「ポータブルタンドールプロジェクト」<タンドールをめぐる冒険>
ついに宿願が達成されます。
「ポータブルタンドールプロジェクト」が、インドに上陸、です。
インドでのタンドールの取材。
こんなに焦がれた事は、人生ではそう多くない体験です。
いや、焦がれた、というより漠然とした夢、の方が正解かもしれません。
実現するなぞ思ってもみなかった。
数々の条件や諸準備がすべて同じ方向を向いて、ついに一点に結実した、そういう感があります。
そう、何もかもの条件が偶然にもこの日一日に凝縮され、素晴らしい体験を得られました。
感謝、何に、ではなく、とにかく何もかもに感謝を捧げたい、心からそう思いました。
インド到着の翌日。
きのうは夜の便での到着だったので、まだ「インドをみた」感は大きくありませんでした。
さておでかけ、今日は昼間の日差しの中、インドをたくさんみよう。
今日これからはこの旅行の一番大きな目的でもある、「タンドールショップの取材」の日。
気が引き締まります。
さっそくオートリクシャーを拾って街に出ました。
前にも書きましたが、気分のいい乗り物です。
危険も大きい、鼻の穴の中は真っ黒になる、シートは狭い、気をつけないとボラれる、そういう事を差っ引いても、ボクはこの乗り物がすき。
まだ動き始めたばかりの街は(インドの朝は遅い、のです)渋滞もなく、ボクらの乗ったオートリクシャーは楽々と目的地に向かって走ってゆきます。
途中でオートを降り、道ばたでコックさんを待ちます。
今回、友人がボスを務めるの鎌倉インドレストランのコックさんが休暇でデリーに帰っていました。
彼女がコックさんに頼んでくれて、彼の知っているタンドールショップへの取材が実現しました。
大変にうれしい展開です。
今回のインド旅行はこのためにセッティングされたと言っても過言ではない、そういう大事な日が、今日なんです。
ほどなくコックさんが彼の奥様(日本でお会いしています。レストランでホールを担当)とむすめさん(初めてお会いします。かわいい!現代的なおんなのこ)もいっしょに連れてクルマで迎えにきてくれました。
日本で仲良くしてもらっている彼ら家族と彼らの母国、インドでの再会、という大変面白いシチュエーションの中、クルマは一路タンドールショップへ。
オートショップ(自動車修理工場)や建材屋等が並ぶマーケットの一角に、そのお店はありました。
店頭にはドラム缶タイプのタンドールがたくさん並んでいます。
ついに、インドのタンドールショップまで来てしまいました。
この興奮や感激、どう伝えられるでしょうか。
10代の終わりから始まったインドカレーへの興味。
20代になって、ただもう好きだから、という情熱でいろいろなインド料理店の食べ歩きを続け、30代になってエスニック全般に興味が広がって。
それについての文章を書いてみよう、と思い立って。
そして40代。
思い叶ってついに本国インドのタンドールを売るお店の前に立っている。
買おうと思えばいまここで、声を掛けて、財布を開けばインドで自分のタンドールが買えてしまうという事実。
少し、呆然としてしまいました。
なかなかこんな楽しい人生はないのじゃないかなあ。
想いがあれば辿り着くのだ、と、強くそう思いました。
店の外にも中にも、数多くのタンドールが並びます。
ドラム缶タイプのものが、この店の場合は主流となっているようです。
角形の、日本でよく見る半据え置きタイプもありました。
ここのタンドールの商品セレクトは大別して2種、扱いがあります。
ひとつはドラム缶タイプのもの。
これらには外側にハンドルが2〜3本ついて、可搬時等に多少の利便性を求めたものが主流です。
いくつかサイズがあるようでした。
いわゆる規格品のドラム缶を使った、汎用のものは1〜2種。
それ以外のものはシェルをオリジナルで製作してアッセンブリするようです。
四角い、日本のインド料理店でよく見かけるタイプのシェルのものもありました。
壷型、と便宜上いつも言っていますが、本来は土で出来た、上がすぼまった円筒、釣り鐘型の円筒、という表現が正しいと思います。
ケースに入れない裸のタンドールはまさにスリーブ(筒)なわけでして。
例えばドラム缶型タンドールの場合。
ドラム缶の底部に、耐火煉瓦等を敷き詰めベースを作ります。
その上にタンドール、釣り鐘型の土の筒をセット。
位置決めを慎重に行い、位置が決まったらドラム缶(シェル)とタンドール(土釜部分。スリーブ)のあいだに出来たスキマに、グラスウール等の断熱材を隙間なく詰め込み、スリーブをがっちりと固定。
ぎっちりとつめ終わってから上部のフタを取り付けます。
そういう作りになっています。
それ以外にもう1種。
いわゆる本当のタンドール。
「土釜」そのもの、むき出しの土で形を作った壷型のもの、ズバリそれ。
シェルに入れて断熱処理、という形をとっていないものも、販売されています。
それはいわゆる作り付けタイプのタンドール。
店舗の厨房に直接場所を作り、組み付けるタイプのものです。
先ほどのスリーブに入れないで、店のキッチンの土間に直接、耐火煉瓦を敷いて場所を作ります。
その上に裸のタンドールを乗せて位置固定。
周りにレンガや土などを盛ってゆき、それを断熱層として使うというもの。
日本のインドレストランで使うもののようにステンやスチールで四角い枠なぞ作りません。
思い出すのは日本でも田舎で使われていた、薪や炭をくべて使う、土釜。
「となりのトトロ」にも出てきた日本の古い民家に残るかまど。
あれを思い出すとわかりやすいかもしれません。
土間の炊事場にあって、大きな鉄のごはん炊きの窯があって、下から竹筒で息を吹き込むやつ。
あんな風に土なんかを寄せてタンドール本体を包み込んで作る感じです。
その2つが主要な取り扱い品目です。
他にも屋台で使うためのバーベキューオーブンなども作っているようです。
オーナからいろいろな話を聞くことが出来ました。
大変に意義深い取材がたくさん出来ました。
すこし残念だったのは、そこがショップであり、ファクトリーではなかった事。
始めはドラム缶のシェルにセットされたものと土釜のみのものがあったので、アッセンブリをそこでやっているのかと思ったのですが、どちらも完成品、製品だという事で残念ながら、工房拝見、にはならなかったのです。
でも、いろいろと疑問だった事がわかった事があって大収穫と言えます。
一例ですが、人毛伝説、ウマのしっぽ伝説も真実を知ることが出来ました。
噂で曰く、
「タンドールの土にはウマの尻尾を混ぜて焼いてある」
「人毛を使う地方もある」
「焼くと毛が焼け落ちて微細な多孔質になり、性能アップにつながる」
「それが目的で毛を混ぜる」
等々。
真実は、
「ウマの尻尾では生産量に対応できない。牛やヤギ等の家畜の毛、が正解」
「焼け落ちて多孔質にする、は別件」
「そもそもタンドールは焼き上げるものではなく、土で成形し、乾燥したもの」
「その際に強度を増すため土の「つなぎ」として動物質の毛を混ぜる」
「だから「強度」、という点で草を混ぜるという話は不正解」
「断熱性能、保温性能をあげる方法は他に施してある加工がある(社外秘)」
うーん、とても面白い。
現地で直接ファクトリーも管理しているオーナーから聞いた話です。
この地にこなければ、きちんと人脈をたぐって話をせねば分からなかった話でした。
やはり足と目と耳、です。
感激しました。
インドでのタンドールの扱いや、それが何たるか。
説明を受ける部分、目の前で行われる部分、両方から知識がうなりをあげて自分の頭に入ってきます。
なかなか体験できる事ではないと思います。
出荷と、その直前に行われる仕上げ作業も見ることが出来ました。
大変に興味深い。
チャイをごちそうになりながら、いろいろなお話を伺うことができたんです。
インドの商習慣で、お店で商談をしたりする時は近所のチャイ屋からチャイをとって振るまってくれるのだそうです。
取材、のボクたちにも寛容なここのボスはチャイをごちそうしてくれました。
テーブルにしてあるのもタンドールの裸の窯にポンっと板を渡してくれて、その即席のテーブル上で。
何ともはや、粋な感じです。
アルミホイルでフタをされたチャイをみんなで手に取って、談笑します、、、、
って、ちょっとまって!
この低いテーブル。
これ、なんだよ?これってタンドールでしょ?このちいさいの!!
だって、そうでしょう?そうでしょう?そうだろう??!!
乱暴に振り向いてきょろきょろと店の中を見回すと、、、
出会ってしまったこの1台!
ああ、インドにも、本国にも、このサイズがあったのか!
ついに源流にたどり着いてしまった。
日本で小さなタンドール、というのを夢想していたボクが、彼の地、本国で、実在するわけがない、夢であろうと思っていたこのサイズのタンドールに、出会ってしまった、、、
なんという事だ、、、
本物の、インド製の、ポータブルタンドール、、、
そして、この「タンドールをめぐる冒険」はまだまだ続くのです。
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