野仲イサオ 煮石記

ミンミンと 鳴く蝉の声 夢心地

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春の珍事

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 え〜春爛漫でございます。どちらを見ても満開の桜でいっぱいなんですから。みなさんはもう花見の宴は、すませなさったんでしょうか。

私はといいますと・・・・考えてみれば、花見ってえのは、もう何年もやっておりませんな。

お誘いは受けておったのですが、ちょうど行けなかったりしまして。花の命は短いもので、その時を逃すと、もうだめ。

いいもんでしょうなあ。暖かい日差しを浴びて「ここは桃源郷か?」と見まごうばかりの満開の花の下で酒を飲むのは。

しかし春とはいえ、まだまだ屋外は寒いですからなあ。飲んでるうちにガタガタ震えがきたりしまして。私にとって花見とは、寒いってイメージが半分以上を占めてております。

ですから、こういった時に暖かい屋内で聞くジャズの音色ってえのもね、こりゃまたおつなもんであります。

締め切った部屋の中にも、不思議と春の息吹きは入り込んでいるものでしてね、聞きながら、リラックスして、ついウトウトと春眠をむさぼりたくなるのです。

といったところで恒例の老人ホームでのコンサート。

私はだいたい着くなり、会場のカフェテリアで日替わり定食をたのみます。腹が減っては戦はできぬってことでありまして。

お年を召した方が安心して食べられるよう、比較的柔らかめな定食を食べながら、一時間後の出番の緊張を、モグモグと解きほどくわけなんですな。

食事が終わりまして、お茶をすすっておりますと先生が楽屋から出てまいります。楽屋は一つしかありませんので、唯一の男性である私は入れないのです。

「おはようございます」

「おはようございます。あのね、二サオさん今日の司会はあなたがやってね」

「えーーー!!!」

「じゃあ急いで打ち合わせするから楽屋に来て」

いやだ!いやだ!なんて言ってられません。恥ずかしい〜〜〜!なんて言ってられません。やったことがないってえのも、向いてませんってえのも駄目。とにかく先へ進まなきゃならないんですから。ショーマストゴーオン!であります。

五分程度の打ち合わせをしまして、さあ本番!

「皆様長らくのお待たせでありました。私今日の司会を勤めさせていただきした・・・いや、いただく、・・・ヘンリー野仲であります。どうぞ、よろしゅうのほど、おたのもうしまして、ましました。いや、おたのもうします。それでは一曲目は、ジュン葉山さんの・・・・ジュン葉山さんの(必死になってポケットをまさぐりメモを探すが・・・見つからない。あきらめて)なんでしたっけ?(汗)」

さあ〜て、史上最高の迷司会の始まり始まり〜

写真はうちの近所の桜。住宅街なもんで、だ〜れも花見はしておりません。







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