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飲食業に従事するものなら、業種業態を問わず、お客を満足させるための「接客テクニック」を身につけているはずである。
何しろ、お客の満足度が店の繁盛を左右する事になるからである。
イタリア人や中国人は、日本人の比ではない接客技術を持っている。しかし、両者のサービスの狙いは、全く異なるものと考えて良い。イタリアン・サービスは、ホスピタリティースタイル(心を癒す)だが、チャイニーズ・サービスは、マネジメントスタイル(経営管理優先)である。
ここでは、中国料理店のある出来事を紹介しよう。
銀座の上海料理店で修業していた私は、ホールで接客サービスの仕事に就いていた。この店は
芸能人や中国人のお客が多く、料理では有名な店だったため、特に接客には厳しく、お客様からのクレームは、全てが店の誤り、従業員のミスと教育されていた。
そんなある日、あるお客様からクレームがあった。私は客席へ飛んで行って誤ろうとしたが、すでに中国人のオーナーシェフが対応していた。テーブルを見ると、フカヒレスープの中に、ハエが羽をバタつかせているという最悪な状況だった。
私は、お客様に丁寧に謝り、料理を作り直すことで許していただこうと考えていた。しかし、社長が突然「お客さん!これ虫違うアルヨ、これ料理造るとき入る鍋の炭アルネ、しょうがないな〜」と、言って動いているスープ皿のハエをつまんで自分の口へ入れてしまったのである。そして、「お客さん、申し訳ないアルネ〜、すぐに作り直すね、チョッと待っててね」。
そう言って、自分で皿を下げてしまったのだ。
お客さんはもちろんだが、私はあっけにとられた事を言うまでもない。この後、社長は新しい料理をお客様に届け、調理場でうがいをしていた。後にこのことを社長に尋ねると、「お客様、商売ネ」と言う一言だった。
この行動は別にしても、私は「お客様のために!」を実践するために身体を張る中国の料理人魂に感動し、学ばせてもらった。
ハエを食べる事は私にはできないが、この信念だけは現在でも持ち続けている。
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こあら元気です。
始めまして。こういう中国人のオーナーシェフがいるのですか。
華僑のかたでしょうか。このお店の現在・将来を応援したくなる、エピソードです、
紹介ありがとうございます。
2013/12/14(土) 午後 11:15