野仲イサオ 煮石記

ミンミンと 鳴く蝉の声 夢心地

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あきらめ

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え〜お寒うございますな。

経済のほうはどうやら100年前の世界大恐慌か、それを超えるほどの恐慌になりそうな勢いだそうでしてな。

大学生の頃、スタインベックの「怒りの葡萄」なんか読みまして「こら大変だ〜こんな時代に生まれなくてよかった〜」なんて思ってましたら、どうやらその真っ只中に中年後期を過ごす羽目になったようであります。

中年後期といいますと、この「怒りの葡萄」の主人公トムのお父さんと同年代でしてな。

トムは理不尽な世の中に対して怒りを覚え「畜生今に見ていろ。今にきっと俺たちが堂々と胸をはって生きられる世の中にしてやる!そのためには世の中の藻屑と消えようが、戦い抜くぞ!」と決心しますが、お父さんは「しょうがない。長いものには巻かれろだ」という諦観した面持ちでありました。

しかし人間、あきらめてしまえばそれまでであります。心理学者もおっしゃいいます。「あきらめるということは、自分にある限りない可能性を自ら放棄してしまうことだ。できることも、できないと思った瞬間できなくなってしまう」と。

まさにそのことを今日思い知りました。

私の歯と歯の間はきっちり隣り合ってましてアリの這い出る隙間もありません。

歯茎の根元の三角地帯はやっとのことで歯間ブラシが入りますが、糸ようじはとてもじゃないが入りませんでした。

今日歯医者さんで「二サオさん、どんなに磨いても、糸ようじで歯と歯の間を掃除しませんと、歯垢は残りますよ」

「ええ、そりゃあもう十分承知で。しかしね、私の歯と歯はきっちりくっついてまして、とてもじゃないが糸は入らないんでございますよ」

「そうですか?」というなり歯医者さんはぶっとい糸を取り出すじゃありませんか。

「そ、そんなぶっとい。だ、駄目ですよ〜」それでも歯医者さんは糸をグイグイ入れ込むじゃありませんか。すると

スルッ。「あれ?」糸はスルッと歯間を通過。

「入りましたね〜」

いやあビックリ。人間あきらめはいけません。つくづく感じいった次第でありました。

写真は「あきらめないぞ」と鏡に向かって自分に言い聞かせておる私であります。


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