顔アイコン

敬語はとても難しいですね。
私も話した後で、間違いに気付くことが良くあります。
ただ、いつも思うのが「思いやりをもって話そう」です。
相手の気持ちを思いやれない人が増えてきたせいか、言葉遣いがぶっきらぼうになっていると思うのです。
教育の基礎である家庭の崩壊が、顕著に現れているのかもしれませんね。 削除

2007/6/16(土) 午後 0:47 [ やまと ] 返信する

顔アイコン

相手に思いやりを持って接する(話す)のは、単に敬語を使う以上に大事な事だと思います。それは、「敬意」と「敬愛」の違いでも明らかで、「敬愛」の方がより深い感情です。敬や愛は強制して得れるものではありません。自発的に生まれるものですから、親に対する言葉が汚いのは、親が子に愛情がない証でしょう。親が愛してやまないのは、その子の技能や学力ではないでしょうか。

2007/6/16(土) 午後 1:56 [ hanshirou ] 返信する

顔アイコン

親が子に愛情のない証。一理あるのでしょうね。
中流家庭意識が強まり、誰でも大学へと進学する昨今。
子供のためと言いながらの「お受験」は、親の自己満足に過ぎないと常々思っていました。知らず知らずながらも、自分を飾る装飾品の様に子供を扱っているのでしょう。気が付かないというのは恐ろしいことですね。 削除

2007/6/16(土) 午後 5:08 [ やまと ] 返信する

私の先生も桐朋の井口門下で、当時のお話はいろいろと聴きますが、男女関係がご法度とは知りませんでした〜。言葉使いって大切ですよね。。今は親の立場になり、子供に小言を言うようになりましたが、それって自分も親に言われていたことだなって思います。

2007/9/29(土) 午後 10:23 あいこ 返信する

顔アイコン

芸事を全うする為にストイックになるのは一つの考え方でしょう。しかし、愛や恋、燃え盛る情熱をを禁止して音楽の振幅を広げられるでしょうか?突っ込んで考察すれば判ることです。でも、「何でもダメ!」そういう時代だったんでしょう。子育ても、自由にさせて責任を取らせる教育が良いと自分は思います。何でも禁止はよくありません。

2007/9/30(日) 午前 9:05 [ hanshirou ] 返信する

顔アイコン

はじめまして。訪問&コメントさせて頂きます。

今日初めて読ませて頂いたのですが、話が色々な方向になってて
興味深く読ませて頂きました。
音楽の話から、最後には言葉の話ですからね・・・。
実に面白いと思いました。

「躾」というのは本当に難しいと感じました。
私の家はいまだに、和、中心の家ですが実社会では洋の社会になりつつありますから。
生活は和室のしつけで、実社会のために椅子のしつけもしないと
いけないわけで、子供は混乱するんだろうな・・・と、強く感じました。
これからもよらせて頂きたいと思います。

2008/12/2(火) 午前 9:33 [ blog ] 返信する

顔アイコン

こちらこそ、始めまして。
旧世代の人間なので、現代にマッチしない発言は多だあろうかと思います。ただ、自分が気をつけているのは、「昔のことを基準に物事を考えないこと」ですが、気をつけてはいても育った時代、環境は大きいことを思い知らされます。しかし、今も、昔もない猊疂彭爐併柄については声を荒げております。たとえ現代人が「それは昔の考えだよ!」と一蹴するようなことでも、それが普遍性であると信じられるなら断固反論いたします。躾は難しいですが、「子の自立」との根が教育の本質だと考えております。現役バリバリのママには、是非とも頑張ってもらわねば。爺はそんなこんなブログを書きながら、間接的に応援しております。

2008/12/2(火) 午後 0:38 [ hanshirou ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事