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彼はいつの日かのわたしのようである。いやいくばくか通り過ぎたかもしれない。30年前のわたしはサラリーマンをしながらセミプロ車検師を気取っていた。だが車券でどんなに稼いでも知れていることが次第にわかってくる。突き詰めれば突き詰めるほど閉塞感が押し寄せてくる。だが競輪を止めたらどうなる? それこそたかのしれた働きバチの奴隷がいるだけである。

競輪は遠く頭上を見上げた時に、あたかも芥川の小説、蜘蛛の糸のように、真っ暗な天空にうっすらとしかし確かに光る現実世界からの脱出口である。もし競輪を止めればたちどころに脱出口は視界から消えよう。天空は暗黒の闇となる。そこにいる自分はあまりにみじめで情けない、だからこそ止められない。たとえそれが幻であろうと。

わたしにとっての競輪は彼にとっての相場らしい。なぜ彼は相場を張るのか? 本当の理由は相場を止めた時の自分にある。相場を止めたらそこにいる自分はどれほどのものだろう?それを思うとたぶん堪えられまい。だが相場を張る以上なにかしらの可能性はある。長年やって大した成果がでてなくてもひょっとして明日は? そのひょっとしてがあるからこそ今の境遇で生きていられる。わたしと同じである。

さて、わたしだが、わたしは思い切って天空の脱出口を自ら閉じた。競輪は素人から見ればプロのわたしだが、所詮幻である。そこは肚をくくった。閉じてかつ現実世界も大きく舵を取った。会社を辞めて新しい職を得たのである。新しい世界は厳しくかつエキサイティングであった。そこで奮闘していて、ふと天空を見上げると、そこにいつか見たの同じような光り輝く脱出口が。これは自分がずっと待っていたリアルだと自分で確信した。それは相場であった。

彼とわたしは同質かもしれない。わたしは運と才覚に恵まれてか今の生活がある。彼が今後どうなるかは誰もわからない。運と才覚に恵まれればわたし以上になるかもしれない。もちろんならない可能性も高い。個人レベルでの幸福感は大いに違うかもしれない。だが視点を変えればそれさえどちらでも良いとも言える。生きてるということにおいては同じであるから。

ここまで書きながら、わたしはロバートデニーロ主演の映画タクシードライバーを思い出している。彼もやはり天空の脱出口を見たからこそ行動に打って出た。また坂口安吾のラムネ氏のことも同時に思い出している。たとえ失敗しようが、挑戦するものこそがこの世を変えていく。彼に運も才覚もないのかもしれない。だがやってみなければそれさえわからないのである。

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    こんばんは。彼を竹井と読み替えて、読ませて頂きました。私にとっての相場とは、ご推察の通り、蜘蛛の糸なのかもしれません。私には糸というよりエレベーターとはいかないまでもハシゴのようなイメージですが。
    希望がないと生きていけませんね、人はパンだけでは生きていけないといったところでしょうか。その希望が相場なんです。やっぱり会社勤めは辛いです。本当に嫌になったら辞められる自由が欲しいですね。相場は無限の可能性がありますから、希望のネタとしては最高です。
    ちなみに私は自分の運と才能を信じています。必ずとは言い切れませんが、高確率で相場で成功することになると思います。この高確率というのがミソで、絶対ではないんですね、だから努力できると思ってます。

    [ - ]

    2018/12/1(土) 午後 9:38

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    竹井さん、
    >相場は無限の可能性がありますから、
    >希望のネタとしては最高です。

    こう思ってしまうと終わりがなくなりますよね。つまり張るために張る。手段でなくて目的になってしまう。早く儲け終わってのんびりがいいですよ。

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    2018/12/4(火) 午前 9:03

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    コメントしていただいてありがとうございます。
    私にとって相場は、目的です。早期リタイアに向けた手段って意味合いも、少しはありますが。
    儲けてのんびりしたいっていう気持ちは、ほとんどないです。オケラになって張れなくなるか、その前に死ぬかどっちかでしょうね。

    [ 竹井 ]

    2018/12/4(火) 午後 6:40

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    なるほど、ではぜひブログでアップデートを見たいものです。

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    2018/12/4(火) 午後 8:38

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