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医療器機の見積もりを取っている頃、一つ大きな問題が生じた。
夫との間に診療に関する大きな温度差が生じ始めたのである。
夫は総合病院でやっている診療のスタイルを変えようとしていない。
つまり、総合病院なみの医療をやろうと考えているのだ。
私は詳しいことはわからないが、「開業医でそこまでやるものなの?」という疑問がたくさんわいた。
たとえばトレッドミル検査。
心臓の疾患を持っている人に負荷をかけるのだそうだ。
ますます具合悪くなったらどうするの?
病院だったら入院設備もあるけれど、入院設備のない開業医で対応できるの?
(トレッドミル検査を行っている先生方ごめんなさい。
いろいろな治療や予防に役立つらしいですが、素人から見れば素朴な疑問だったもので)
また、CT検査装置やMRI。血管撮影装置。
科にもよるでしょうが、1人しか院長のいない我家の個人診療所でも必要なの?
(CTやMRIを入れていらっしゃる先生方ごめんなさい。)
夫は「どういう患者さんが来るかわからないので。できるだけ対応できるようにしないと」と言う。
私には本当に?????なのである。
「あなたの医師としての信条や理想はわかる。でも、お金ないねん」
医師ではない私が、これから院長になる主人に言える言葉ではなく、何度もぐっと飲み込んだ。
ちなみに、主人も私も浪費家ではない。主人は奨学金を受けて医師になった。
結婚してからもその返済をしていった。「ゼロからのスタート」ではなく「マイナスからのスタート」だったのである。
いつか開業するかもしれない、という漠然とした思いはあったため、できる限りの貯金もしていた。
しかし、「自己資金」というにはあまりにも少ない貯金しかできていなかった。
結局診療に関しては私は何も言えない、わからないので夫の判断に任せたのだが、今となっては結局は使っていない器械も多い。(リース代だけは払っている)
この次のリース満了が来たら終了しようと思うのだが、器械一式でリースを組んでしまったために
その器械1つだけリースを終了することが難しいらしい。
その辺はリースを組むときに確認しておいたほうがいい。
そんなわけで開業に携わる妻となってしまった。
お陰で変に詳しくなってしまい、このようなブログを書くに至ったのである(笑)
そうそう、それから医師会や近隣の医師へのご挨拶も忘れずに
詳しくは2007年10月21日のブログをどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/harenihiamenohi/5673578.html
後日談
その後、全国でも指折りの開業医を見学させていただく機会に恵まれた。
医院に入ってびっくりした。なんと、素人の私から見てもわかるほどの古い型の医療器機を使っていたのである。レントゲンもしかり。
奥様にそっと聞いてみるとと「あ、これ、前に勤務していた病院からもらってきたの。新しいのを入れるからいらないって言うから、じゃあ、ちょうだいって。お金なかったし。古くても十分役割果たしているもの。古い方が故障少ないし。」さすがにこれには主人も目がテンになっていた。
ちなみにその医院は今でも全国各地から患者さんがひっきりなしに訪れている。(今は新しい器械に変えたそうだ)
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おはようございます。
私も現在準備中の医院に当初はトレッドミル検査入れるつもりでした、他にも院内血液検査は入れなくてもよいだろうか、理学療法機器は入れなくてもよいだろうかとついつい考えてしまいます。
私も奨学金で医学部を卒業しましたので、お金は全くありません。
まずは本当に必要なものをきちんと判断しようと考えています。
2008/2/11(月) 午前 9:26 [ 櫻 ]
櫻さん、コメントありがとうございます。お忙しころでしょうね。
トレッドミルや理学療法機器を入れるかは、櫻さんの診療の科にもよりますし、どれくらい自己資金と融資が受けることができるかにもよると思います。
開業医レベルでは血液検査はほとんどが外注にしているように思います。
戸建開業であるならば、理学療法のスペースは確保して、器械を入れるのは後でもいいかもしれませんね。
なぜなら、明日かあさってに書こうかと思っていますが、開院当初から50人来院しないとペイできないというより、20人来ればやっていけるというほうが気持ちの余裕も違いますし、患者数にとらわれることなく良い医療をすることができるからです。それには、最初からあまり飛ばさない方がいいですよ。
櫻さんの診療スタイルでリピーターを増やすことが先決ではないでしょうか?トレッドミルはそれからでもいいのではないでしょうか?
生意気なことを書いてしまってごめんなさい。
2008/2/11(月) 午前 9:49
アドバイスありがとうございます。
いつも大変ためになっています、またあわただしく迷うことばかりの開業準備中にとても心強く思っています。
予算もないのについあれも、これもと考えてしまいます。
何をとり、何を削るか・・医療機器に限らず様々な場面で必要となる院長としての判断ができるようにしていきたいと思います。
2008/2/11(月) 午前 10:32 [ 櫻 ]
最後の医院の話は、目か鱗でした。
医師は、最初から何でも揃えようとするんですよね。
必要なものは、間取り(余分な空間)だけでした。
2008/2/11(月) 午前 11:02
瑞山さん、コメントありがとうございます。
医師があれこれそろえようとするのは「不安の裏返し」だと思います。「あれもないと、これもないと・・・」と。だから、器械屋さんから「これだけあれば大丈夫!」と言われれば、言われた通りにすれば安心になるのではないでしょうか。
そんな不安は、開院初日来院数5人、二日目3人、3日目ゼロ
明日からやっていけるんか?という不安に比べれば小さな不安に過ぎないというのが後からわかりました。
瑞山さんのおっしゃるように、間取り(余分な空間)は必要ですね。なんだか物が増えています。特に、今から開業の方々は電子カルテを導入されると思いますが、私のところは紙のカルテなので、カルテやフィルム置き場に困っています(;;)
2008/2/11(月) 午前 11:14
医療法の改正で、医療安全に関わることも病院並みに行わなければいけませんよね。資料とか、研修室とか場所に困ります。
今後も、紙の資料が減ることは少ないように思います。
2008/2/11(月) 午後 3:03