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「おりん、今日は合唱団何時まで?」
「ん〜〜と、わからない。 予定表のシート見て!」
「午後6時から8時までか・・・じゃあ、8時に迎えに行くよ! 今夜はママがお仕事でいないから!」
「いいよ、来なくて!」
「何でだよ、8時に行くよ!」
「いいの、一人でバスに乗って帰ってこられるんだから。 パパは、ご飯でも作って待ってて!」
「・・・・」
と、いうわけで、そろそろ思春期のおりんさんは、パパが迎えに来るよりも、一人で帰って来たいのであった。
とほほ。
午前8時過ぎには議員会館に入り、執務。
金沢大学と北陸先端科学技術大学院大学の来年度予算額と内容を確認する。
運営費交付金は158億5200万円(金沢大)と54億7700万円(先端大)。
いずれも今年に比べてマイナス1%にとどまり、まずまず。
昨日、福田冨昭日本レスリング協会会長、という肩書きよりも、JOC専務理事(北京五輪選手団長)より、いただいていた質問案件を確認する。
「おい、馳! あのナショナルコーチの身分はどうなってるんだ? 今までみたいな単年度契約で謝礼金扱いでは、困るよ。 ロンドン五輪に向けて国際競技力強化しようとしたら、きちんとした処遇改善しないと、コーチのなり手がいないよ!」
「・・・あれ? その件は以前から伺っていて、財務省との交渉がまとまったはずだったんですが、えっと、どうだったかな? ちゃんと調べてお答えします!」
と、いう案件。
ナショナルコーチについては、17競技、6億800万円の予算は確保してあったはずだが、処遇改善までは詳しく確認していなかった。
さっそく、坂元譲次さんに連絡するも、つかまらず。
ならばと、瀧本さんに連絡。
留守電に要件を入れておいたら、すぐに折り返しの連絡を入れてくださった。
「競技団体かJOCの常勤職員扱いです。 当然、社会保険料も予算には含まれています。 それに、原則ロンドン五輪までの4年契約が前提です。」
とのこと、感謝。
午前10時前には代々木第2体育館へ入り、そのことを福田会長や高田専務理事に報告する。
財務省に認めさせることができ、良かった。
諸外国のスポーツ強豪国は、積極的にコーチの処遇改善をしているので、日本も遅れをとるわけには行かない。
さて、全日本選手権は第2日。
試合会場に入ると、女子55キロ級の吉田沙保里選手が、名刺を持って挨拶に来る。
「どうしたの?」
「へへぇ。 JOCのアスリート委員になったんですよ〜〜。 名刺もらってください!」
って、相変わらずとぼけたいい味を出している。
役員の皆に名刺を配っている。
でも、いつもほど元気がない。
すると、中京女子大学の栄和人監督が、
「こいつさ、中日の井端が結婚するんで落ち込んでるんですよ! 大ファンだったのに。 それも相手が報道ステーションキャスターの河野さんじゃあ、もう、だめさ・・・・・」
と、落ち込んでいる吉田沙保里をネタにして、いじっている監督なのであった。
明日試合があるというのに、吉田さん、そういうネタでさえも売りにするところが、凄いね。
でも、本当に、そろそろいい人見つけなさいよ・・・・・
さて、役員席の喧噪を横に、試合は進む。
昨日は専修大学OBの北村克哉が、グレコ96キロ級で初優勝。
今日は、3年生の荒木田進謙のフリー120キロ級での初優勝が目標。
グレコ55キロ級の大谷は、1回戦順当勝ち。
しかし、2回戦で優勝した長谷川に、なすすべなく寝技で回されて、敗退。
フリー96キロ級の馬場は、拓大の藤本に1回戦負け。
圧力に吹き飛ばされて、これまた一方的に敗退。
それにしても、馬場は身長があるのだから、深いふところを有利に使えば、もっと違う展開に持っていける内容。
あの藤本の勢いを食い止めるだけの上半身の筋力を鍛えれば、あとは、「がぶり」〜「小手投げ」〜「いなし」〜「2オン1」〜「崩し」〜「足技」のコンビネーションで十分対抗できる。
そんなことを佐藤コーチに話していると、
「俺もそう思う。 あの体格を活かさなきゃもったいない。 がぶりのコンビネーションだよな!」
と、同じことを考えていた。
怪我から復帰したのだから、馬場も来年は4年生になるので、花を開かせてほしいものだ。
さて、荒木田は2回戦こそ国士舘大学大学院の下中に、右足の片足タックルをくらって手こずったが、冷静に処理。
準決勝は高林(日文理大)に快勝。
そして決勝は!と、楽しみにしていたら、日大の相澤が負傷欠場棄権。
よって、あっさりと優勝。
高校3年生の頃から決勝に進出していて、4度目の挑戦でようやく初優勝。
表彰式で「初優勝おめでとう!」と、賞状とメダルを渡す。
お世話になった光星学院高校の橋場先生や、沢内先輩にお礼の電話を入れる。
今日一番会場を沸かせたのが、フリー96キロ級の松本。
グレコ84キロ級を勇退し、今後、日体大の指導者になるということで、勉強のためにフリースタイルに挑戦。
ところが。
2回戦で優勝候補の磯川(山口県)と対戦したら、あれよあれよというまに勝ってしまった。
第1ピリオドこそ、磯川の片足タックルとアンクルホールドに手こずって失った。
しかし、第2ピリオドには豪快な足技や掬い投げなどで圧倒して奪取。
戦闘意欲を失った磯川は、気持ちが切れてしまい、第3ピリオドは松本の独断場。
これで一気に勢いに乗った松本は、準決勝で自衛隊の坂本、決勝では日体大の下屋敷を圧倒。
決勝なんて、あっという間に横捨て身気味の小外けで倒してフォール。
フリーの選手がだらしない、というよりも、圧倒的な体力差かもしれない。
と、同時に、この日の松本の戦術をこそ、フリーの選手も学ばなければならないと思う。
積極的に組んでいって、足技も使いながら、2点3点のビッグポイントを狙う試合展開は、せこせこ1点ずつをタックルで稼ぐ日本スタイルの常識を覆すが、世界はむしろこうだ。
つかまえて、ぶん投げる!
足技で転がす!
チャンスと見たら一気に追い込む戦術、そして、レスリングの可能性を広げる技術展開は、発想の転換からこそ生まれる。
それを可能にする体力アップも当然必要だろうし。
フリースタイルの選手も、どしどしグレコを練習するべし。
と、同時に、柔道や相撲の技術も積極的に使うべし、だ。
決勝戦観戦後、夕方、自宅に戻り、掃除。
そしたら、おりんさんが帰ってきて、
「パパ、今夜は迎えに来てくれる?」
と、素知らぬ顔で切り出す。
「どうしてよ? 今朝は、迎えに来なくていいって言ったじゃん!」
「じゃあ、来ないの?」
「いくいく、行きます!」
「やったぁぁぁ!」
って、どういう風の吹き回しか?
どういう風でもなかった。
夕方になって、外は冷たい雨が降り始めたから、迎えに来て欲しいのだった。
「じゃあ、児童館で遊んでから、電車で合唱団に行って来ます!」
と、そそくさと着替えて出て行くのであった。
でも、慌てて出かけてしまい、傘を忘れていった。
掃除の途中で、そのことに気がつき、児童館に傘を持っていく。
掃除の後、読書2時間半。
雑誌「BOSS」特別号 「森喜朗の人生問答」と、小池百合子「もったいない日本」(主婦と生活社)を読む。
午後8時、合唱団におりんさんを迎えに行く。
晩御飯は、ママの作っていってくれた「キムチ鳥団子鍋」。
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