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うっかり観逃しそうだったが、アッバス・キアロスタミ監督の新作を観ることができた。
イランのキアロスタミ監督がイタリアで撮った、フランス資本の新作である。
ヨーロッパでの評価が極めて高いキアロスタミなので、ヨーロッパに呼ばれることもあるかーと頭では納得したが、正直なところイラン映画としての新作が観たかったなぁ。
とは言いながらも、この新作もキアロスタミの個性全開の秀作であった。
これはもう純文学ならぬ純映画と言ってもいいような凄みがあって、もっともっと話題になってしかるべき作品だと思う。
ストーリーが面白いかどうかとか、見せ方がどうかとか、そんな次元の評価をするひとがいたら軽蔑してしまうほどの映画である。
いや、確かにストーリーも面白い。
二人の男女が、トスカーナの小さな村を巡りながら会話をする様子を、ずっと追い続けるだけなのだが、その会話が虚虚実実で実にスリリング。
そして、見せ方も素晴らしいのは確かである。
「友だちのうちはどこ?」「そして人生はつづく」「オリーブの林をぬけて」のキアロスタミだから、固定カメラによる長回しの圧倒的なカメラワークは今回も印象的であって、そうした見せ方こそが「キアロスタミ印」なのだが、それが作品の中で目立って突き抜けていないところが凄いのである。
現代に活躍する世界中の映画監督の中で真に天才といえる監督は、エリック・ロメールを亡くして以降、キアロスタミとアンゲロプロスくらいしかいないような気がする。
同時代人として、彼らの映画を観られる幸福を反芻する昨今である。
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お久しぶりです♪ このスリリングなドキドキ感はあまりに映画的な興奮で、新鮮でたまらない。ストーリーがどうというより「映画」そのものなんですね。TBさせてくださいね。
2011/11/19(土) 午後 11:35
お久しぶりです。キアロスタミ作品はみな、映画でしか味わえない興奮・感動に満ちていますよね。新作はいつかなー。
2011/11/25(金) 午前 0:11