日日平安録

頑張りすぎないかわりに、決して諦めない。

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孫文の義士団

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「孫文の義士団」☆☆☆
 
中国近代史と香港アクションを結び付けた大作。
「抗日運動」はよく映画の題材にされてきたが、こちらはなかなか珍しい題材ではないかな。
 
辛亥革命前夜、日本に滞在していた孫文が、大陸の革命分子と相談するため香港にやって来る。
それを察知した中国政府による孫文暗殺計画と、孫文を守るために集められた義士団の男たちの争闘が描かれる。
 
というわけで、大の男たちの血がたぎるような、男泣きを誘う「義」の物語。
まぁ、アクションシーンがいつもの香港映画通りなんで、派手でありえないアクションのつるべ打ちでつい苦笑してしまうので相殺かなぁ。
それより、アクションシーンがほとんどバストショットで全身が映らないので、どんな戦いしているのか分からない
ことが多いのは大きな減点であると思う。
20世紀初頭の香港の街並みを再現したセットが素晴らしいだけに、延々続くクライマックスの連続アクションが散漫で分かりづらいのは致命的である。
何故か、きっちりと全身のアクションを見せるジャッキー・チェンの凄さを再確認してしまった。
 
ここで、詳しいひとに質問。
一番のクライマックスシーンのあれは、「戦艦ポチョムキン」の真似、というか引用ですか?
 
個人的な感想を一つ。
ドニー・イェンって、地味だよねー。

受取人不明

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「受取人不明」☆☆☆

1970年代、米軍基地のある田舎町に、三人の若者が暮らしていた。
混血児のチャングクは、町はずれに捨てられた壊れたバスに母と二人で暮らしている。
チャングクは暴力的な犬の屠殺業者の元で働いているが、その男は母の愛人でもある。
ジフムはおとなしく真面目な青年であるが、そのせいで町の不良たちに絡まれては給料をカツアゲされている。
また彼は同級生だった少女ウノクにほのかな恋心を抱いている。
そのウノクは幼い頃の事故で片目の視力を失ってしまい他人にも心を閉ざし気味であるが、言い寄ってきた米兵による「米軍基地で目の手術ができる」との誘いにつられ、身体を預けてしまう。

そんな彼らと彼らの周囲の人々を描く群像劇が本作である。
私がこれまで観てきたキム・ギドク作品とは異なる、リアリズムを基調とした映画である。
三人の若者を中心に据えている点では青春映画なのだが、それだけではなく彼らの周囲に描かれる人々が実に丁寧に描き出されている。
チャングクの母親は、故郷に帰ってしまったチャングクの父親である米兵に、年中手紙を送り続けている。
それがいつも<受取人不明>の手紙として戻って来るので、精神不安定になっている。
ジフムの父親は、かつて自分が出征した朝鮮戦争の功労賞がほしくて、しょっちゅう政府に打診をしている。
その他、家族をはじめとした多くの人々の行動や思いが交錯し、幾つもの悲劇を引き起こしていくことになる。
つまりほとんどの登場人物が関わってくるので、やはり本作はある田舎町の群像劇と捉えるのが正しいと思う。

後で知ったことだが、この作品に出てくるエピソードの80%は実際にあったことを基にしているのだという。
米軍基地を持つアジアの国というと、日本も同様であり、しばしば沖縄駐留米軍にまつわる悲劇的な事件・事故を眼にし耳にする。
だから本作を観ながら、日本に置き換えられる話でもあるなぁと思った。

それはさておき、キム・ギドクにしては珍しく徹底したリアリズム映画であった。
そこにはギドク作品特有の寓話性は見られないので一見ギドク映画らしくないのだが、激しい情念に溢れている点は彼らしいと言えるかもしれない。
どこまでも悲劇的で、観ていてひどく気分が落ち込む映画ではあるが、見応えのある人間ドラマであった。

うつせみ

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「うつせみ」☆☆☆

留守宅に侵入しては一晩宿泊をするという行為を繰り返し、転々と放浪生活を続ける青年テソク。
ある時、いつものように空き家だと思って忍び込んだ豪邸には、暴力的な夫によって監禁状態にあったソナという女性が居るのだった。
夫に虐げられたソナの悲惨な結婚生活を目の当たりにしたテソクは、彼女を屋敷から連れ出してしまう。
そして、二人で留守宅を転々とするようになるのだった。

第61回(2004年)ヴェネチア国際映画祭で、監督賞ほか全4部門を受賞した作品だそうである。
キム・ギドク監督の描く愛の物語はいつも刺激に満ちており、そのうえ斬新で面白い寓話である。
本作も実に風変わりな物語であり、批判的に観るつもりならば、最初から最後まで突っ込みが入るような、ある意味「トンデモ」映画であると思う。
登場人物はひとりひとりみなエキセントリックか変わり者だし、彼らの行動は奇矯すぎて想像を絶する。
特に後半、テソクの入牢しているシークエンスとその結果としてのラストシーンは、正直に言って笑ってしまった(苦笑)。
それでも本作は非常にユニークかつ面白い作品で、キム・ギドク以外誰も作れない個性的な映画であり、個人的には大層気に入っている映画であることを言っておく。

実は、テソクの行なう留守宅侵入の手口など、ちょっとだけ「真似してみたい」と思ってしまった。

絶対の愛

「絶対の愛」☆☆☆

気付くとすっかりキム・ギドクの映画は無視できなくなっていた。
コンスタントに日本でもロードショー公開がされるので、その度に映画館に足を運ぶようになっていた。
韓国映画は全体的にエキセントリックな作品が多いと思うのだが、その中でも特にギドク作品はエキセントリックである。
その究極がこの「絶対の愛」ではないかと思う。

セヒは、交際している男性ジウを深く愛しているが、彼に飽きられてしまうことをひどく不安に思っている。
そして、ついに顔を整形する事を決意したセヒは、何も言わずにジウの前から姿を消してしまう。
突然消えたセヒを忘れられぬジウは、ほかの女性と付き合おうとするのだがうまくいかない。
半年後、以前セヒとよく行った喫茶店で魅力的なウェイトレスのスェヒに出会う。
次第にジウは彼女に惹かれていき、付き合い始めるのだが・・・。

恋人の心を試し、自分のものとして独占したいがために、全く違う女性の顔に整形手術をしてしまうセヒという女性は、強烈すぎる。
彼女の言動があまりにも極端すぎるので、それが却って現実味を欠如させており、作品自体にしっかりとした寓話性を与えているところが凄い。
作品としてはギドク作品特有のリアリズムで描かれるので極めて説得力もあって、「ありえない・・・」と思いつつも物語に惹きこまれていってしまう。

特にうまいと思ったのは、オープニングとラストをリンクさせた円還構造として作られている点であった。
オープニングでは、顔を包帯で覆った女性が整形外科医院から出てきたところにセヒがぶつかってしまう。
その女性が落としていった顔写真をセヒが拾い、そのことから彼女は整形することを意識し始めるのである。
ラストで再び整形手術を行なったセヒが医院から出てきたところ、元の姿のセヒにぶつかってしまう。
そして自分が落とした顔写真をセヒが拾うところで映画は終わる。
これはセヒだけの特別な物語ではなく、誰にもあてはまる物語なのだということを暗に匂わせているわけである。

それにしても、キム・ギドクのラブ・ストーリーは凄いねぇ。
いつも辟易してしまうのだけれど、いつもどっぷり引きずり込まれてしまう。
まさに演出の力なのではないかしら。

追記 二人がいつも出かける喫茶店が重要な舞台として繰り返し登場するのだが、毎回とんでもないトラブルを起こされていて、かなり迷惑だと思う。
観ながら「これは絶対に出入り禁止になるよなぁ」と思ってしまい、途中からそればかり気になってしまった。

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「トンマッコルへようこそ」☆☆☆

劇場公開される韓国映画が多い中、観たいと思える作品はそれほど沢山ない。
それでも邦画に比べると、「いい企画だなー」と思えるような真摯な作品が目立ち、なかなか侮れない。
とはいうものの、今回はたまたま私の都合と開映時間がうまく合っていたので観ただけである。

朝鮮戦争が際中、深い山奥にあるトンマッコルという村に、三人の兵士がたどり着いた。
軍用機墜落のため助けられたアメリカ人パイロットのスミス。
脱走兵となった韓国軍の二人。
韓国軍の攻撃に会い逃げてきた人民軍の三人。
銃器どころか戦争も知らない村人たちは、彼らを温かく迎え入れる。
ところが、いがみ合う兵士たちは村の食料貯蔵庫を爆破してしまう。
そのお詫びにと村人たちの畑仕事を手伝い始めるうちに、彼らも心を通わし始める。
そんな折、突然パイロット救助のアメリカ軍兵士たちが村を急襲する・・・。

前半村の様子が幻想的なタッチで描かれていくのだが、それはあたかもユートピアのようである。
戦争という現実とユートピア幻想の対比は、分かりやすい風刺と言えよう(「トンマッコル」という村名の意味は作中で「純粋」だと説明していた)。
そんなテーマから、私はフィリップ・ド・ブロカの「まぼろしの市街戦」を思い出しながら観ていた(ブレーク・エドワーズ「地上最大の脱出作戦」も一瞬思い出した)。
ファンタジー的展開の合間に戦争の様子が挿入されていくと、観客は何やら不穏な結末を予感させられるのだが、やはり後半になると、兵士たちとともに観客も戦争の現実に引き戻されていく。
本作は、韓国映画特有の大げさで感情的な演出・演技が極力抑えられていて、却ってテーマが活きる秀作に仕上がっていたと思う。
これはオススメです。

追記 村での畑仕事の帰り道に、畑を荒らすイノシシが人々を襲う場面がある。
イノシシと逃げ惑う人々の様子をストップモーション映像を連ねて見せる。
これって間違いなく矢口史靖「スウィングガールズ」のイノシシから逃げ惑う高校生たちという名場面を意識して作っていると思う。

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